ひきポス -ひきこもりとは何か。当事者達の声を発信-

『ひきポス』は、ひきこもり当事者、経験者の声を発信する情報発信メディア。ひきこもりや、生きづらさ問題を当事者目線で取り上げます。当事者、経験者、ご家族、支援者の方々へ、生きるヒントになるような記事をお届けしていきます。

ひきこもり名人となった私(12)田舎へ移住してひきこもる方法

ひきこもり名人となった私(11)」からのつづき・・・

 
ぼそっと池井多 さきほど家賃を払いたくない、って話が
 出ましたけれども、
 そういうひきこもり名人が田舎に住もうとしているからには、
 田舎には、都会の人間が考えているような形での
 「家賃」という毎月定額の出費が
 あるわけではないんですね?

ひきこもり名人 まず家賃は、家が20万円です。

ぼそっと池井多 それは、家賃が20万円じゃなくて、
 一戸建ての家が一軒、20万円で買えるということ?

ひきこもり名人 そう。キャッシュ20万円で家が買える。

 で、家賃ならひと月5000円です。
 ただし、貸してくれる人がいれば、って話です。

 たった20万円で家を売り渡すなら、
 もう倉庫代わりにずっと持っていたほうがいいや、とか
 1ヵ月5000円でへんな人が借りて、
 トラブルが起きたら面倒くさいな、とか
 そういう人が田舎にはけっこう多くて、
 空き家はたくさんあるんだけれども、
 貸してくれる人、売ってくれる人は少ないのです。

 それが今の過疎の村の現実なのです。

 あと先祖代々の土地を
 自分の代で売りたくない
 という地方特有の見栄もある。

 でも、見るからにボロ屋だし、
 人が住まないと家は
 どんどん痛んでいくんですよね。

 だから、そういう問題があるので、
 ぼくは自分で小屋を建てたわけですよ。

 そんな、貸してくれるかくれないか、
 売ってくれるかくれないか、わからない人をあてにしたら、
 それこそ野垂れ死にしてしまうから、
 ぼくの場合は、最低限度の生活、
 ホームレスのちょっと上くらいの生活ができる
 小屋を建てて、そこに住もうと思いまして。

イメージ 1
ひきこもり名人が自ら和歌山の山村に建てた小屋

 
 村の平均寿命がだいたい80歳ぐらいなんですよ。

 それを考えると、4,5年後には
 彼らは家を手放さなくてはいけないだろう。

 すると、そのときには
 空き家が借りられるようになるのではないか。

 限界集落の過疎の村には、そういう可能性を感じています。

 唯一の欠点は公共交通が乏しいということ。

ぼそっと池井多 車を運転できないと、住めないってことですか。

ひきこもり名人 でも、みんながみんな
 車の免許を取れるわけではないじゃないですか。

 子どもや老人、弱者は免許取れない。

 そういうときに必要になるのが、公共交通。

 田舎のバスはぜんぶ無料にするのが、
 いいんじゃないかな、と思っているのですね。
 それがほんらいの社会保障、福祉、公共事業の在り方だと。

……。
……。