今号でひきポスは第2号となります。ひきポスwebにてひきポスをご愛読くださる皆さま、創刊号をお手に取ってくださった皆さまのおかげで、こうして第2号を刊行することができました。厚く御礼を申し上げます。
さて今号では、ひきこもり当事者・経験者である著者たちが、「私たちはこうしてつながった」というテーマを語ります。このテーマはある意味で、創刊号の「なぜひきこもったか」の「次」を表す、そのような捉え方も可能でしょう。
「どうやって人とつながるか」「どうやって孤立から抜け出すか」。私たち編集部員にも、過去にそれらを悩みとして抱えていた者が多くいます。現在の私たちはひきポスを作るために編集会議を行い、会議場に足を運んでいます。また足を運べなくとも、ひきポスを作り広めるために、ネットなどを通してコミュニケーションを取る人もいます。その意味で、私たちは完全孤立状態にはありません。
このことは、私たち個々に、人や社会と「つながった」経験や方法を持っていることを意味するのではないでしょうか? それも十人十色でユニークな。そのことは、きっと共有する価値があるはずです。
著者たちはその体験を語るだけではありません。体験を経て、そこから時間をかけて思考を重ねて紡ぎだされた、彼ら自身のユニークな「つながりスタイル」についても語ります。
本誌では、ひきこもりの当事者や経験者である著者たちによる、彼ら自身の体験や方法が書かれています。
読者に合うものもあれば、そうでないものもあるかと思います。しかしその中から、たった1つの言葉だけでも共感できるものが見つかったなら、それを心の片隅に置いてみてください。
それはきっとあなたの「生きるヒント」になるはず。私たち編集部員は皆、そのことを願っています。
記事はすべてWEBに掲載していない書き下ろしです。
ご購入いただいた金額はひきポスの継続や、執筆した当事者の原稿料になりますので、ご協力いただけると幸いです。
より多くの方に読んでいただけるように、編集部員一同で制作いたしました。ぜひ一度お手にとってご覧ください。
目次
人とつながる最初の一歩「銀の匙をもて」 さとう学
動画配信サイトからつながる ロングロウ
私たちが実践したコミュニケーション不安を和らげる方法 編集部
「ふつうの人」になりすます
ひきこもりのまま社会とつながるために ぼそっと池井多
【マンガ】ボクがコミュ障である理由 カトーコーキ
社会に出ていくよりも、逃げること 喜久井ヤシン
支援を活用しボランティアでつながる
過去の記憶、未来に重ねて Wataru
ダイエットでつながる 瀧本裕喜
家族を失った僕が、地域の資源とつながるまで がきんちょ
〝あきらめたらそこで試合開始ですよ〟「ひきこもりトータルビューティープロジェクト」河面乃浬子さんインタビュー
自殺のない社会へ 割田大悟
〈世界のひきこもり〉
フランスの女性ひきこもり当事者テルリエンヌの場合 ぼそっと池井多