ひきポス -ひきこもりとは何か。当事者達の声を発信-

『ひきポス』は、ひきこもり当事者、経験者の声を発信する情報発信メディア。ひきこもりや、生きづらさ問題を当事者目線で取り上げます。当事者、経験者、ご家族、支援者の方々へ、生きるヒントになるような記事をお届けしていきます。

当事者手記

ひきこもりの日常 「コピペ人間」

(文・南しらせ) 来客対応1 夕方5時を知らせる町内放送のメロディがスピーカーから鳴り響く2分前に、自宅のチャイムが鳴った。 鏡も見ずに急いで手に取ったマスクを顔に貼り付けて玄関を開けると、そこにはマスク越しに薄い笑顔を浮かべているだろうスーツ…

「家出、そして教団の職員に」 中年ひきこもり子守鳩さんの当事者手記  第5回 宗教団体時代 その1

いつのまにかその怪しげな宗教団体に入ってしまった。親や家族からはとうぜん理解が得られず、とうとう家出して教団職員に。これで人生は天国かと思いきや、そこには新たな苦しみが待ち構えていた……。

地方のひきこもり事情 ~車が運転できない心理的な生きづらさ~

(文・南 しらせ) 地方で車が運転できない不便さは、多くの人が知るところである。しかし車社会で生きるひきこもりには、もっと深刻な問題があると私は感じている。 自動車は常識と自己肯定感の塊 「暑ぃ……」 額から噴き出た汗を腕で拭いながら、私はそう呟…

「宗教にハマっていった大学時代の私」 中年ひきこもり当事者  子守鳩さんの当事者手記 第4回

大学生だった私は人生に悩み、自殺しようと考える。そのとき、ビデオセンターへ誘われて、行ってみるとそこにある面白そうなビデオが見放題だという。おまけに、そこにいる人々は皆、私の話を最後まで聴いてくれるし、お菓子まで出してくれる。とても居心地…

ひきこもりは、ひきこもったことを後悔しているか?

「あのとき、ああしておけばよかった」 というのが後悔のかたちならば、 「あのとき、ああして……」 という分岐の時がないことを、人は後悔できるだろうか。

「女の子に近づけなかった学校時代 勉強と私」 中年ひきこもり当事者 子守鳩さんの当事者手記 第3回

好きな女性の近くに行くだけで、呼吸困難になりました。息を吸うことはできるのですが、吐くことができなくなってしまうのです。それで息が苦しくなって、その場から逃げなければなりませんでした。

(シリーズ作業所) 第3回 B型作業所に通いだしてからの日々

(文・南 しらせ) 私が就労継続支援B型の利用を開始して半年ほどが経つ。今回は利用までの流れや、実際に利用を初めてからの感想などを書いてみたいと思う。 「就労継続支援B型」とはなにか? 就労継続支援B型(以下B型)は障害者などを対象にした国の公的…

「幼少期の記憶 家族と私」 中年ひきこもり当事者 子守鳩 当事者手記 第2回

みなさんもそうかもしれませんが、過去の家族との関わりを振り返るのは私にとっても辛い作業です。そのため、書き始めるまでに数週間も掛かってしまいました。今でも心が疼くのです。

自分が「ただ社会を眺める側の人間」だと悟った時の哀しみ

(文・南 しらせ) あの時あの場所で私が興味本位であの冊子を手に取らなければ、知らなくてもいい現実を知らなくて済んだのにと後悔している。でもそれはいつかは知らなければいけない現実でもあった。 学生時代の同級生の近況を知る ある日、私が地元の図…

「生きたいように生きていくとは」 中年ひきこもり当事者 子守鳩 当事者手記 第1回

どちらも姓を変えたくなかったので、結婚はしませんでした。子どもができました。生きたいように生きたいです。でも、どうすればいいのでしょう。

「引きこもり」という言葉がなくなったら、少しは生きやすくなるのかな

中学二年生のとき、学校で突発性難聴の症状が出てしまって倒れたことがあった。そのときに母が迎えに来てくれたときの第一声は「お前のせいで皆勤じゃなくなった」。それから皆勤賞が憎い。学校に行くだけで賞をもらえるのなら、生きているだけでも認められ…

ひきこもりがコロナ禍で感じたこと その2

(文・南 しらせ) ひきこもりの私が、コロナ禍を過ごす中で思ったことや気づいたことを思いつくままに書いてみました。前回に続き第2回です。 家族との関係について 私の家族は全員「エッセンシャルワーカー」と呼ばれる仕事についており、コロナ禍でも業…

みんな頭痛と戦って生きていると本気で思っていた

(文・よしだ) 頭が痛い。最初に意識したのは3歳、年少保育で幼稚園に入学したころだっただろうか。 ものごころついた時から、時々頭が痛かった。 主にずきずきした痛み、もしくは頭の一部分だけが痛い。でも我慢はできるレベルの痛み。半分以上の確率で気…

ひきこもりがコロナ禍で感じたこと

(文・南 しらせ) ひきこもりの私が、コロナ禍を過ごす中で思ったことや気づいたことを思いつくままに書いてみました。 普段から緊急事態宣言中みたいな生活をしていた コロナの感染拡大で、私の住んでいる県でも5-6月に緊急事態宣言が発令された。必要以外…

好き好んでひきこもり

(文・Nadipedia) 20代の前半に5年ほど引きこもりだったけれど、将来の不安があることを除いては毎日それなりに楽しかった。ほぼ毎日図書館に通い、家で絵を描いたりして過ごし、2か月に一度無料カウンセリングに通う以外はほとんど人と会話することも…

