ひきポス -ひきこもりとは何か。当事者達の声を発信-

『ひきポス』は、ひきこもり当事者、経験者の声を発信する情報発信メディア。ひきこもりや、生きづらさ問題を当事者目線で取り上げます。当事者、経験者、ご家族、支援者の方々へ、生きるヒントになるような記事をお届けしていきます。

ひきこもり

図書館アルバイトを体験して思ったこと 井口(仮)さん当事者手記 第6回

就労支援機関へ通っても不快な体験ばかりしていた。その一方で、就労支援機関を経由しないで、ひきこもっていた僕は図書館でのアルバイトを始めることになった。そのときの体験を皆さんにお伝えしたい。

攻めよりも守りを ~ 支援へのハードルを下げる:「地域で支えるひきこもり」を考える 第7回

支援や福祉において、「攻め」よりもまず「守り」を固める方が先なのではないか。そのためにはまず受援者にとってのハードルを下げるべし。……

【現代アート】ひきこもり経験のあるアーティスト・渡辺篤の作品を月の下で観る(東京都現代美術館『あ、共感とかじゃなくて。』展レビュー)

現在、東京都現代美術館では、『あ、共感とかじゃなくて。』展が開催中です。出品者の一人は、ひきこもり経験のあるアーティスト・渡辺篤さん。ひきこもり当事者と共同制作した作品が展示されており、観る人の心に訴えかけます。魅力はどこにあるのでしょう…

下山する決意 「休む」や「逃げる」なんて言葉では言い表せない死にものぐるいの〈家庭内ビバーク〉

(文 喜久井伸哉 / 画像 Pixabay) 私には、「ひきこもり」の期間があった。優しい人からは、「休んでもいい」、とか、「逃げてもいい」、といった言葉を、言われたことがある。しかし、合計で十年に及ぶ、「ひきこもり」の期間のうち、自分が「休んでいる」…

孤独のレイヤー 人を黙らせるための〈コミュニケーション能力〉講座

(文 喜久井伸哉 / 画像 Pixabay) 人間関係のレイヤーが違う 私は、誰か大勢といても、違うレイヤー(層)に、いる気がする。飲み会のような場で、何人もの人がいて、「わぁっ」、と、盛り上がる瞬間。自分だけ、反応できていない。自分だけ、楽しくなって…

人と人とが接している具体的状況の検討を 井口(仮)さん当事者手記 第5回

ひきこもりの問題において問題となっているのは、人と人とが接している状況にあるはずなのに、支援機関での相談やセミナーなど、人と人とが接している状況で、お互いの振る舞いや社会性が問われていない、ということである。

わたしの「引きこもり」ではなく、世の中の「押しこわし」を解決してほしい

(文 喜久井伸哉 / 画像 Pixabay) 執筆者の喜久井(きくい)さんは、「引きこもり」の経験者です。しかし自ら引きこもったのではなく、世の中の側に「引きこもらせる圧力があった」といいます。それを「押しこわし」という造語で表現し、従来の見方を逆転。…

画面越しの顔は欠けている 私が〈オンラインの居場所〉に期待していない理由

(文 喜久井伸哉 / 画像 Pixabay) 近年、ひきこもりの人などに向けた〈オンラインの居場所〉が増えています。ネット上で人と交流できるのは便利ですが、メリットばかりではありません。ひきこもり経験者の声をお届けします。 コロナ禍以降、ZOOMなどを使っ…

「地域で支えるひきこもり」を考える 第6回 日本の社会福祉、第4の転換点

「地域で支えるひきこもり」は支援者の都合で作られている。それに無理がある以上、何を参考にして「地域を超えるひきこもり支援」をデザインしていくか。ヒントは意外なところにあった。……

「孤独」は日常に溶け込んでいる 私が行政の無料相談を使いたくない理由

文・写真 喜久井伸哉 / 画像 Pixabay 執筆者の喜久井(きくい)さんは、コロナ禍において、強い孤独を感じていたといいます。しかし、行政のサポートがあると知っても、どこにも相談しませんでした。サポートに頼らなかったのは、どうしてなのでしょうか。ひ…

