当事者手記
就労支援機関へ通っても不快な体験ばかりしていた。その一方で、就労支援機関を経由しないで、ひきこもっていた僕は図書館でのアルバイトを始めることになった。そのときの体験を皆さんにお伝えしたい。
パパはある日、私に会ってほしい人がいると申し出た。誰に会ってほしいのか聞いて驚いた。それは私が最も会いたくない人だった。
(文 喜久井伸哉 / 画像 Pixabay) 私には、「ひきこもり」の期間があった。優しい人からは、「休んでもいい」、とか、「逃げてもいい」、といった言葉を、言われたことがある。しかし、合計で十年に及ぶ、「ひきこもり」の期間のうち、自分が「休んでいる」…
(文 喜久井伸哉 / 画像 Pixabay) 人間関係のレイヤーが違う 私は、誰か大勢といても、違うレイヤー(層)に、いる気がする。飲み会のような場で、何人もの人がいて、「わぁっ」、と、盛り上がる瞬間。自分だけ、反応できていない。自分だけ、楽しくなって…
ひきこもりの問題において問題となっているのは、人と人とが接している状況にあるはずなのに、支援機関での相談やセミナーなど、人と人とが接している状況で、お互いの振る舞いや社会性が問われていない、ということである。
(文 喜久井伸哉 / 画像 Pixabay) 自明性の悲しみ 一人で時間を過ごしたり、自分の趣味をしたりすることなら、できる。しかし、どこかに出かけて、誰かに会うことを考えると、とたんに、気力が出なくなる。誰とも交流のない、日々の孤立が、深まっていく。 …
(文 喜久井伸哉 / 画像 Pixabay) 〈気力〉の湧出量 これという、予定のない日。普段よりも、遅い時間に目を覚まして、布団のなかで、自覚する。「ああ、今日もダメな日だ」、と。体も、心も、疲れすぎている。本当は、先延ばししている用事も、家の掃除も…
僕はいろいろなことが少しずつできる。でも、どれも少ししかできないんだ。それじゃあ、つまらない。もしすべてを手に入れることができないのなら、むしろもう何も手に入れない方がいい……。
Now, what am I? - I am a super asocial hikikomori in a country that is in a war of almost WW2 scale for more than one year, with abandoned home, destroyed memories, failing body, too disillusioned about the world and no place among the nor…
このままでは占領軍に徴発されて人間の盾にされてしまう。そこで僕たちは占領されている街から脱出して、自由ウクライナへ逃亡を図ることにした。ところが……
Our city was captured by Russians. Rumors circulated that civilians would soon be forcibly conscripted into the Russian army as cannon fodder. So my family devised a plan to escape to the unoccupied territory of Free Ukraine. However, it w…
現在進行形で戦争がつづくウクライナ。そんな国でひきこもっている当事者は何を思い、何を考えているのか。稀有な当事者手記。
I am a hikikomori in Ukraine, 30 years old. I am going to tell you how I became one and I am living in the country where a war is going on.....
文・写真 喜久井伸哉/画像 Pixabay 現在、国会では「LGBT理解増進法案」の議論がおこなわれています。ひきこもりの経験者で、ゲイでもある執筆者は、この法案に問題があると指摘。LGBTの当事者の声をお届けします。 日本にも、ようやくLGBTへの「差別禁止法…
我が家に毒気をあててきた親戚一家の話
たしかに私は20年近くひきこもっている、中高年の男性ひきこもりである。だが、ただそれだけだ。 しかし私の街の警察は、そんな私に罪を「自白」させ、逮捕し、犯罪者として立件しようとした。
隅っこにある狭い相談スペースで、大の大人二人に囲まれていることはとても辛い状況だった。 いま思えば、社会に参加するために、サポートステーションを訪れる必要も、サポートステーションの隅っこの一角でこのような目にあう必要もなかったはずだ。……
私はひきこもり当事者でもその家族でもありません。でも、私には生きづらさや悩みがあります。そんな悩みを一つ聞いてもらえませんか。
都会の街並みには、他のアーティストが作った作品や仕事があふれていた。それらはこぞって「お前にはこれだけのものを作る才能はないだろう」とわたしをあざ笑っているようだった。わたしは痛くて、外が歩けなくなった。……
社会参加はしたいが、自分が社会参加をすると周囲に迷惑が掛かる、だから今まで社会参加しなかった。迷惑が掛かるから自分が社会参加しないことは、社会的にも倫理的にも正しいし、そういう状況を社会に強いられている。でも社会参加したい。そして「生活」…
田舎でスナックを営む母の女手一つで育てられたわたしは、高校を卒業して上京した。憧れのファッションデザイナーになるためだった。東京の中でもおしゃれな一等地、南青山のデザイナーオフィスに弟子入りして順風満帆かと思ったら、そこには女性たちの熾烈…
これまでの「ひきこもり」の定義には、当事者の主体性と経済面が表現されていないことが僕にとって不満だった。そこで僕は新しい「ひきこもり」の定義を作ってみた。
福祉でもなく労働でもなく精神医療でもなく、ひきこもり当事者が自己を実現しながら社会に参加する道はたくさんあるはず。 橋本汐さんの当事者手記はそんなことを考えさせてくれます。
(文 喜久井伸哉) もし私の「ひきこもり」にゴールがあるとしたら、「職場で雑談ができたとき」だ。 「就労」ではない。 「ひきこもり支援」では、よく「就労」がゴールのように言われている。 外で働いて、自分のお金を稼ぐという点では、たしかに「社会的ひ…
通っている小さな精神科。診察予定時刻を過ぎても、まだ呼ばれない。あと何人くらいいるんだろうと、周囲をぐるりと見まわした。すると、見覚えのある横顔が……。 「あ、この人は……」
若い頃は毎週のように合コンや恋活、婚活パーティーに足を運んでいたけど、それまでの人生で一度も女性とつきあえなかった。ところが、ホームレスの中年という最もモテなさそうな自分の前に、一人の女性が現われた……
「無料の宿泊施設がある」……そんな歌い文句に誘われて、住む家をなくした「私」はその農場を訪れた。そこで働きながら住むつもりであった。ところが宿泊施設が無料であるわけが次第にわかってきた。そこは……
クレカを作ったのが運の尽き、たしかに売り上げも利益も倍増できたが、さまざまなものをカード払いにしていくので、お金を使っては稼ぎ、使っては稼ぎ、という自転車操業になってしまった。 始めたころは楽しかったのに、いつの間にか借金を返すために追い立…
儲かる仕事を見つけて、私は絶頂期を迎えた。こうして儲かったお金を何に投資するのがよいか。答えは「自分」だろうと考えた。そこで片っ端から自分への投資にお金をつぎこんでいった。 ところが、その先に私を待っていたものは転落だったのである。……
何とか働かないで金を稼ぐ方法を模索して、アフィリエイトで挫折した私は「せどり」にたどりつく。そこではまるで「濡れ手に粟」のように儲かるだけでなく、人々に感謝までされるという夢のような生活が待っていたのだが……