ひきポス -ひきこもりとは何か。当事者達の声を発信-

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減点法で長所を潰さない。ひきこもり当事者の長所を活かす、”ニュータイプ”の企業が誕生

 株式会社ウチらめっちゃ細かいんで 記者会見

(取材/編集 Toshi・石崎)

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広報マーケティング担当・三池氏(以下三池):「1日速習」講座などのビジネス研修を手がけるフロンティアリンク株式会社により、株式会社では日本初となる「ひきこもり当事者・元当事者主体」の事業会社「(株)ウチらめっちゃ細かいんで」を、2017年12月1日に設立いたします。

 

100万人を超えると言われるひきこもり当事者だけでなく、多くの人が「生きづらさ」「働きにくさ」を感じているいま、 社会から一度離れたり、生きづらさを抱えたりしている人たちが、自分の特性や能力などを活かし、仕事を通じて安心・安全に社会と再び繋がることができると同時に、 生み出した利益を元に、さらに多くの人たちをサポート出来ることを目指しております。

 

ひきこもり当事者は、これからの時代で活躍する「ニュータイプ」かも知れない


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代表取締役社長・佐藤啓氏(以下佐藤):皆さま、お忙しいところ、お集まりいただき、ありがとうございました。

 

私の思いとして、実はひきこもりの方に関わるきっかけは、いとこにひきこもりの当事者がいる事もあるのですが、もっとさかのぼって考えますと、私が幼少の2、3歳の頃です。

 

とても仲良く遊んでいた、同い年のアキちゃんという女の子がいまして、その子が重たい自閉症だったんですね。小さい時は、言葉は通じない物ですし、あまり違和感は無かったけれど、7歳、12歳と成長していくと、そうなると段々、やっぱり自分の住む世界と違うなと分かって来たんですね。

 

アキちゃんが、例えば自分と同じ30歳とか40歳になった時に、どうやって生きていくんだろう?アキちゃんのお父さん、お母さんも、私に対して、すごく良く接してくださったんですね。お二人は、どういう風に思っているだろう?と思いました。

 

そして自閉症を含めた、障害を持っている方や、生きにくさ、働きにくさを感じている方が、どれぐらいおられるんだろうと思った時に、例えば執行役員の山瀬のような発達障害を持つ方は、人口全体の1割、1200万人規模は、いると言われるんですね。

 

アキちゃんと同じ状況の方が、1000万人規模でいるかも知れない。そうしたらまず、今の日本の働き方は、果たして正解のモデルなのだろうか?と思いました。

 

 個人を変えるのではなく、働き方を変える

あくまで個人的な意見ですが、私の思う、ひきこもりになる理由は、大きく2つ。一つは親子関係、もう一つは働き方の問題だと思っています。そして親子関係がある程度は良かったとしても、自信を持って働ける場所がない。

 

実際は能力が高いけれども、働けない人は結構いると思います。では能力が高いけれど働けないという時に、全てにおいて100%を求められる社会は、あまりにも厳しい。

 

ある所では120%あるけれども、他では0%かも知れない。そういう人たちが気持ちよく働ける場所を考えた時、デコボコをうまく組み合わせて、フラットにして、とがった所を埋めてくれるシステムを作ると、働きやすいのではないか?と思ったのですね。

 

今はテレワークなどで、働く場所、時間の自由度がかなり利くんです。それを組み合わせて新しい働き方を作ったら面白いのではと思ったんですね。それが「株式会社、ウチらめっちゃ細かいんで」です。

 

この社名は、実際に教育事業部リーダーの平野や制作事業部リーダーの岡田と、私が初めて会った時の印象です。彼らは良い意味で、非常に細かいところに気がつくんですね。場合によっては、うっとうしいと思われてしまう事もあるんですよ。

 

でも私にとっては、これは非常に良い特性だなと思った。彼らの特性を、プログラミングという、非常に細かさが要求される世界で活かしたらどうなるかと思ったら、非常にいいフィット感を見せたんですね。マネジメントがきちんと出来れば、彼らは本当に輝いて働くことが出来るんです。