【ご案内】5月21日開催の〈文学フリマ東京〉 に出店します

いつも『ひきポス』をご覧いただきありがとうございます。「文学フリマ」出店のご案内です。 このたび『ひきポス』は、2023年5月21日(日)開催の、「文学フリマ東京」に初出店いたします。 「文学フリマ」は、作品を制作した本人が、来場者に自ら手売りする…

Has Covid-19 Increased Hikikomori in Japan? --- At the End of the Corona Era

Here is the truth of the increase of hikikomori population in Japan during the Corona Era. This is an extremely in-depth analysis of the current situation in the hikikomori community in Japan.

ひきこもりと発達障害のモヤモヤを解く ~ オンライン対話会「4D」のお知らせ

かねてよりリクエストが多い「ひきこもりと発達障害」の関連について、徹底的にモヤモヤを晴らすオンライン対話会、4Dが開催されます。

漫画『たそがれたかこ』に見る親子関係のふんばり方 わたしが悩んでいるとき親にどう接してほしかったか

今回は、2018年の漫画『たそがれたかこ』に注目。「不登校」と「ひきこもり」の経験者が、親子関係の秘訣に迫ります。 漫画『たそがれたかこ』は、親子関係の苦しさを描いた傑作です。有名とは言えませんが、私には忘れがたい名作でした。 漫画は雑誌『BE・L…

私が引きこもっているとき親にどうしてほしかったか 「わからない」をこなすためのネガティブケイパビリティ

(文 喜久井伸哉) 「子どものことがわからない」とき、親はどうすればいいのでしょうか。今回は不登校とひきこもりの経験者が、「親にしてほしかったこと」を伝えます。 「寄り添う」だけでいいのか 子どもが引きこもっているとき、多くの親は、どうしたらい…

「子どものことがわからない」理由は〇〇にある わたしが親にしてほしかったこと

(文 喜久井伸哉) 「子どものことがわからない」とき、親はどうすればいいのでしょうか。今回は不登校とひきこもりの経験者が、「親にしてほしかったこと」を伝えます。 そもそも「わかる」ことが不思議 「子どものことがわからない」という親御さんの声が…

《ひきこもり本》大賞2023! 最新「ひきこもり」ブックガイド19冊+1

(文 喜久井伸哉) 今回は、近年発表された〈ひきこもり〉に関する本19冊をご紹介します。ベストセラーになったエンタメ小説から、時間をかけて作られたマニアックな論文まで。最新の「ひきこもり」ブックガイドです。 《一般書》 ひきこもりの真実 「ひきこ…

「暗い支援」がほしい

文 喜久井伸哉 / 画像 Pixabay 「明るい」支援者はお断り?今回は、ひきこもり経験者が語るユニークな〈支援論〉をお届けします。 世の中の「明るさ」がこわい 私は半分本気でいうが、就労支援所は葬儀社をモデルにしてほしい。 今の世の中は、「明るさ」が…

社会人は〈雑談〉が9割……でも私に欠けていたものは他にあった

(文 喜久井伸哉 / 画像 Pixabay) 社会人は〈雑談〉が9割 〈雑談〉さえうまくできれば、どんな社会でも生きていけると思う。 私は筋金入りの「不登校」だが、大人になった今、必要だと思うのは「学力」よりも「雑談力」だ。 世の中で働く多くの人にとって…

未来は過去にある ~私がガチこもりから外へ出られたきっかけ~

「つねに先々のことを考えよう」 「いつも次の一手を用意しておかなくてはいけない」 と考えていたら、どうにもこうにも外へ出ていけなくなった。泥沼の深い底から抜け出すには、まず未来志向を捨てなくてはならなかった。……

