(文・秋久 いつか) 父はむかし、 「愚痴が背広を着て歩いているようだ」 と言われたらしい。 その父の名に恥じず、私も愚痴ばかり言っている。 体調の愚痴、昨日のできごとの愚痴、尽きることなく愚痴は湧いてくる。 しかし、私は決して愚痴を言うのが好き…
(文・秋久 いつか) ちょうど十年前の大晦日。 一人暮らしのちいさな部屋を掃除して、玄関に正月飾りをつけた。 それから電車とバスを乗りついで30分ほどの実家に帰ると、ふてくされた顔の父が、一人で出迎えてくれた。 母と口論になったらしい。 お世辞に…
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