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必勝バレンタイン対策講座:「ひきこもり」と合コンするとよい10の理由

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文・ぼそっと池井多

 

さて、今年もひきこもりの頭上はるか上空を通り過ぎていくバレンタインデーがやってきた。

世の女性たちはあれこれと戦略を考えていらっしゃることだろう。

そこで、たいへんお役に立つ情報を提供したいのである。

 

昨年秋、世の女性たちが合コンしたいと思っている男の職業のランキング上位10位が発表された。(*1)
 
 
25歳から39歳の女性100名にアンケートを実施した結果なのだという。
 
1位 医師 33%

2位 公務員(国家・地方) 26%

3位 税理士・公認会計士 20%

4位 パイロット 18%

5位 専門職(薬剤師など) 17%

6位① 消防士・警察官・自衛官 16%
6位② 商社マン 16%
6位③ 俳優・タレント・モデル 16%
6位④ スポーツ選手 16%

10位 弁護士、銀行員 13%
 
記事のタイトルに
「意外な結果に」
と書いてあるだけあって、
なるほど、意外な結果であった。
 
何が意外かというと、弁護士が10位だったことなんかではない。
 
ひきこもり
が10位以内に入っていないのが意外だったのである。
 
これはおかしい。
 
「ひきこもり」の男性ほど、世の女性たちにとって、いっしょに合コンするのに、最適な相手の男たちであるのにちがいないと思うのだが。
 
これはきっと「ひきこもり」という人種が、一般によく知られていないことから来ている結果にちがいない。
 
世の女性たちが、これら「合コンしたい職業」にランクインした職業の男に投票した理由を読むと、いよいよ彼女たちがいかに「ひきこもり」を知らないかということが、ヒシヒシと伝わってくるのである。
 
そこで、彼女たちが挙げた理由をもとに、
 
ひきこもり」と合コンするとよい10の理由
 
を考えてみようと思う。
 
 

1.自慢話を聞かされる心配がない。

世の中の働いている男たちは力を誇示したがる。
いかに自分に収入があるか。
いかにステータスのある仕事をしているか。
 
そういう男性は、合コンなどの場では、目の前の女性に
 
「オレって、こんなにすごいんだぜ」
「ボクちゃん、こんなにえらいんですよ」
 
ということを見せつけたくて仕方がないのである。
 
隙あらば現在の自慢話や、過去の武勇伝などをとうとうと話し、合コンに参加した女性を窒息させる。
 
女性は女性で、職場など、いつも生活している空間で、同僚の男たちが垂れる自慢話や武勇伝に窒息している。
 
そういう息苦しさから自由になりたくて、合コンに来ているのに、ここでもまた男たちの自慢話に窒息させられて帰っていくハメになる。
 
ところが、そこへ行くと、多くのひきこもりは、自分の生き方に自信がない。
 
なんせ、働いてない。
「働け、働け」とののしられている。
自慢できることがないのである。
 
だから女性も、
相手の自慢話や武勇伝を聞かされる心配がない。
 
安心して、思いっきり、心の羽根をのばせる。
 
ひきこもりほど、合コンして楽しい相手は他にいないのである。
 
 

2.マニアックな話が聞ける。

女子SPAの記事、ランク5位の「専門職」を選ぶ理由にはこう書いてある。
 
「何かを極めている人は面白い」「マニアックな話を聞くことが好きだから」など、ストイックに自分の道を突き進んでいる男性は、女性にとって好ましいイメージのようです。
 
薬剤師などの専門職の男性が、合コン相手として女性に人気を博しているのは、
 
「マニアックな話が聞けそうだから」
 
という期待があるためらしい。
 
ところが、「マニアックな話」ならば、ここはぜひ、ひきこもりに任せてほしいのである。
 
薬剤師など及びもつかないほど、ディープでオタクなマニアック話をたくさん蓄えている。
マニアックだからひきこもっている、ともいえる。
 
「マニアックな話が聞ける」ことを楽しみにしている女性のあなた、次の合コン相手チームはひきこもりで決まりです。
 

3.ストイックである。

上に述べた理由のなかで、
 
ストイックに自分の道を突き進んでいる男性は、女性にとって好ましいイメージのようです。
 
ということであるから、これまたひきこもりの出番である。
 
毎日、夜中にカップラーメンだけをすすって、
なんとか日々をしのいでいる貧困層のひきこもりなどは、
ストイシズムのかたまりである。
 
彼らこそは、
たんまり稼ぎのある裕福な女性の皆さんの知らない世界で、
「ストイックに自分の道を突き進んでいる男性」であり、
ぜひオススメなのである。
 
ストイックな男性に惹かれる女性の皆さん、次の合コンはやはりひきこもりでしょう。 
 

4.アグレッシブに求めてくれる。

上位6位のスポーツ選手に曰く、
 
アスリートは見た目の男らしさに加えて、なんだかアグレッシブに女性を求めてくれそうなイメージもあり、合コン相手としての評価は高いのでは。
 
「アグレッシブに女性を求める」ならば、
これまたひきこもりに任せてほしい。
 
ひきこもりは社会経験が少ないために、
社会性のない人が多いから、
とうぜん女性にも慣れていない者が多い。
 
すると、いったん女性に恋をすると、
相手の都合も考えず、
アスリートなど及びもつかないほど
「アグレッシブに」女性を求めていく者がたくさんいるのである。
 
男性のそういう側面はとかく欠点に数えられがちだが、自分を放棄して相手の求められるがままになってしまいたい女性の皆さんのあいだで「アグレッシブに求める」男性がポイント高いとなれば、これはもう再びひきこもりがオススメなのである。
 
