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ひきこもり名人となった私(9)山の中へこもるメリット・デメリット


ひきこもり名人となった私09

 

・・・「ひきこもり名人となった私(8)」からのつづき

 

ぼそっと池井多 和歌山の山の中へひっこんで
 ひきこもり生活を続ける以外にも、
 いま暮らしていらっしゃる横浜の団地で
 生活保護を受けて生き延びるという選択肢も
 いちおう考えたのですか。
 
ひきこもり名人 いちおう考えましたね。
 
 住んでいる団地は持ち家なので、そこは売って、
 近所に市営住宅とかあるから、そこへ自分は入って
 そこで生活保護を受ければ、
 横浜で今までどおりの人とつながり
 コミュニティを維持したまま、
 暮らしをしていけるでしょう。
 
 しかし、やはり、そろそろ第二の人生というのを
 やってみたいのです。
 
 あと、ひきこもり、ニート、無職ですから、
 そして現代はインターネットがあるわけですから、
 日本じゅうどこに住んでも一緒だと思うんですよ。
 
 ぼくがいるところが、つねに中心地だと思ってますから。
 
ぼそっと池井多 いわゆる都会の生活というものに
 執着はないですか。
 
ひきこもり名人 もう45年も横浜に住んでいるから、
 ここでの生活が快適であることは間違いないけれども、
 でも、都会の生活に「執着」できる人というのは、
 「選べる人」だと思う。
 
 つまり、「お金がある人」。
 たとえば、ひきこもりでも親の資産があるひきこもりとか。
 
 ぼくみたいに何もない人は、
 ただただ家賃の安い方へ行く。
 
 ぼくは家賃を払う気はないんで、
 家賃が0円(ゼロえん)のところへ移住して、
 生きていく。
 
 それがぼくの思想とも一致するし。
 やはり、思想や哲学と一致した暮らしをしてみたい
 というのが願いですかね。
 
ぼそっと池井多 なるほど。そうすると、
 いま横浜や東京で営んでいらっしゃる
 都市型のひきこもり生活、たとえば、
 ひきこもり道場なり、
 そういうイベントを開催したり参加したり、
 という生活が、
 山の中にこもっちゃうとむずかしくなるのではないですか。
 
ひきこもり名人 ええ、だから今度は、和歌山の山の中で
 そういうイベントを開くというわけです。
 規模は小さくなるでしょうけど。
 でも、それでいいんじゃないですかね。
 
 インターネットがあるわけですから、
 伝えたいことはネットで伝えればいいですし。
 
 この動画もネットにアップされるわけですから、
 和歌山であろうと東京であろうと何の関係もない。
 
 そういうテクノロジーがアップしてきたんだから、
 やってみようかな、……って思ってるだけど、
 じつはまだ全然やってないんですけどね。
 
……。
……。

 

・・・「ひきこもり名人となった私(10)」へつづく

 

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