ひきポス -ひきこもりとは何か。当事者達の声を発信-

『ひきポス』は、ひきこもり当事者、経験者の声を発信する情報発信メディア。ひきこもりや、生きづらさ問題を当事者目線で取り上げます。当事者、経験者、ご家族、支援者の方々へ、生きるヒントになるような記事をお届けしていきます。

【「地域で支えるひきこもり」を考える】 第9回 地域ではまず何から支えるべきか

「地域で支えるひきこもり」という支援コンセプトが地域のひきこもり当事者活動を疎外する実例をもとに筆者の行政とのやりとりに苦慮してきた体験の当事者手記。

【男性の生きづらさ】 金や地位はなくとも日本語能力を磨いておく ~男のサバイバルについての一考察~

人生が詰んでしまった。絶望的状況。金も地位もない。 でも生き延びるために何とかしなければならない。そこで著者が目をつけたのが「言葉」だった。それも英語力を磨いてTOEICを受けるといった話ではない。ふだん私たちが使っている日常の言葉。日本語…

散髪はアイデンティティ・クライシス 床屋恐怖症との闘争(および敗北)

文: 喜久井伸哉 画像:Pixabay 私は、床屋へ行くたびに、小さなセルフ・ネグレクト(自己放任)を起こしている。 床屋に求めるのは、私を、「物」として扱ってくれることだ。「お仕事は?」とか、「お休みの日は?」などと、話しかけてきてほしくない。丁寧な…

暴力的支援団体(?)で働いてみて思うこと ~支援団体スタッフ徹底インタビュー~

2年前に有料配信した記事の無料リバイバル。自立支援団体のスタッフがひきポスのインタビューに応じてくれました。支援者の側からひきこもり当事者をどう見ているのか、そして支援とはどういうものと考えているのか。存分に語っていただきました。あとがきは…

【ひきこもり歴史館】第4回 ひきこもり王妃マリー・アントワネット ~「見られる」ことに疲弊する~

フランス革命の混乱のなかで断頭台の露と消えた王妃マリー・アントワネットのひきこもり部屋をご紹介。併せて「ひきこもりとは何か」を他者の視線という観点から再考する。唯物史観や社会構造から解き明かすフランス革命とはまた一味ちがう、嫉妬史観。

どうやって挫折したらいいのか? 夢をあきらめて無名のままで生きていく方法

文: 喜久井伸哉 画像:Pixabay 挫折は、めったに語られない。 夢や、希望や、達成の物語は、毎日、いくらでも、語られている。ニュースや、メディアで目立っているのは、成功の真っただ中にいる人々だ。アスリートでも、歌手でも、知識人でも、障碍者でも、マ…

「働いてるヒマなんかない!」~なぜそんな焦りに駆られるのか~《 ひきこもりの考古学 第11回 》

「罪悪感を抱くくらいなら働けば」と人はいう。しかし働いていると人生を無駄にしている気がして仕方がない。働いてるヒマなどないんだ。……なぜこんな気持ちになるのだろうか。

【 いまさらだけど「生きづらさ」の正体って何だ?】 第2回「生きづらさ」は変化するか

1981年に「生きづらさ」という日本語が誕生したころの「生きづらさ」とは、はたしてどのようなものであったのか。昭和の名優、高倉健のセリフにそれが語られている!?

【男性の生きづらさ】 男であることの困難とひきこもりについて ~男の外見が重要視されてきた時代に~

「モテないから人生に絶望した」といえば軽薄だとあざ笑われようか。しかし世の中の大半の男性はなんだかんだ知的な言葉で装っていても、結局モテることを求めて生きているのではないのか。その道が閉ざされている中高年ひきこもり男性の慟哭。

【 いまさらだけど「生きづらさ」の正体って何だ?】 第1回「生きづらさ」は普遍的か

「生きづらさ」という語彙は日本語にしかない。「生きづらさ」は普遍的ではないのか。昔から「生老病死」という。生きることが苦しみなのは人間の宿命のはず。でも、それと今の「生きづらさ」は同じものなのか。

【男の生きづらさ】高度経済成長は「母」に何をもたらしたか ~母と息子の関係の負の側面~

昭和の歌謡曲に歌われる日本の「母」の姿は感謝と賞讃の対象である。それがどのようにして令和の毒母になっていったのか。高度成長が日本の「母」にもたらしたものについて考える。

AIはひきこもり当事者の内面をどう見てるか?

「ChatGPTの考える『ひきこもり像』」をDALL·Eで描画 文・カルマさんが転んだ こんにちは!たまには気軽な話題でもということで、最近、ChatGPTというAIがかなり注目されていますよね。その迅速かつ精確な回答能力には驚かされます。何でも、このAIは文章作…

ウーバーイーツで月収50万円!? Yahoo!ニュースを騒がせたひきこもり当事者の手記

文・宇場崎 一郎(仮名) hbol.jp ※掲載元の記事(現在、Yahoo!ニュースのページは削除されています】 はじめに 『ひきこもり当事者が仕事に就いて社会復帰を果たす』それ自体は素晴らしい事だろうし、私自身もそうなって良かったと思う。 今回、私がこの手…

存在する不在の父 ~私の「父殺し」と「父求め」~《 ひきこもりの考古学 第10回 》

私に世間によくある父殺しの願望はなかった。私が父を殺そうとしたのは、父を探していたからである。…… 「父」とは何かを問う問題作。

【就労支援を受けなくても 第2弾】ひきこもりのまま社会とつながる ~歴史漫画を自費出版した中村秀治さんインタビュー~

地方に住むひきこもり当事者、中村秀治さん。就労支援を受けて就労したのではなく、ひきこもりながら好きなことを続けていたら歴史漫画を出版することに。が各方面より大好評。ご家庭の環境などもうかがいました。

