刑務所の中に初めて入った。服役している間に、父は遺言書を書いていた。遺言書の最後の方は、私への手紙のようになっていた。 ……めずらしく夢に出てきた父は、笑っていた。
中国地方で活動するうさぎプロジェクトのご案内。その後篇です。
外出は自粛しなくてもよい。 どんどん外に出て、お金を使い、経済を回してほしい。 ただし、ぜったい他の人と目を合わせてはいけない。…… 新しい感染症を前に、人々が取った行動とは。
「お前のせいで、私もこの家で暮らせなくなったんだよ!」 おばあちゃんの通夜の日、私は父の胸倉をつかんで殴った。 おばさんが、私の持ってきた袋の中に包丁を見つけ、あわてて私から遠ざけた。
あの日から十年。 けっして「過去」として整理箱の中にしまいこむことのできない東日本大震災。 いま私たちは何ができるのか。
ひきこもりという概念に逆説と諧謔、挑発と自虐をもってさまざまな角度から斬りかかる知的冒険。古今東西の書物の中から、こんにち私たちが「ひきこもり」と呼んでいる現象の背景にあるものを拾い集め検討する。
An intellectual adventure that approaches the concept of hikikomori from different angles.
Une aventure intellectuelle qui aborde le concept de hikikomori sous différents angles.
中国地方で活動するうさぎプロジェクトのご案内。その前篇です。
餌や水が好きなだけ得られる恵まれた環境でネズミを繁殖させたら、そのうち一定数が「ひきこもり」のネズミになることが、20世紀中ごろの実験で明らかになっていた。
Experiments in the mid-20C had shown that if rats were allowed to breed in a privileged environment where they had access to as much food and water as they wanted, a certain number of them would become "hikikomori" rats.
Des expériences menées au milieu du XXe siècle avaient montré que si les rats étaient autorisés à se reproduire dans un environnement privilégié où ils avaient accès à autant de nourriture et d'eau qu'ils le souhaitaient, un certain nombre…
私は父が、違法薬物を摂取していた時にできた子どもということになる。だから細胞レベルで馬鹿になってしまったのだとしても、私はこう考えている。…… 父との関係を振り返ってみた。
「あの人も、私と同じひきこもりと言われるけど、どう考えても私とはまったくちがう」 そんな違和感からひきこもり当事者たちの間に走る断裂を考える。
「居場所を求めてやってくる人は、情報誌の読者のことを考えず、何でもいいから自分の意見が通る場所がほしいとか、自分に注目してほしいとか、そういう目的でくるかもしれない。そうすると、情報誌づくりができなくなってしまうんじゃないかな。」
当事者メディア「今日も私は生きてます。」は他の当事者を救済する目的ではなく、ひたすら自分たちがたとえ生きづらいことがあっても今日も生きているということを発信し続ける情報誌。それをつくる場は、結果的に居場所の機能を帯びることもあるように見え…
京都に留学したベトナム人のベト・アンは、整然とした日本の都市に圧倒される。数々の社会的なルールは、故国ベトナムの空気にはないものであった。そこで彼は部屋から出てこられなくなった。……
How does Viet Anh, who became a "semi-hikikomori" while studying in Japan, view Japanese society? An excellent short film piece based on our magazine "Hikipos".
Comment Viet Anh MAI, qui est devenu un "semi-hikikomori" pendant ses études au Japon, voit-il la société japonaise ? Un excellent court-métrage basé sur notre magazine "Hikipos".
名古屋で活動しているコモンズ学習会にオンラインでお邪魔しました。「今のひきこもり界隈は、どうしてもイデオロギー的になってしまう。『社会がこんな風だから、自分たちは働けないんだ』という、なにか結論が先に決めつけられてしまっている感じがします…
「ひきこもり親子公開対論」がテレビ番組になりました。さまざまな制約から、アバターを使った議論番組に。
自分の父親と対話が困難な娘のひきこもり当事者が、父親とほぼ同じ齢のひきこもり当事者であるぼそっと池井多を父親に見立てて、ふだん言えない言葉や問いをぶつけてみた。第3回「ひきこもり親子公開対論」で好評だった一幕を記事化してご紹介。
昨年までの「ハートネットTV」の拡大版。今回は5人のHIKIPOS執筆陣がお届けします。ひたすら自分と向き合い、考え抜き、もがいてきた私たちの言葉を、どうぞお聴きください。
孤立していた歳月の淵源をたどっていくと、そこには静かな湖面に一滴の墨を垂らしたような記憶が潜んでいた。それはどこにでもある、いつもやってくる、平凡な夏休みのことだった。……
The origin of the isolated years had memories of what looked like a drop of black paint on the surface of quiet lake. It was a summer vacation that started as usual, as everywhere.
大学卒業時、就職活動の際にひきこもりになった筆者が、それより前の歴史を掘り起こし、ひきこもりになった真の原因を探り当てていくスリリングな手記。
自分の父親と対話が困難な状況にある娘のひきこもり当事者が、父親とほぼ同じ齢のひきこもり当事者であるぼそっと池井多を父親に見立てて、ふだん言えない言葉や問いをぶつけてみた。第3回「ひきこもり親子公開対論」で好評だった一幕を記事化してご紹介。
ひきこもりは、部屋の中にひきこもっているだけではない。外へひきこもる「そとこもり」もある。しかし、それは部屋の外へ出て一般社会で活動することとどう違うのか。また、どういう心理から「そとこもる」のか。
アカデミックな支援論でもなく、品行方正な福祉臭もない。国境の垣根を超えたひきこもりの清濁あわせ呑むリアリティが描かれる『世界のひきこもり』、10月23日発売!
本誌でもたびたびお伝えしている「ひきこもり親子公開対論」。そのテレビ版に挑戦します。CGのアバターを使い、ひきこもり親子の対談を放送する予定。アバターでの出演者、絶賛募集中。