ひきポス -ひきこもりとは何か。当事者達の声を発信-

『ひきポス』は、ひきこもり当事者、経験者の声を発信する情報発信メディア。ひきこもりや、生きづらさ問題を当事者目線で取り上げます。当事者、経験者、ご家族、支援者の方々へ、生きるヒントになるような記事をお届けしていきます。

他人のいい所、世の中のキラキラした所がみんな痛いんです。:四十代女性ひきこもり当事者、瀬戸さんインタビュー 第2回

f:id:Vosot:20180813000600j:plain

Photo by ぼそっと池井多
瀬戸さんは現在47歳女性のひきこもり当事者である。しばらく前にインタビューをさせていただき、その全文は「ぼそっとプロジェクト」で読むことができるが、ここひきポスではハイライトな部分を編集して、ダイジェスト版でお届けする。

 

インタビュー・編集 ぼそっと池井多
語り・瀬戸

 

 

 

・・・「第1回」からのつづき 

 

 

瀬戸 きっと私は、どこかで

「何かを表現したい」

という気持ちをずっと持ってたのですね。

 

でも大学に入って、ひきこもったあたりから、

その気持ちがずいぶん歪んできてしまったのでしょう。

どんどんひきこもって

人と関われなくなっていく自分を守るために、

私は本当はすごい奴なんだ。

ものすごい才能を持っているのに

今はそれを出せていないだけなんだ


と思うようになっていった。

 

たぶん肥大化した自己愛。


「表現したい!」
ではなくて
「自分は何かすごい才能を持ってるんだ!」
に変わって、そこに閉じこもってしまうと、

だんだん気持ちが膿んで、赤く腫れ上がって行くのです。

 

そうなると、たまに外に出た時にいろいろな物が目に入ると、

痛いんですよ。


キラキラした物や、他人のいい所、

才能や表現に関係あることならもちろん、

あらゆることが痛いんです。


豊かな人間関係を持っていそうな人、

友達が多そうな人、

ほんのちょっとした他人のいい所が、

全部、全部、痛いんです。


全部、自分への攻撃のように感じるというか。


あんまり痛いので、余計に他人と関われない。

 

 

・・・「第3回」へつづく