 

 新しい時代にフィットするニュータイプかもしれない

私は、ひきこもり100万人と言いますが、これは金の卵じゃないかと思っているんですね。今日、たまたまFacebookでやり取りしながらお話しましたが、私は、彼らは(ガンダムの)ニュータイプじゃないかな?と思うんですね。

 

皆さんガンダム世代でしょうかね?(笑)ガンダムには、アムロ・レイという主人公がいますが、彼はある種、ひきこもりみたいなもんなんですね、最初はね。その彼が活躍していく。

 

となると、100万人のひきこもりは「ニュータイプ」じゃないか?今の時代では、なかなか力を発揮できないけれども、もしかしたら新しい時代にはフィットするのかも知れない。そんなことを思っています。

 

そこで彼らが安心、安全、安心に働ける環境作りをしたい。さらに、ひきこもり当事者だけでなく、世の中のありとあらゆる人から聴くと、良い話になるに違いない。これから始めていく所で、まだまだ分かりませんけれども、ぜひ皆様と一緒に、今後とも成長して行ければと思いますので、よろしくお願い致します。

事業内容について~ひきこもり当事者の「細かさ」が強みになる~

 

佐藤:事業内容についてですが、第一に教育事業は、母体であるフロンティアリンクの教育事業のノウハウと、ひきこもり当事者の気持ちを踏まえた物です。当事者同士だから分かり合える辛さをケアしながら、ただIT技術を上げるだけでは無い物を考えています。

 

次に制作事業です。いわゆる発達障害やひきこもりの方は、ITの開発と非常に親和性が高いのです。非常に論理の細かい所や異変に気がつき、アイディアが浮かぶ。開発に適性のある方が非常に多いんですね。

 

ところが一般の社会ですと、まず出来ないことを出来るようにしたり、苦手を克服するのが先になり、得意な部分を活かせず、せっかくの能力を発揮できない事が多いんですね。

 

ただ出来ないと扱われて、せっかく入った会社を辞めざるを得なくなったり、ひきこもらざるを得なくなる事が多いのですが、当事者の特性を活かして、メンタルケアを重視しながらの開発事業を行います。

 

この開発事業は、当事者によるプログラムやホームページの作成だけでは無く、マニュアルの校正などもあります。非常に細かく、よく誤字脱字に気がつく人が多いので、そこにも特性が活かされます。そうした意味での事業です。

 

社交的だったひきこもり当事者も多い

 

三番目は人材派遣紹介事業です。先に申し上げてしまいますが「ひきこもり当事者が、外に出て働くのは大丈夫なの?」という声があります。私たちは、出来ない事はやらせません。向いている人、興味がある人、適性がある人を選んで、外部に出すことを考えています。

 

実は、ひきこもりになった人にも、元々は社交的だったり、色々なタイプの方がおられます。世間がイメージするような「ひきこもり=陰気で非社交的」とは限らないのです。

 

社交的だったけれども、つまずいてしまった人がおられ、対外的なコミュニケーションは出来たり、ITスキルがついて自信がつくことで、コミュニケーションが出来るようになる方がおられまして、一般企業に出しても問題のない人材はおりますので、そうした人材を派遣したいと思います。

 

四番目の柱は「みんなで作る事業」です。これは、ひきこもり当事者を広く巻き込んで、色々な場を通じて企画を立てよう。そのための仕組みとして、サポーター会員を考えています。

 

例えばひきこもり当事者が、ITや何らかの物を通じて、社会につながって安心できる居場所を作る。さらにそれを通じて、経済的にも安定した環境を作りたいという意向がありまして、その理念に賛同して下さる方にサポーター会員になっていただく。

 

会員を含めた形で、色々と面白そうな、みんなで作る事業を行い、より多くの人をサポートできるソーシャルビジネスとして、人、金、物の情報が回ってくるような物を、当事者を巻き込んで作っていく事業です。

 


 「(株)ウチらめっちゃ細かいんで」公式サイト

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www.hikipos.info

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