喜久井ヤシン
今回は、ひきこもり当事者たちが制作していた雑誌『IRIS(イリス)』をご紹介します。 『IRIS』はひきこもりや「生きづらさ」が主なテーマとなっていた同人誌です。 2003年から2006年の約3年のあいだに、12冊が刊行されました。 創刊のきっかけは、東京シュ…
ひきこもり経験者による、約1000文字のショートショートをお届けします。〈生きづらさ〉から生まれた小さな世界をお楽しみください。 とおふじ さおり 『生い立ちに名はない』より ひきこもり養成講座 「外にばかり出てないで、たまには家にいなさい!」と母…
今回は、ひきこもり当事者が制作していた雑誌『クラヴェリナ』を紹介します。 『クラヴェリナ』は、2002年から2004年までに、7冊が刊行された同人誌です。 雑誌創刊のきっかけは、ひきこもり当事者たちの居場所「スペース1」でした。 設立したのはOご夫妻で…
ひきこもり経験者による、約1000文字のショートショートをお届けします。〈生きづらさ〉から生まれた小さな世界をお楽しみください。 とおふじさおり 『生い立ちに名はない』より 孤独証明書 私がいくら〈孤独受付窓口〉で文句をいっても、決定はくつがえら…
(文 「ひきポス」編集部/編集 喜久井ヤシン) 2020年も、『ひきポス』は「ひきこもり」当事者・経験者の声を届ける情報発信メディアとして、活動を続けることができました。今回は、この一年間に公開された『ひきポス』の記事を取り上げ、「ひきこもり」ニ…
今回は、ひきこもり当事者のために作られていた雑誌『Hiki♡Com`i(ひきコミ)』を紹介します。 『ひきコミ』は、不登校情報センターの活動から生まれた雑誌です。 サブタイトルは「不登校、ひきこもり、対人不安の人から発信する個人情報誌」。 2000年12月の…
ひきこもり経験者による、約1000文字のショートショートをお届けします。〈生きづらさ〉から生まれた小さな世界をお楽しみください。 とおふじさおり 『生い立ちに名はない』より 〈心の闇〉摘出手術 目を覚ますと、そこは病室だった。 「具合はどうかな」と…
今回は、2000年代前半に発行された「ひきこもり当事者のための雑誌」3点を紹介します。まだ「ひきこもり」という言葉が広まったばかりの時代、当事者たちは何を考え、何を発信していたのか。知られざる「ひきこもり」の歴史を発掘します。 Ⅰ 2000年創刊の文…
『冊子版 ひきポス』のバックナンバーをご案内します。 『ひきポス』は、ひきこもり当事者、経験者の声を発信する情報発信メディアです。 生きづらさ問題を当事者目線で取り上げ、当事者・経験者・家族・支援者へ、生きるヒントになる記事を届けることを目的…
ひきこもり経験者による、約1000文字のショートショートをお届けします。〈生きづらさ〉から生まれた小さな世界をお楽しみください。 とおふじさおり『生い立ちに名はない』より 生きづらさコンサルタント はじめまして。 このたびは、〈生きづらさコンサル…
今回は、〈歩くこと〉がテーマのエッセイです。孤立によって「外をうまく歩けなくなる」とはどういうことか。哲学的な当事者手記をお届けします。 街なかを歩いているときに、人の外見ではなく「歩き方」そのものに着目することはあまりないだろう。しかし「…
ひきこもり経験者による、約1000文字のショートショートをお届けします。〈生きづらさ〉から生まれた小さな世界をお楽しみください。 あしざわたつる / 精霊たちの楽園 3.8メートルの悲しみ ヨルヒコ君は、8歳のときに突然、3.8メートルになった。 それはや…
(文・写真 喜久井ヤシン) 政治家などによるLGBTへの差別発言は、当事者を深く傷つけてきました。しかし直接的な言葉だけでなく、「語られなかった言葉」にも差別があります。今回は、小説や詩の言葉から〈生きづらさ〉を考察。ゲイの当事者の声をお届けし…
ひきこもり経験者による、約1000文字のショートショートをお届けします。〈生きづらさ〉から生まれた小さな世界をお楽しみください。 あしわざたつる / 精霊たちの楽園 空を見上げる 幽霊は飼っちゃダメ ぼくから一つだけ言う。 なにがあっても、幽霊は飼っ…
今回は、「ひきこもり」当事者が「ひきこもり」の反対語を考察します。一言では語れない「ひきこもり」の本当の意味とは何か。〈反対語〉を考えることで、新たな発見があるかもしれません。 まず、ざっと「ひきこもり」の反対語だと思われる言葉をあげてみま…
