いつも「ひきポス」を応援してくださり、まことにありがとうございます。
ひきポス11号の特集は「ひきこもりと地方」です。
「地方には特有の問題があるから、地方を取り上げた特集が読みたい」
そのような声をよくいただいてきました。
私たちひきポス編集部も、
「自分たち東京周辺のひきこもり当事者だけでなく、もっと地方のひきこもりの方々の現状を知りたい。声を聴かせていただきたい」
とずっと思ってきました。
しかし、一方ではこれは大変むずかしい挑戦でした。
まず「地方とは何か」という問いは、ほとんど「ひきこもりとは何か」という問いと同じくらい、答えるのが困難だからです。
大阪や札幌や福岡の市内も「地方」なのか。
逆に、東京の八丈島は「地方」ではないのか。
疑問を挙げ始めればキリがありません。
しかし、そのような問題をさておいて、ゆくゆくは日本全国のひきこもり当事者の方々もひきポスで発信していただけるようになるための足掛かりとして、とりあえず今回は首都圏を中心としたこれまでの執筆陣の枠を超えて、多くの場所から声を集めました。
コロナ禍により編集会議をリモート開催するようになったため、地方在住の当事者も編集会議に参加できるようになったことも大きいです。
そのように集めた声から見えてくるのは、都市部でない地域における高密度な地域ネットワークゆえの他者の視線、物理的な距離感、多様性が育ちにくい価値観、あらゆる選択肢の少なさなどでした。
これは日本社会が抱える「地方創生」という課題ともつながる大きなテーマでもあります。ぜひ当事者の声に耳を傾けてみてください。
Webでは読めないオール書き下ろし / カラー / 約4万字
特集「ひきこもりと地方」
いつかミニトマトになりたい
北海道の大地から見える〝内地〟との情報格差 のり子
ひきこもりにとっての地方の厳しさ ゴギョウ
【マンガ】地方のひきこもりの一日。 中村秀治
ロールモデルがいない地方の現状
福島県郡山市のひきこもり経験者・ともやんさんインタビュー 尾崎すずほ
島のひきこもり 心の格闘の軌跡 沖縄のさと
小さな町の狭い人間関係で生きるということ 南しらせ
【マンガ】生きづらゆうれいサン おがさわら
それぞれの意見 ひきこもりと地方 Toshi
ひきこもりを生む地方の監視社会 ワケあり女子
ひきこもれない町 ロングロウ
美しい故郷の、見えない牢獄/東京の外側で Toshi
<世界のひきこもり> インドのひきこもり
自分自身になるために 少し時間が必要なだけ ぼそっと池井多
中身パラ読み