ひきポス -ひきこもりとは何か。当事者達の声を発信-

『ひきポス』は、ひきこもり当事者、経験者の声を発信する情報発信メディア。ひきこもりや、生きづらさ問題を当事者目線で取り上げます。当事者、経験者、ご家族、支援者の方々へ、生きるヒントになるような記事をお届けしていきます。

敏感な人はHSPという体質かもしれません

f:id:usa_mint:20190304221407j:plain

(文・湊 うさみん)



HSPという単語をご存知でしょうか。Highly Sensitive Personの略で、刺激に敏感な人のことを指します。

 

大きな特徴としては、大きな音が苦手なこと、びっくりしやすいこと、不安が強いこと、マルチタスクが苦手なこと、自己評価が低いこと、HSPの70%は内向的であること、受け取る情報量が多くて常に脳がオーバーロード状態にあるため疲れやすいなどがあります。

 

国籍・年齢・性別に関係なく15~20%程度存在していて、私自身がHSPであると思っています。

 

HSPは生まれつきによるもので、環境要因は関係ないそうです。どんな親とか学校に行ってる行ってないとかは関係なく、遺伝的なもの。

 

詳しく知りたい方は本を読むといいのですが、HSPで検索してもプログラミング言語しか出ないので注意が必要です。(これを書いてる当時の話です)

 

代表的な書籍としては
・鈍感な世界に生きる 敏感な人たち
・「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる 「繊細さん」の本
・ひといちばい敏感な子
・「敏感すぎる自分」を好きになれる本
・大人になっても敏感で傷つきやすいあなたへの19の処方箋
などがあります。おおむね「敏感」がキーワードになっているようです。

 

外界から得る情報が多すぎて疲れるみたい?

私自身、大きな音が苦手なのでイヤホンか耳栓で音をシャットアウトしていることが多いです。

 

実家に住んでいると大きな音が多いんです。ドアを開け閉めするバタンという音でさえ、私には結構不快感が強くて、ストレスになってしまいます。

 

また、音をシャットアウトしている時に家族が部屋に入ってくるとびっくりして、これもまたストレスになってしまうので、鍵をかけています。

 

大きな声でしゃべる人、怒鳴る人も苦手でそういう人とは距離を取りがちです。というか私の父親なのですが・・・。大きな音で痰吐いたりおならしたり、汚いしうるさいので本当にやめてほしい。

 

そもそも自分で大声を出すことすらイヤなので、遠くにいる人に声をかける場合でもわざわざ近寄ります。

 

また、HSPの特徴である「疲れやすい」はひきこもっていて運動不足になっているかっらじゃないの?と思われる人もいるでしょう。確かに筋力がかなり落ちているはずです。

 

うつ病とHSPが合体すると疲れ方が異常なんです。私の場合は家の前のコンビニに行っただけ疲れたり、階段を上って2階に上がっただけで疲れを感じたり。それに体力が一日持たなくて横になる時間が必要だったり。

 

30代の心肺能力でこれはおかしいと感じていたら、HSPは疲れやすいと聞いてなるほどと納得がいった次第です。

 

もっとも、どこまでHSPが関係しているのかわかりません。ただ単に疲れやすい体質なのかもしれませんが、HSPの本を何冊か読んでみると、当てはまる事柄が多いんです。

 

HSPの長所ももちろんあります

HSPには悪いところだけでなく、いいところもあります。

 

マルチタスクが苦手ということはシングルタスクは得意ということ。ひとつのことをコツコツと積み上げて実績を出すことが得意なのです。なんでもやってしまう器用貧乏になるよりは一つのことを極めたほうがいいので、大きな利点と言えると言えるのではないでしょうか。

 

また、外界から得られる情報量が多いということは、他の人が気付かないことにも気付けるということです。

 

これは芸術的分野においては大きな特徴で、普通の人が見落としてしまいがちなことに気付けると繊細な創作ができると思います。繊細さを感じる創作物って誰にでも作れるものではないでしょうし。

 

私は一応文章を書いている身なので、創作的なセンスがあればそれはとても喜ばしいことです。代わりに生きづらさを抱えてしまっていますが、うまくHSPを活かすことができるのなら、自分を好きになれそうな気がします。

 

HSPのマイナスな部分に目を向けるより、プラスな部分を活かして生きていきたいですね。

 

孫子は「己を知り敵を知れば百戦危うからず」と言いましたが、あらゆる情報源にあたって自分を知ることが大事だと思っています。自分のことなのに自分自身がわかっていないことがよくあって、私は本を読むと「そういうことだったのね」と附に落ちることが多いです。

 

そうして、HSPの特徴をよく知り、上に書いたような耳栓などでうまく対策をしていく。それが大事ではないでしょうか。

 

とは言ってもつらいものはつらいので、時々弱音を吐いてガス抜きしつつ生きていくしかないのでしょうね。生きることの難易度の高さといったら。

 

執筆者 湊うさみん

20代でドロップアウトして自殺未遂。ニート歴10年以上のエリートニートになっちゃいました。

ツイッター→https://twitter.com/usa_mint3