(文・湊 うさみん)
私は50歳になるまでに死ぬような気がしています。
私ももうアラフォーですし、8050問題は先のことでも7040問題は他人事ではないはず。完全に自分事なのですが、自分のこととして考えることができないのです。
それはなぜかというと、私は近いうちに死にそうだから、50歳はおろか40歳までも生きないだろうと考えているからです。
日常的に希死念慮に襲われてると感覚がおかしくなる
希死念慮とは、その名の通り「死にたい」という気持ちなのですが、深く自分の中に潜っていくと、その正体は「死にたい」ではないとわかります。
楽になりたい。苦しみから逃れたい。休みたい。この世から消えてしまいたい。その手段が死ぬ以外にないから、結果的に死にたいと考えるようになるのです。
さらに自分を深く追求していくと、単なる「苦しい」「つらい」では希死念慮に結びつくことはありません。
「生きるのに疲れた」「苦しむのに疲れた」といった「疲れた」感覚が、楽になりたい気持ちと繋がってきます。
どんな方でも疲れた経験はあるでしょう。そんな時、休みたい、楽になりたいと思うはずです。私のようなメンヘラの場合、楽になる方法が死ぬ以外にないので、「死にたい」という感情になります。私はこれが希死念慮だと思っています。
日常的に死にたい気持ちを抱えていると、「今日の自分は希死念慮に耐えた。でも、明日の自分、明後日の自分はどうだろう」と考えるようになります。
そうなると、365日間、ずっと死にたい気持ちに打ち勝てるかというと、怪しく感じられるんです。365日もあれば一日くらい負けるんじゃないかな、と。どんな強くても365連勝というわけにはいないだろう、と。
一年後の自分は存在しない。きっと死んでいるだろうという予感があるのです。去年も同じことを考えていたので、なんだかんだで生きながらえるんですけどね。
でもやっぱりで生きる
私がうつ病を発症してから13年くらい経っています。
その間、死なずに生きてきました。「10代の頃は30歳になるまでには死んでるだろう」と考えていましたし、20代は「30歳までに自殺するかな」と思っていました。
でも、今やアラフォー。ここまで生きる気力がない割に生き続けているのだから、人間って案外しぶといものです。
生きたいと願っている人が若くして死ぬ一方で、私のように死んでもいいと考えている人間が生きるのです。世の中ってイヤですね。
災害が起きても避難しない、病気になっても病院に行かない
悪運が強くて生き続けてきましたが、それももうすぐ終わりじゃないかなと思うのです。
というのも、人間は40代前後に一度は命に関わるような大病にかかるイメージがあるからです。私の身内でもガンになったり心臓がおかしくなったり、病気にかかっているケースがかなりあります。
不健康な生活を送っていればきっと病気にかかるはずですが、私はそのとき、病院に行く気はありません。
病気が進行し、そのまま死に至るのを待ちます。
大きな病にかかれば治療費はたくさんかかりますし、家族のフォローも必要になってきます。
私は現在進行形で家族に迷惑をかけているから、これ以上はかけたくないんです。金銭的にも、心理的も、多大な迷惑をかけているから、さすがに今以上は勘弁、と思ってしまうのは割と普通の心理ではないでしょうか。
また、災害が起きたときも同様です。
私は都内に住んでいますが、近いうちに関東に大地震が起きると三十年前から言われ続けています。それ以外にも、日本は災害の多い国ですから、台風やら火山噴火やら、死ぬような災害も遠くない未来にあるのではないでしょうか。
その時、私は避難しません。
実際、2019年の超大型台風「ハギビス」が関東に上陸したときも、普通に家でゲームやってました。
上陸当日は、「今日で死ぬかなー、遺書くらい書いたほうがいいかなー」と考えていましたが、結局何も起きずに台風は通り過ぎていきました。
というか、風雨の中、避難したほうが逆に危なかった気もしますが。
自殺ではないけど……
災害や病気が私を殺してくれるのならありがたいです。私はこれを「緩慢な自殺」と名付けていますが、同じような心境の人も多くいるのではないかと推測します。
過去に私は自殺未遂をしました。その時に感じたのは、自殺はとても難しい行為だということ。
私のような根性のない人にはとても成功させることはできないでしょう。もしもまた未遂に終わって体に障害が残ったら最悪なので、確実に死ななくちゃいけませんが、それが難しい。
ひきこもりのみんなが恐れているかもしれない8050問題。私は50歳になるまでに「緩慢な自殺」によって死んでいそうです。
ですが、こうも思うのです。おかしな言い方になりますが、希死念慮や災害や病気が近いうちに私を殺してくれるのであれば、わざわざ自殺する必要はないように感じます。そうして、悪運の強さによってだらだらと生き延びる……案外そんな人生かもしれないですね。
執筆者 湊うさみん
20代でドロップアウトして自殺未遂。ニート歴10年以上のエリートニートになっちゃいました。