 

5.最近の女性好みの体つきをしている。

消防士・警察官・自衛官が6位を占めている。
 
「筋肉ムキムキな人が多くて目の保養になりそう」と、体格重視の女性たちからは一定数の支持を得ている模様。
 
と書かれている。
 
しかし、どうだろうか。
近年は、高橋一生や星野源に代表されるような、
筋肉ムキムキではない、
いかにも草食動物を想わせる弱っちい体つきの男性が人気である。
 
となると、これは断然、
運動もせず部屋にばかりひきこもっている
ひきこもりの出番となるのである。
 
最近の女性好みの体つきの男なら、ひきこもりにお任せです。
 
 

6.いろいろな世界の話が聞ける。

4位のパイロットに曰く、
 
「旅行が好きなので、色々な国や土地の話を聞きたい」など、なかなか聞けない雲の上の裏話を期待する声もあがっています。
 
しかし、物理的にあちこち行けばいい、
というものでもない。
 
ひきこもりは部屋にこもっているぶん、
頭の中では世界のあちこちへ飛び、
精神的にたいへん豊かな人が多い。
 
さらに、インターネットにかじりついている時間が長いから、
へたな旅行マニアよりも、世界各地のいろいろなことを知っている。
 
今ではグーグルマップのストリートビューなどもあるから、実地に行かなくても、インターネットを眺めていれば、あちこちの土地を歩き回った擬似体験が頭の中に蓄えられる。
 
そんなわけで、いろいろな世界の話を聞きたいなら、会社と自宅の往復だけに明け暮れている「働いている人」よりも、部屋のなかでインターネットばかりやっているひきこもりに限るのである。 
 
 

7.やさしくて思いやりに満ちている。

ひきこもりは、他者の目を自分の中に取りこんでしまい、
それで身動きがならなくなっている者が多い。
ビクビクと的外れな忖度(そんたく)ばかりしてしまう。
 
しかし、それはとりもなおさず、自己主張を棚上げにして、相手をメインにして物事を考えてしまう、ということでもある。女性のみなさんにしてみれば、「わたし」をメインに考えてくれるチャンスである。
 
毎日の職場で無神経な男性同僚にさらされている女性のみなさん。
ここは一つ、社会に触れずに神経過敏になっているひきこもりとつきあってみませんか。
 
ひきこもりの忖度と思いやりに満ちたエスコートは、必ずやあなたの退屈な日常に、極上な時間をもたらすことでしょう。
 
 

8.チャラくない。

2位、公務員のところで曰く、
 
チャラリーマンたちとの合コンに疲れていた時、国家公務員と合コンしたら素朴さに癒やされた。
 
いやいや、素朴さだったらひきこもりは負けません。
 
なんせ世間の荒波に揉まれていませんから、そのぶんひきこもりには、国家公務員なんぞには足元も及ばないような、ダントツの素朴さがあります。
 
チャラリーマンたちとの合コンに疲れている女性のみなさん、ここはやはり国家公務員ではなくひきこもりですよ。
 
 

9.話を聞いてくれる。

社会で働いている男性は、職場でのストレスをためこんでいるから、とかく自分が話したいもの。主に仕事の話である。
 
ところが、ひきこもりは仕事をしていないので、自分の仕事の話ができません。
 
それでも、合コンのあいだ、間を持たせなければならないので、どうしても、そのぶん相手の女性のお話を聴く時間が多くなってしまう。
 
対する女性にしてみれば、これはチャンス。
 
たっぷりとひきこもりに、自分のひごろの愚痴を聞いてもらいましょう。
 
 

10.何かあったら助けてくれそう。

1位の医師を志望する女子たちにとって、
医師は
 
「何かあったら助けてくれそう」
 
というのが理由になっている。
 
恋人としてつきあう関係性に発展することを見込んで、そのような期待をいだいているのでしょう。
 
ああ、なんと甘い考えであることか。
 
医師が助けてくれるときには、あなたは医療費を払う患者であるということです。
 
あなたが日常的に困っているのは、そんなことではありません。
 
やれ、「家に帰ったら台所にゴキブリがいた」
やれ、「外へ出かけようとおもったら、自転車のタイヤがペシャンコであった」
やれ、「電球が切れているけど、何を買ってきたらいいかわからない」
といった生活的にこまごまとしたニーズ、便利屋を呼ぶまでもない小さなことの連続であるはずです。
 
そういう時に、医師の彼氏を呼べますか。
 
そういう時こそ、ふだん何もしてないひきこもりです。
 
ひきこもりならば、
台所のゴキブリを退治することも、
自転車のタイヤに急ぎ空気を入れることも、
替えの電球を買いに走ることも、
どんなつまらない用事を頼んでも、
あなたは気が引けることがありません。
 
なんせ、働いてませんから。
 
だから、ここはやっぱりひきこもりです。 

 

まとめ

というわけで、どんな角度から考察しても、やはりひきこもりほど、女性にとって合コンして面白くて魅力と実益のある相手はいない、という結論になる。

 
今夜、バレンタインデーにかこつけて、世間では数多くの合コンが開かれることだろうが、まだ相手のグループが決まっていない女子チームの皆さまは、ここは迷わずにひきこもりに連絡を取ってみることをおすすめする。