ひきポス -ひきこもりとは何か。当事者達の声を発信-

『ひきポス』は、ひきこもり当事者、経験者の声を発信する情報発信メディア。ひきこもりや、生きづらさ問題を当事者目線で取り上げます。当事者、経験者、ご家族、支援者の方々へ、生きるヒントになるような記事をお届けしていきます。

喜久井伸哉

明治時代には学校が燃やされていた 日本の近現代史から考えると本当は「不登校」なんてどうでもいい

文 喜久井伸哉/「不登校」最終回答試論① 小中学生の「不登校」は24万件を超え、近年増加を続けています。これは一般的に「問題」と考えられていますが、歴史的に見ると、「子供が学校へ行かないこと」は珍しくありませんでした。今回は、あまり語られること…

「暗い支援」がほしい

文 喜久井伸哉 / 画像 Pixabay 「明るい」支援者はお断り?今回は、ひきこもり経験者が語るユニークな〈支援論〉をお届けします。 世の中の「明るさ」がこわい 私は半分本気でいうが、就労支援所は葬儀社をモデルにしてほしい。 今の世の中は、「明るさ」が…

社会人は〈雑談〉が9割……でも私に欠けていたものは他にあった

(文 喜久井伸哉 / 画像 Pixabay) 社会人は〈雑談〉が9割 〈雑談〉さえうまくできれば、どんな社会でも生きていけると思う。 私は筋金入りの「不登校」だが、大人になった今、必要だと思うのは「学力」よりも「雑談力」だ。 世の中で働く多くの人にとって…

【観劇レビュー】俳優座の「演劇8050」はひきこもりと向き合う重要なヒントを(半分だけ)とらえた

今回は、劇団俳優座の舞台『猫、獅子になる』のレビューをお届けします。作品の主役は、中学の頃のトラウマをきっかけに、長年自室に引きこもっている50歳の女性。「ひきこもり」の物語を、「ひきこもり」の経験者が読み解きます。 ※公演初日の11月4日の回を…

職場の人とうまく〈雑談〉ができたとき、私ははじめて「人間になれた」と思えた

(文 喜久井伸哉) もし私の「ひきこもり」にゴールがあるとしたら、「職場で雑談ができたとき」だ。 「就労」ではない。 「ひきこもり支援」では、よく「就労」がゴールのように言われている。 外で働いて、自分のお金を稼ぐという点では、たしかに「社会的ひ…

ギャンブルでも人生でも、「もしかしたら」という悪性の希望が身を滅ぼす

(文 喜久井伸哉 / 画像 Pixabay) 人がギャンブルにハマるのは、「うまくいく」からではない。 「うまくいくかもしれない」からだ。 ボロボロに負けても、「次はうまくいくかもしれない」と思えるせいで、欲望が立ち切れなくなる。 ゲームの勝敗にしても、…

わたしが「生きづらさ」を感じるのは、人生から〈グレーゾーン〉がなくなったとき

(文 喜久井伸哉) 私が「生きづらさ」を感じるのは、人生の「グレーゾーン」が少ないときだ。 「学校に行くか行かないか」、「就職するかしないか」、「結婚しているかしていないか」。 はっきりした「白か黒か」の状態しか許されず、中間の選択肢がないと…

不登校もひきこもりも、自分で選んだ人生ではありませんでした

私は、自分で選んでいないものによって批判されてきた。 「不登校」がそうだった。「ひきこもり」がそうだった。「ゲイ」がそうだった。 どれも自分では選んでいないが、私は「不登校」として育ち、「ひきこもり」として過ごし、「ゲイ」として生きてきた。 …

【音楽】おうちで熱唱!最新〈ひきこもりソング〉傑作選! 有名バンドのあの曲から誰も知らない迷曲まで

(編集 喜久井伸哉) 今回は、知られざる〈ひきこもりソング〉の世界を特集!「おうち」タイムを歌ったキュートな一曲から、シリアスに叫ぶK‐POPまで。深刻になりがちな「ひきこもり」の話題を、最新の音楽で吹き飛ばします。 No.1 Haze 『引きこもりロック…

日本には世界で唯一の「孤独担当相」がある!……それで、いったい何をしているの?

(文 喜久井伸哉) 日本には、世界で唯一の「孤独担当相」のポストがある。2021年の3月に大臣が任命され、「孤独」の問題にあたっている。だが、どこか冗談のような役職であり、知名度もいま一つだ。いったいどのような取り組みをしているのか?今回は、「孤…

こころの産毛を擦り切らせないように 追悼・中井久夫

(文・喜久井伸哉) 2022年8月8日、中井久夫氏が亡くなられた。88歳だった。 私は一読者に過ぎず、面識もないが、この場を中井氏の記念とさせていただきたい。 私はライターとして、何度か著名人への取材をしている。 仕事を始めたとき、願わくば取材したい…

「引きこもる子ども」を殺す親たち アンチ援助希求の心理

『「命を救ってやったのは、2度目だぜ」 「まあね。ツケにしといて」』(映画『ゴースト・オブ・マーズ』) 子供をひきこもりにする方法 ひきこもりは、社会に損失を計上する存在と見なされている。日本国内の被害規模は、おそらく漫画の実写映画化をしのぐ…

弱者に「与える」方策よりも、弱者から「与えられる」方策へ アンチ援助希求の心理

傲慢な支援者が現れて、「お前に救いを与えてやろう」という態度だったなら、私は〈支援〉お断りである。「与える」もの自体はまだしも、一方的に「与える」関係性を受け取りたくない。「ひきこもりに与える」方策より、むしろ「ひきこもりが与える」方策は…

〈支援〉お断り アンチ援助希求の心理

もし全知全能の「ひきこもり支援員」が町役場から光の輪を輝かせて降臨し、「汝(なんじ)、如何(いか)なる支援を望むや」と尋ねたとする。 ひきこもりの私は答えよう、「何もするな」と。 私が迷える子羊だとしても、そこは迷わず答えられる。どうしても…

「人に与えられる」ものがないとき、「人から与えられる」ことはできない アンチ援助希求の心理

私は「奪う者」と見なされた 親からの無償の愛を返済するために、子供は有償の愛に奔走(ほんそう)させられる。私は模範的な子供になることで、親からの愛を返済したかった。優等な成績をとり、志望校に就学し、学歴や資格を取得し、第一希望の会社に就職す…

私は「孤独依存症」だった 〈独り〉の乱用が止められないとき、人はひきこもりを苦しむ

KIKUI Shinya 2022 / Photo by Pixabay 会話が知性の催淫剤であるように、孤独は精神の催淫剤だ(シオラン) 私は〈孤独依存症〉であった。この病名は一般に知られていない。なぜなら私がさっき適当に思いついた造語だからだ。 アルコール依存症やギャンブル…