【観劇レビュー】俳優座の「演劇8050」はひきこもりと向き合う重要なヒントを(半分だけ)とらえた

今回は、劇団俳優座の舞台『猫、獅子になる』のレビューをお届けします。作品の主役は、中学の頃のトラウマをきっかけに、長年自室に引きこもっている50歳の女性。「ひきこもり」の物語を、「ひきこもり」の経験者が読み解きます。 ※公演初日の11月4日の回を…

職場の人とうまく〈雑談〉ができたとき、私ははじめて「人間になれた」と思えた

(文 喜久井伸哉) もし私の「ひきこもり」にゴールがあるとしたら、「職場で雑談ができたとき」だ。 「就労」ではない。 「ひきこもり支援」では、よく「就労」がゴールのように言われている。 外で働いて、自分のお金を稼ぐという点では、たしかに「社会的ひ…

ギャンブルでも人生でも、「もしかしたら」という悪性の希望が身を滅ぼす

(文 喜久井伸哉 / 画像 Pixabay) 人がギャンブルにハマるのは、「うまくいく」からではない。 「うまくいくかもしれない」からだ。 ボロボロに負けても、「次はうまくいくかもしれない」と思えるせいで、欲望が立ち切れなくなる。 ゲームの勝敗にしても、…

わたしが「生きづらさ」を感じるのは、人生から〈グレーゾーン〉がなくなったとき

(文 喜久井伸哉) 私が「生きづらさ」を感じるのは、人生の「グレーゾーン」が少ないときだ。 「学校に行くか行かないか」、「就職するかしないか」、「結婚しているかしていないか」。 はっきりした「白か黒か」の状態しか許されず、中間の選択肢がないと…

不登校もひきこもりも、自分で選んだ人生ではありませんでした

私は、自分で選んでいないものによって批判されてきた。 「不登校」がそうだった。「ひきこもり」がそうだった。「ゲイ」がそうだった。 どれも自分では選んでいないが、私は「不登校」として育ち、「ひきこもり」として過ごし、「ゲイ」として生きてきた。 …

【音楽】おうちで熱唱!最新〈ひきこもりソング〉傑作選! 有名バンドのあの曲から誰も知らない迷曲まで

(編集 喜久井伸哉) 今回は、知られざる〈ひきこもりソング〉の世界を特集!「おうち」タイムを歌ったキュートな一曲から、シリアスに叫ぶK‐POPまで。深刻になりがちな「ひきこもり」の話題を、最新の音楽で吹き飛ばします。 No.1 Haze 『引きこもりロック…

日本には世界で唯一の「孤独担当相」がある!……それで、いったい何をしているの?

(文 喜久井伸哉) 日本には、世界で唯一の「孤独担当相」のポストがある。2021年の3月に大臣が任命され、「孤独」の問題にあたっている。だが、どこか冗談のような役職であり、知名度もいま一つだ。いったいどのような取り組みをしているのか?今回は、「孤…

ホームレスなのに女性から告白される!  中年ひきこもり当事者子守鳩さんの手記 第13回

若い頃は毎週のように合コンや恋活、婚活パーティーに足を運んでいたけど、それまでの人生で一度も女性とつきあえなかった。ところが、ホームレスの中年という最もモテなさそうな自分の前に、一人の女性が現われた……

農場から脱出、シェアハウスの居候に  中年ひきこもり当事者子守鳩さんの手記 第12回

「無料の宿泊施設がある」……そんな歌い文句に誘われて、住む家をなくした「私」はその農場を訪れた。そこで働きながら住むつもりであった。ところが宿泊施設が無料であるわけが次第にわかってきた。そこは……

こころの産毛を擦り切らせないように 追悼・中井久夫

(文・喜久井伸哉) 2022年8月8日、中井久夫氏が亡くなられた。88歳だった。 私は一読者に過ぎず、面識もないが、この場を中井氏の記念とさせていただきたい。 私はライターとして、何度か著名人への取材をしている。 仕事を始めたとき、願わくば取材したい…