(文・湊 うさみん)
あまり知られていないことですが、LGBTとひきこもりには深い関係があります。というより私自身がLGBTのTなので生きづらさが半端ないです。
2013年に「虹色あじさいの会」が行った「性的マイノリティとひきこもり」の調査結果がありますので、どのようなデータなのか引用させていただきます。
LGBTでひきこもり・不登校の経験のある100人にアンケートを取ったという、多少サンプル数が少なくはありますが参考にはなるかと思います。
LGBTのひきこもりの不登校経験率(複数回答可)
小学校 32%
中学校 57%
高校 50%
大学、大学院、専門学校 23%
前に書いた「データから見るひきこもり」ではひきこもりの6割ほどが不登校になっていました。併せて見ると興味深いですね。若干少ないと見るか、サンプル数の少なさによる偏りと見るか、同じくらいと見るか。
LGBTのひきこもりの割合
内閣府の調査ではひきこもりの人数は70万人、厚労省では26万人とされています。
15歳~34歳の人口は2009年で2950万人ですから、42人に1人がひきこもります。2.34%です。
ではセクシャルマイノリティでのひきこもりはどれくらいなのと言いますと、ひきこもり率42%となっています。(日本LGBT障碍者・患者運動連絡会による調査)
ちなみに、死にたくなった率は88%です。自殺未遂した私が言うのもなんですが多すぎですね。
LGBTの不登校の割合
LGBTの不登校率は40%となっています。
それに対して全体の不登校率は文部科学省のデータによると以下の通りです。
小学校0.48%
中学校3.01%
高校1.47%
すごく多いですね。トランスジェンダーの場合、制服を着たくないケースが多いのではないでしょうか。実際、私がそうでした。
参考URL
LGBTとひきこもりの関係について
LGBT自体がひきこもりの原因になることは少ないようです。
しかし、LGBTが原因で、家族との軋轢、友達ができない、いじめ、職場になじめないといったことになり、結果ひきこもるケースは多くあります。
セクシャルマイノリティはどのような体験をしてるのでしょうか。具体的なデータを引用します。
家族との軋轢 36%
友達ができない 27%
いじめ 31%
職場になじめない 35%
学業不振 31%
仕事がうまくいかない 28%
就職の失敗 28%
通学の失敗 26%
経済的問題 21%
私はこのうちの「家族との軋轢」「友達ができない」「就職の失敗」の3つです。そもそも就職できなかったので「職場になじめない」と「仕事がうまくいかない」はないです。
就職で90社落ちるうちに、トランスジェンダーであることを明かしてみたらどうか?と試行錯誤したことがありましたが、「どう接すればいいのかわからない。男性として扱えばいいのか女性なのか。トイレでも問題が起きそうだしうちでは雇えない」と言われました。
どのような支援が必要?
ひきこもりのほとんどは自分がひきこもりであることに苦しみ、抜け出したいと思っています。
LGBTかつひきこもりの方たちはどのような支援が必要だと考えているのでしょうか。
ここでは、「どちらかと言えば必要」といったやや消極的な回答も含めています。
セクシャルマイノリティの知識のある学校や職場のカウンセラー 88%
性的マイノリティに配慮された就労支援 81%
非ネットの当事者会・居場所など 81%
ネットの当事者会・居場所など 79%
性的マイノリティに配慮されたフリースクールなど 76%
メールや電話による相談 72%
経験者の体験記の発表 72%
メンタルフレンド 64%
ドキュメンタリーの作成 46%
ひきポスは基本的に「経験者の体験記の発表」です。自分だけじゃないんだという安心感を得ることができます。
体験記の発表は自分の負の部分をさらけ出すので書いていて心が痛いです。ハンドルネームじゃないととても書けません。親にもひきポスで書いてることは秘密にしてます。
終わりに
ひきこもりの会に行ってもLGBTについて明かせないという方がいます。逆に、LGBTの会に行ってもひきこもりであることは隠しているという方もいます。
LGBTかつひきこもりの会というのが非常に少ないのです。少ないからといって需要がないわけではないのですが、当事者は精神的に苦しくて余裕がないので、そういった集会を作ることは難しいです。
なお、ひきポスなのでひきこもりに関するデータを中心に抜き出しましたが、他にも興味深いデータが載っていますので、下記リンクからぜひご覧ください、
貴重なデータを提供してくださった「虹色あじさいの会」様には心よりの感謝を。
執筆者 湊うさみん
20代でドロップアウトして自殺未遂。ニート歴10年以上のエリートニートになっちゃいました。