ひきポス -ひきこもりとは何か。当事者達の声を発信-

『ひきポス』は、ひきこもり当事者、経験者の声を発信する情報発信メディア。ひきこもりや、生きづらさ問題を当事者目線で取り上げます。当事者、経験者、ご家族、支援者の方々へ、生きるヒントになるような記事をお届けしていきます。

喜久井ヤシン

【1000文字小説】見世物小屋で一生ゴロゴロしていたいライオン VS 檻から逃がそうとする引き出し魔

ひきこもり経験者による、約1000文字のショートショートをお届けします。〈生きづらさ〉から生まれた小さな世界をお楽しみください。 山本朝子版画集『人と風景と、出会う』より オレ、ライオン。 見世物小屋で飼われている。 仕事は一日中ゴロゴロしている…

絶望から立ち直らせる〈詩の言葉〉をください 今を生き延びるための詩の名言集

もちろん僕は太陽や微笑みや、空気のようには人々に必要とされていない。でも時には汚い水たまりに遠い星が映し出されることもある。(ニコライ・ベルリンスキー) 苦しいときに勇気をくれる詩の言葉 深い絶望に打ちひしがれているときの詩の言葉 自分を見失…

【1000文字小説】〈透明人間になるための学校〉で、ぼくは劣等生だった

ひきこもり経験者による、約1000文字のショートショートをお届けします。〈生きづらさ〉から生まれた小さな世界をお楽しみください。 山本朝子版画集『人と風景と、出会う』より 透明人間になるための学校で、ぼくは劣等生だった。 学校では毎日、うまく透明…

それは〈人間の話〉ではなく〈金の話〉だ 就労はひきこもりの「解決」か

日本経済の衰退が「ひきこもり」を問題化させた 「ひきこもり」を語る支援者たちは、ときとしてビジネスの話をしているかのようだ。 「ひきこもりの回復」「ひきこもりからの脱出」などの表現は、「経済の回復」「不況からの脱出」といった言い回しと重なる…

【1000文字小説】イブとイブ 女性2人だけの楽園にやってきた泥だらけの生き物の正体

ひきこもり経験者による、約1000文字のショートショートをお届けします。〈生きづらさ〉から生まれた小さな世界をお楽しみください。 山本朝子版画集「人と風景と、出会う」より イヴとイヴ むかしむかし。一番むかしの物語。 世界は楽園で、たくさんの動物…

〈ひきこもり本〉大賞2021! 最新「ひきこもり」ブックガイド14冊

(文 喜久井ヤシン) 今回は、2020年1月以降に発売された〈ひきこもり本〉14冊をご紹介します。長期間の取材をまとまた硬派な一冊から、世界の〈ひきこもり小説〉を集めたアンソロジーまで。最新の「ひきこもり」ブックガイドです。 コンビニは通える引きこ…

【1000文字童話】〈空飛ぶクジラ〉なんていないよ

ひきこもり経験者による、約1000文字のショートショートをお届けします。〈生きづらさ〉から生まれた小さな世界をお楽しみください。 空飛ぶクジラなんていないよ ある朝 ある町 ある家でのこと。 「こんにちは おとなりに 引っこしてまいりましたあ」と 元…

17年目の自殺

(文・写真 喜久井ヤシン) 死ぬ理由 2004年。私は17で死ぬつもりだった。 8歳でガッコウに通わなくなり、社会とのつながりは弱かった。 ほとんど一人きりで過ごしてきたため、同世代との会話経験さえ少ない。 「母親」にあたる人との関係は失敗し、同じ家に…

【1000文字小説】ボクは〈選択的夫婦別性〉に反対する

ひきこもり経験者による、約1000文字のショートショートをお届けします。〈生きづらさ〉から生まれた小さな世界をお楽しみください。 選択的夫婦別性 「来週の火曜日から男になるんで、よろしく」 と「妻」からメールがきた。 ボクはあきれた。 また性別変え…

【当事者手記】不登校・ひきこもりがゲームをしなくなる最良の方法

不登校やひきこもりの子をもつ親にとって、テレビゲームは悩みの種です。「ゲーム脳」や「ゲーム依存」の報道を聞いて、子どもの将来を心配している人も多いでしょう。今回は、「十代のころゲーム漬けだった」という当事者が語ります。「子どもがゲームをし…