ひきこもりアメリカ体験記【パート2】:米国での出会い

筆者と米国のひきこもりD君 アメリカで最も標高の高い町Leadvilleにて 文・山添博之 第1回目はこちら www.hikipos.info 2023年9月20日から約5週間アメリカとカナダを一人旅していました。 前回の記事においては、旅の全体的な印象について書きましたが、今回…

【ひきこもり歴史館】第3回 かつては社会に尊重されていたひきこもり ~そとこもりとしての修験者・行者・聖~

中世の「そとこもり」といえる「よそ者」や「まれびと」を、村でふつうの暮らしを営む人々は珍重していた。それが今では「社会復帰」の対象となっている。

【男性の生きづらさ】ヒーロー重圧を生きなくてはならない

ヒーローが好きなのが女性ならば、ヒーローであらねばならないのが男性である。 ヒーローであることは心地よい。しかしそれはヒーローから堕ちる恐怖との戦いでもある。

自分の思いを口に出す~当事者手記が出版されるまで~

著者近影 撮影・深田美穂 文・岡本圭太 2023年、この12月に本を出すことになった。 タイトルは『ひきこもり時給2000円』(彩流社)。この一風変わったタイトルの由来は、本の中身を参照していただきたいが、本のジャンルとしては、ひきこもり体験者によるエ…

【書評】岡本圭太著『ひきこもり時給2000円』 「親」への感謝を述べた異例の当事者手記

岡本圭太著『ひきこもり時給2000円』彩流社 2023年12月12日 2023年、全国の最低賃金の平均が、1000円をこえた。アルバイトをすれば、だいたいの地域で、1000円くらいには、なるわけだ。一方で、ひきこもっていると、お金には、ならない。それは、あたりまえ…

ひきこもりアメリカ体験記【パート1】:米国の洗礼

NYCタイムズスクエア 撮影:山添博之 文・山添博之 2023年9月20日から約5週間アメリカとカナダを一人旅していました。 前回の私の記事で書きましたように、約10年間の重度のひきこもり状態を経験した者として、約3年半前にSNSやYouTubeで英語の当事者発信を…

「自分は生まれ損ないだと思ったので、全ての人と連絡を絶った」韓国のひきこもり・モカさん当事者手記

自分の国での希望のない生活環境から逃げ、どこか新しい場所で生き直したくて憧れの日本へ留学した。そこでの生活は楽しかった。でも……

「ひきこもり」にならない選択肢はあったのか ~ 一次障害と二次障害を考える《 ひきこもりの考古学 第9回 》

「生きるな」と教育されながら育てられれば、「生きる」ことと根本的にぶつかっているのだから、どこかで矛盾が人生の表に噴出する。それが私のひきこもりであり、「遅すぎた不登校」でもあった。

小説「ぼっち系 Vチューバー『しおりん』」第1回

僕が彼女のファンになったのは、彼女も僕と同じ「ひきこもり」で、投稿も配信も決して飾り立てない内容だったからだ。 ある日、しおりんの配信がとつぜん途絶えた。 しおりんを救わなければならない。僕はしおりんになりすますことにした。

ひきこもり家族会は何のために存在するのか 〜 家族会の未来に向けて 井口(仮)さん当事者手記 第7回

ひきこもりの家族会(親の会)に参加していると、いつも本当に話したいことが話せないために葛藤する。 家族会の存在意義って何だろう。

バリエーションのある企画をいつも考える いろは女子会 in 東京・和泉多摩川【全国当事者会めぐり 第3回】

誰かを目の前にして、声の温度感、醸し出す空気、伝わってくる思い、相手の存在を感じながら会話を重ねることで生まれるものが確実にある。

ひきこもり基本法は誰のために ~ 法制化する意味を蚊帳の外から考える ~ 【地域で支えるひきこもり 第8回】

「3年以内の制定を」 要請団体はその圧力を高めているが、どのような法案が用意されているのかは、私たち一般人には皆目わからない。とくに「ひきこもり基本法」というかぎりは、「ひきこもり」当事者を主人公に据えた法律であるはずだが、その主人公たちに…

『冊子版ひきポス』 最新号とバックナンバーのご案内

『ひきポス』は、ひきこもり当事者・経験者や、生きづらさのある人の声を届けるための情報発信メディアです。 社会的な課題を当事者目線で取り上げ、多くの人へのヒントを生みだすことを目的としています。 これまでにテレビ・ラジオ・雑誌等、さまざまなメ…

境界知能の母親から生まれて 〜20人に1人の割合で存在している「見えない子どもたち」へ〜

なぜ私の中にそれほどまでに強い母への殺意が存在するのか、そしてそれがどこから来るのか、まったく分からなかった。のちに私は小学校2年生のときに見た一つの悪夢の記憶を携えて、全国あちこちの臨床家を訪ね歩くことになった。

「不登校」の語られ方が間違っていると思う3つの理由 経験者が語る根本的な問題点

最新の調査によれば、「不登校」の小中学生は約30万人となり、統計をとりはじめて以来過去最多を記録しました。増加率は前年度比22%で、コロナ禍の緊急事態宣言以降、急増しています。新たな局面に至った「不登校」を、どのように考えればいいのでしょうか…