【ひきこもりと父】たとえ親がどうであっても 第3回「真夜中の電話」(最終回)

刑務所の中に初めて入った。服役している間に、父は遺言書を書いていた。遺言書の最後の方は、私への手紙のようになっていた。 ……めずらしく夢に出てきた父は、笑っていた。

17年目の自殺

(文・写真 喜久井ヤシン) 死ぬ理由 2004年。私は17で死ぬつもりだった。 8歳でガッコウに通わなくなり、社会とのつながりは弱かった。 ほとんど一人きりで過ごしてきたため、同世代との会話経験さえ少ない。 「母親」にあたる人との関係は失敗し、同じ家に…

【ひきこもりと父】たとえ親がどうであっても 第2回「父を殴る」

「お前のせいで、私もこの家で暮らせなくなったんだよ!」 おばあちゃんの通夜の日、私は父の胸倉をつかんで殴った。 おばさんが、私の持ってきた袋の中に包丁を見つけ、あわてて私から遠ざけた。

【ひきこもりと父】たとえ親がどうであっても 第1回「黒塗りの手紙」

私は父が、違法薬物を摂取していた時にできた子どもということになる。だから細胞レベルで馬鹿になってしまったのだとしても、私はこう考えている。…… 父との関係を振り返ってみた。

ひきこもり当事者たちが作った幻の雑誌『クラヴェリナ』(2002年-2004年)総目録

今回は、ひきこもり当事者が制作していた雑誌『クラヴェリナ』を紹介します。 『クラヴェリナ』は、2002年から2004年までに、7冊が刊行された同人誌です。 雑誌創刊のきっかけは、ひきこもり当事者たちの居場所「スペース1」でした。 設立したのはOご夫妻で…

(シリーズ・福祉作業所)第2回 「名探偵コナン」が私に教えてくれた人生の大切な真実

(文・南 しらせ) 私は過去に障害を持った方などが就労訓練を行う「就労移行支援」という制度を利用し、福祉作業所という場所に通ったことがある。その時は結局就職できずに利用を終えたのだが、最近になってもう一度作業所を利用しようかと考えるようにな…

ひきこもりがアニメを見続ける生活を5年過ごしてみて、感じたこと

(文・南 しらせ) 前日の夜に録画しておいたアニメを、朝起きてから見る。そんな生活を断続的に5年ほど続けている。世間一般のひきこもりのイメージ像をそのまま反映した、典型的なひきこもりみたいだなとも思われるかもしれない。それでも構わないと、私個…

道を歩くことができないほどの恥ずかしさ 〈歩行〉の哲学

今回は、〈歩くこと〉がテーマのエッセイです。孤立によって「外をうまく歩けなくなる」とはどういうことか。哲学的な当事者手記をお届けします。 街なかを歩いているときに、人の外見ではなく「歩き方」そのものに着目することはあまりないだろう。しかし「…

ガラスの墓 性的少数者の〈見えない生きづらさ〉

(文・写真 喜久井ヤシン) 政治家などによるLGBTへの差別発言は、当事者を深く傷つけてきました。しかし直接的な言葉だけでなく、「語られなかった言葉」にも差別があります。今回は、小説や詩の言葉から〈生きづらさ〉を考察。ゲイの当事者の声をお届けし…

あるひきこもりと家族の夕食。それと、食後のアイスクリーム

(文・南 しらせ) 毎日夕食の準備ができると、母が私の部屋のドアの向こう側から「ご飯よ」と声をかけてくる。私はこの時間を待ち遠しく思う気持ちと、息苦しく思う気持ちを胸の内に抱えながら、今日も家族の待つ食卓へ向かう。 夕食は家族みんなで 我が家…

夕暮れ時、外の世界に憧れて ~手を伸ばしたくても届かない、ひきこもりの現実~

(文・南 しらせ) 私は一日のなかで、夕方が一番嫌いだ。夕方は一日の終わりの匂いがする。一番人間が生きている匂いがする。だから嫌なのだ。 夕暮れ時、ある農家の来訪 一日の終わりが近づいている、夕方の4時。私が布団で横になっていると、家の外から物…

作業所という世界 ~私は何者かを問い続けた日々~

(文・南 しらせ) 私は大学時代に就活の不安から抑うつ状態になったことがきっかけで、ひきこもり始めた。卒業後はしばらく家にいたが、母の勧めで、不登校やひきこもりなどを支援するNPO法人に不定期ながら通い始めた。 就労移行支援事業 当時通っていたNPO…

『急いでゆっくりしろ』 引きこもりよりも「居つきこもり」を解消したかった

(文 喜久井ヤシン 画像 Pixabay) 「力を入れろ」ではなく「力を抜け」と言ってほしい 世の中ではよく、「がんばれ」や「集中しろ」といった言葉が発せられる。 「ひきこもり」に対しても同様で、「力を入れろ」と急かされているような感覚になる。 しかし…

ひきこもりと、東京オリンピック2020

(文・南 しらせ) 「新型コロナウイルスの影響で、東京オリンピック・パラリンピックが1年延期」 そのニュースが飛び込んできた時の私の心境は複雑だった。残念。選手たちがかわいそう。仕方ない。しかしその中で一番強く心に渦巻いていた感情。それは安堵…

私がひきこもりになった原因を考えてみた

(文・杉本しほ) 現在進行形でひきこもりである、私がひきこもりになった根本原因を記しておきたくて書きました。現・ひきこもりの心の支えや、支援者・ひきこもりの周りの方々に心理を知っていただけたらと思います。あくまで私の経験なので、もちろん全員…