【1000文字小説】三十代になってもまだ未経験……〈就職童貞〉の恥ずかしさを告白します

ひきこもり経験者による、約1000文字のショートショートをお届けします。〈生きづらさ〉から生まれた小さな世界をお楽しみください。 〔イラスト カトーコーキ〕 就職童貞 人に言うのは恥ずかしいですが……僕は、この年になってもまだなんです……。 同世代の奴…

【1000文字小説】ある朝目覚めたら自分以外の全員が虫に〈大変身〉していた世界でもぼくは真面目に通勤通学しないといけないのか?

ひきこもり経験者による、約1000文字のショートショートをお届けします。〈生きづらさ〉から生まれた小さな世界をお楽しみください。 〔イラスト カトーコーキ〕 大変身 平凡な 13歳だったぼくがある朝目覚めると、自分以外の全員が虫になっていた。 昨日…

【1000文字小説】〈生活過保護制度〉を受給した結果、僕は引きこもるのをやめました

ひきこもり経験者による、約1000文字のショートショートをお届けします。〈生きづらさ〉から生まれた小さな世界をお楽しみください。 〔イラスト カトーコーキ〕 生活過保護制度 朝8時にベッドから起き出すと、召し使いが驚いて言った。 「えっ、まだ朝なの…

算数的〈生きづらさ〉論  ~小2から学校に行っていない不登校経験者があえて数学の言葉で説明する当事者研究~

〈生きづらさ〉は言葉になりがたく、人に伝わりづらい。難しい言葉をたくさん使っても、うまく語れるとは限らない。なので今回は試しに、算数を使って説明してみようかと思う。 私が学校に行かなくなったのは8歳のときで、「算数」も「数学」も、ほとんど習…

【1000文字小説】〈無職一筋五十年〉!「生まれてから一度も働いたことがない」勝峰名人にインタビュー!

20X X年、誰もが働かねばならない社会で、 勝峰名人は「生まれてから一度も働いたことがない」といいます。労働のプレッシャーに打ち勝って、いかに働かないでこれたのか!? 無職の極意を聞いた、注目のインタビュー! 〔イラスト カトーコーキ〕 ——勝峰名…

ひきこもり当事者たちが作った伝説の雑誌『イリス』(2003年-2006年)総目録

今回は、ひきこもり当事者たちが制作していた雑誌『IRIS(イリス)』をご紹介します。 『IRIS』はひきこもりや「生きづらさ」が主なテーマとなっていた同人誌です。 2003年から2006年の約3年のあいだに、12冊が刊行されました。 創刊のきっかけは、東京シュ…

【1000文字小説】現代人に必須のスキル!〈ひきこもり養成講座〉のスタートです!

ひきこもり経験者による、約1000文字のショートショートをお届けします。〈生きづらさ〉から生まれた小さな世界をお楽しみください。 とおふじ さおり 『生い立ちに名はない』より ひきこもり養成講座 「外にばかり出てないで、たまには家にいなさい!」と母…

ひきこもり当事者たちが作った幻の雑誌『クラヴェリナ』(2002年-2004年)総目録

今回は、ひきこもり当事者が制作していた雑誌『クラヴェリナ』を紹介します。 『クラヴェリナ』は、2002年から2004年までに、7冊が刊行された同人誌です。 雑誌創刊のきっかけは、ひきこもり当事者たちの居場所「スペース1」でした。 設立したのはOご夫妻で…

【1000文字小説】一人ぼっちのわたしが日本政府の〈孤独証明書〉の発行を断られた理由

ひきこもり経験者による、約1000文字のショートショートをお届けします。〈生きづらさ〉から生まれた小さな世界をお楽しみください。 とおふじさおり 『生い立ちに名はない』より 孤独証明書 私がいくら〈孤独受付窓口〉で文句をいっても、決定はくつがえら…

2020年のひきこもりニュース&「ひきポス」ふり返り

(文 「ひきポス」編集部/編集 喜久井ヤシン) 2020年も、『ひきポス』は「ひきこもり」当事者・経験者の声を届ける情報発信メディアとして、活動を続けることができました。今回は、この一年間に公開された『ひきポス』の記事を取り上げ、「ひきこもり」ニ…