ひきこもり経験者による、約1000文字のショートショートをお届けします。〈生きづらさ〉から生まれた小さな世界をお楽しみください。 アダチンティス ~失われた文明~ 西暦2XX0年、トシとキヨタの二人は、立入禁止の土地に足を踏み入れた。 そこは、東…
ひきこもり経験者による、約1000文字のショートショートをお届けします。〈生きづらさ〉から生まれた小さな世界をお楽しみください。 あしざわたつる / 精霊達の楽園 北九州納税促進会編 『世界昔ばなし全集』第4巻 僕は、ベッドの中の子どもに向けて言った…
(文 喜久井ヤシン 画像 Pixabay) 「ひきこもり」の話題は、日々メディアに飛びかっています。しかし一口に「ひきこもり」といっても、言葉の使われ方はさまざまです。意味が異なるまま使っていては、誤解のもとになってしまうかもしれません。そこで今回は…
ひきこもり経験者による、約1000文字のショートショートをお届けします。〈生きづらさ〉から生まれた小さな世界をお楽しみください。 あしざわたつる / 精霊達の楽園 大怪獣100万頭 VS 僕 本当にごめん。 はじめは一頭だけだったんだ。 ある日突然、街に巨…
(文 喜久井ヤシン) 人間のみがこの世で苦しんでいるので、笑いを発明せざるを得なかった。 (ニーチェ「権力への意志」) 笑いがなければ何になるだろう、この人生は。 ——スタンダップ・コメディ。それはお笑いを基軸とした、一人舞台のエンターテインメン…
ひきこもり経験者による、約1000文字のショートショートをお届けします。〈生きづらさ〉から生まれた、小さな世界をお楽しみください。 青木克雄 / 僕らの産まれる前Ⅱ 保温機 ある時、女が保温機を産んだ。 保温機は、産まれてすぐにヴンヴンと稼働した。 …
(文 喜久井ヤシン 画像 Pixabay) 「力を入れろ」ではなく「力を抜け」と言ってほしい 世の中ではよく、「がんばれ」や「集中しろ」といった言葉が発せられる。 「ひきこもり」に対しても同様で、「力を入れろ」と急かされているような感覚になる。 しかし…
ひきこもり経験者による、約1000文字のショートショートをお届けします。〈生きづらさ〉から生まれた小さな世界をお楽しみください。 青木克雄 / 炎の記憶 〈悲しみ〉が故障したアンドロイド 俺がアンドロイドの修理工を始めてから、早三十年になる。 専門…
(文 喜久井ヤシン 画像 Pixabay) 中島みゆきは、これまで627曲以上※1の作詞をしてきた。 そのうち、歌詞の中に「糸」という言葉が含まれている作品は11曲※2ある。 一例をあげると、以下のような楽曲がある。 ふたつの炎が同じ速さで燃えはしない ひとつが…
ひきこもり経験者による、1000文字のショートショートをお届けします。〈生きづらさ〉から生まれた、空想の世界をお楽しみください。 フルタアキヒコ「ベレー帽の女の子」 シッポのある女の子だった私 私には小さなころしっぽがあった。 しっぽは、嬉しいと…
(文 信田風馬) 今回は、不登校経験者の信田風馬(のぶた ふうま)さんの当事者手記をお届けします。信田さんは十代の頃から、大勢の前で自身の体験を語ってきました。しかしある時から、「不登校」にふり回されてきた自分に気づき、うまく語ることができな…
ひきこもり経験者による、1000文字のショートショートをお届けします。〈生きづらさ〉から生まれた、空想の世界をお楽しみください。 フルタアキヒコ「VISION」 令和博物館 このあいだスクールで「令和博物館」の見学があって、古い時代の物をわざわざ見て回…
(文 喜久井ヤシン 画像 Pixabay) 「長い距離を下るときには、じっとすわっていることも大切なんだ」(カヌーの達人からの助言) 世の中では、ある二文字が頻繁に使われている。 「プロジェクト」「プロダクション」、「プロダクト」「プロセス」「プロデュ…
ひきこもり経験者による、1000文字のショートショートをお届けします。〈生きづらさ〉から生まれた小さな物語をお楽しみください。 まる「いえにいるいぬ」 「ふつう免許」試験 俺は「ふつう免許」の試験会場で、結果発表を待っていた。 30人ほどいる教室の…
(文 喜久井ヤシン 画像 Pixabay) 助けになった「サードプレイス」 私は十代のほとんどの期間、「不登校」であり「ひきこもり」だった。 現在は仕事をしているが、たまに不登校に関するイベントへ行くことがある。 そのさい、私が経験者だとわかると、悩み…