(文・湊 うさみん)
うつ病で気力がなさすぎて歯が磨けません。
よくよく考えてみれば、遊ぶことすらまともにできないんです。それなのに、歯磨きなんていうつまらない作業をできるはずがないんです。
歯磨きって歯ブラシを上下左右に動かしているだけですよね。歯ぐきがマッサージされて気持ちいいという人もいるようですが、私には歯磨きに面白さを見出すことができません。
面白くないことをするには気力が必要で、うつ病になるとその気力を振り絞ることができなくなります。
歯磨き中は歯磨きに集中するしかない
ではちょっとでも楽しくなるように音楽を聴きながら歯磨きをしてはどうかと考えました。
しかし、口の中でブラシが動くガシガシという音があまりにもうるさすぎてよく聴こえません。イヤホンやヘッドホンをしても無駄です。
音楽を聴いていれば気が紛れるのですが、ガシガシ音の前では無力です。
しかも、歯磨きは重労働です。私は結構力を入れて磨くほうなので、腕が疲れます。数分ほど磨いたら腕を少しぶらぶらさせて、休憩を取らなければなりません。
ほとんど運動しない体にそんな重労働はできないのです。
磨けないなら磨かなければいい
便利なことに、マウスウォッシュというアイテムがあります。
歯を磨いた後に残った歯垢を洗い流すために使うものであって、歯磨きの代わりにはならないのですが、この際仕方ありません。
amazonで買った一番安いマウスウォッシュで口の中を洗いました。すっきりした感覚がありますが、歯垢を完全に落とせるわけではなく、下で歯の裏をなぞってみると汚れがあることがわかります。
それらはティッシュで拭きました。これで少しはきれいさっぱり。
これでは歯と歯の隙間がキレイになっていないことはわかるんです。わかっているんですが、歯磨きをする気力がどうしても湧きません。
やっぱり歯磨きは大事
薬が変わってうつ病がましになったときに、歯医者に行きました。
その結果、歯と歯の隙間のほとんどが虫歯になっていることが判明しました。
そのせいで、歯医者でかなりのお金と精神力と労力を消費しました。うまい医者だったせいか痛みはそれほどではなかったですが、詰め物で治すことが不可能なため、差し歯で治療するしかありません。
その差し歯が一本五千円程度。5本ほど差し歯になりました。
しかも、これで全部治ったわけではないのです。
4か月くらい歯医者に通いましたが、お金もかかる(親に出してもらってた)し、行くの面倒だしで、しびれを切らしてひどいところだけ直してもらうことにしました。
そうして痛む箇所はなくなりましたが、歯周病っぽく歯ぐきがスカスカになった場所は元には戻りませんでした。
でもやっぱり磨けない
うつ病が軽くなった今でも、歯を磨くのがおっくうです。また大金をかけて治すのはイヤなので、最低でも2日に1日は磨くようにしています。磨けない日はマウスウォッシュ。
人と会う前日はきちんと磨いていますが、なんでこんなに歯磨きがおっくうなんだろう?
文明が進化しても歯ブラシはほとんど進化していません。電動になったくらいです。口の中にルンバみたいな機械を入れたら歯垢を察知してみがいてくれるような便利グッズは開発されないものでしょうか。
必殺アイテム、歯間ブラシ
虫歯になる箇所は主に歯と歯の隙間です。ここをキレイにするのに最適なアイテムが歯間ブラシ。100円ショップで50本入りのを買っています。
これなら音楽を聴きながらでも使えるし、スマホをいじったりゲームをしながらでもOKです。
慣れてくれば無意識のうちに腕を動かして歯間ブラシを使えるようになります。
そして歯の表面はティッシュで拭く。
これにより歯を磨かずに済む生活を出に入れました。
とはいえ、歯ブラシには歯ぐきのマッサージ効果もあると聞きます。完全に磨かないのも危ないので、元気のあるときはガシガシ磨いてます。
もっと早くこの歯間ブラシに気づいていれば、大量の虫歯と友達になることはなかったんじゃないでしょうか。
「うつ病で歯を磨けない」まったく知られていないことですが、うつ病の人はあるあるではないかと思っています。
執筆者 湊うさみん
20代でドロップアウトして自殺未遂。ニート歴10年以上のエリートニートになっちゃいました。