20年前の〈ひきこもり文通雑誌〉を読んでみた 知られざる『ひきコミ』の歴史

今回は、ひきこもり当事者のために作られていた雑誌『Hiki♡Com`i(ひきコミ)』を紹介します。 『ひきコミ』は、不登校情報センターの活動から生まれた雑誌です。 サブタイトルは「不登校、ひきこもり、対人不安の人から発信する個人情報誌」。 2000年12月の…

【1000文字小説】わたしが〈心の闇〉摘出手術を受けてから、お母さんも先生も犬も優しくなりました

ひきこもり経験者による、約1000文字のショートショートをお届けします。〈生きづらさ〉から生まれた小さな世界をお楽しみください。 とおふじさおり 『生い立ちに名はない』より 〈心の闇〉摘出手術 目を覚ますと、そこは病室だった。 「具合はどうかな」と…

20年前に〈ひきこもり当事者の雑誌〉が3つあったって知ってる? 『ひきコミ』『クラヴェリナ』『イリス』の遺産

今回は、2000年代前半に発行された「ひきこもり当事者のための雑誌」3点を紹介します。まだ「ひきこもり」という言葉が広まったばかりの時代、当事者たちは何を考え、何を発信していたのか。知られざる「ひきこもり」の歴史を発掘します。 Ⅰ 2000年創刊の文…

冊子版『ひきポス』バックナンバーのご案内

『冊子版 ひきポス』のバックナンバーをご案内します。 『ひきポス』は、ひきこもり当事者、経験者の声を発信する情報発信メディアです。 生きづらさ問題を当事者目線で取り上げ、当事者・経験者・家族・支援者へ、生きるヒントになる記事を届けることを目的…

【1000文字小説】あなたに合ったオリジナルな症例をスピード処方!ようこそ〈生きづらさコンサルタント〉へ!

ひきこもり経験者による、約1000文字のショートショートをお届けします。〈生きづらさ〉から生まれた小さな世界をお楽しみください。 とおふじさおり『生い立ちに名はない』より 生きづらさコンサルタント はじめまして。 このたびは、〈生きづらさコンサル…

道を歩くことができないほどの恥ずかしさ 〈歩行〉の哲学

今回は、〈歩くこと〉がテーマのエッセイです。孤立によって「外をうまく歩けなくなる」とはどういうことか。哲学的な当事者手記をお届けします。 街なかを歩いているときに、人の外見ではなく「歩き方」そのものに着目することはあまりないだろう。しかし「…

【1000文字小説】ある日突然3.8メートルになった子の喜びと悲しみ

ひきこもり経験者による、約1000文字のショートショートをお届けします。〈生きづらさ〉から生まれた小さな世界をお楽しみください。 あしざわたつる / 精霊たちの楽園 3.8メートルの悲しみ ヨルヒコ君は、8歳のときに突然、3.8メートルになった。 それはや…

ガラスの墓 性的少数者の〈見えない生きづらさ〉

(文・写真 喜久井ヤシン) 政治家などによるLGBTへの差別発言は、当事者を深く傷つけてきました。しかし直接的な言葉だけでなく、「語られなかった言葉」にも差別があります。今回は、小説や詩の言葉から〈生きづらさ〉を考察。ゲイの当事者の声をお届けし…

【1000文字小説】なにがあっても「幽霊は飼っちゃダメ」だってわかった10歳のあの日

ひきこもり経験者による、約1000文字のショートショートをお届けします。〈生きづらさ〉から生まれた小さな世界をお楽しみください。 あしわざたつる / 精霊たちの楽園 空を見上げる 幽霊は飼っちゃダメ ぼくから一つだけ言う。 なにがあっても、幽霊は飼っ…

「ひきこもり」の反対語を16個考えてみた 「孤独」や「ぼっち」を対義語で考えるためのキーワード

今回は、「ひきこもり」当事者が「ひきこもり」の反対語を考察します。一言では語れない「ひきこもり」の本当の意味とは何か。〈反対語〉を考えることで、新たな発見があるかもしれません。 まず、ざっと「ひきこもり」の反対語だと思われる言葉をあげてみま…