ひきポス -ひきこもりとは何か。当事者達の声を発信-

『ひきポス』は、ひきこもり当事者、経験者の声を発信する情報発信メディア。ひきこもりや、生きづらさ問題を当事者目線で取り上げます。当事者、経験者、ご家族、支援者の方々へ、生きるヒントになるような記事をお届けしていきます。

「人に与えられる」ものがないとき、「人から与えられる」ことはできない アンチ援助希求の心理

私は「奪う者」と見なされた 親からの無償の愛を返済するために、子供は有償の愛に奔走(ほんそう)させられる。私は模範的な子供になることで、親からの愛を返済したかった。優等な成績をとり、志望校に就学し、学歴や資格を取得し、第一希望の会社に就職す…

私は「孤独依存症」だった 〈独り〉の乱用が止められないとき、人はひきこもりを苦しむ

KIKUI Shinya 2022 / Photo by Pixabay 会話が知性の催淫剤であるように、孤独は精神の催淫剤だ(シオラン) 私は〈孤独依存症〉であった。この病名は一般に知られていない。なぜなら私がさっき適当に思いついた造語だからだ。 アルコール依存症やギャンブル…

私が『ひきこもり』の写真を撮るとしたら、そこに写っているのはあなたの顔」

(文 キクイ シンヤ/ Photo by Pixabay) ※記事の一部に性的な表現を含んでいます。ご了承ください。 ひきこもりを表す写真とは もし「ひきこもり」を写真で表すとしたら、どんな一枚になるだろうか? 参考として、世間の「ひきこもり」のイメージ画像を見て…

『冊子版ひきポス』 最新号とバックナンバーのご案内

『ひきポス』は、ひきこもり当事者、経験者の声を発信する情報発信メディアです。 生きづらさを当事者目線で取り上げ、当事者・経験者・家族・支援者へ、ヒントになる記事を届けることを目的としています。 WEB版は2017年12月にスタートし、冊子版は2018年2…

「学生時代を失う」ことの本当の意味を誰もわかっていない 10年のひきこもり経験者だから語れる〈コロナ禍〉の悲劇

コロナ禍によって、子供たちの学校生活は一変しました。「修学旅行に行けなかった」、「部活の大会が中止になった」など、多くの声が上がっています。しかし不登校・ひきこもり経験者のキクイさんは、「本当に失われたもの」は他にあると主張。本当の「喪失…

ひきこもりには「きょういく」と「きょうよう」がたりない 私に〈遊び〉があることをどうか許して

「遊ばない」ためのテレビゲーム 私にとってひきこもりは、「社会からの孤立」の問題ではない。 「〈喜び〉からの孤立」の問題だ。 私は長いあいだ引きこもっていて、「自分は喜びを感じてはならない」と思っていた。 「不登校」のころからそうだ。 同級生が…

〈余命宣告を受ける衝撃〉と同じように人生の苦しさを受け入れる

自分を受け入れられない 私は、自分が良い人間になれると思っていた。 働いて、親孝行をして、恋愛や結婚をして。 本当はもっと、幸せに生きていけたはずだと思う。 しかし半生をふり返ってみると、どれもうまくいかなかった。 私は世の中から孤立して、引き…

私は「ガラスの墓」があって進めない 「多様性」や「イノベーション」を能天気に語る人たちへの違和感 

「多様性」対「多様性」 私は一人のゲイとして、同性婚に賛成だ。 自由に結婚できたらよいと思う。 しかしそこには、「人は結婚してこそ幸せ」という価値観がある。 セクシャルマイノリティ(性的少数者)のなかには、性的感情のない「アセクシャル(無性愛…

大器晩成の偉人たち 「もう手遅れ」の絶望と、「まだこれから」の希望のあいだで

「正岡子規三十六、尾崎紅葉三十七、斎藤緑雨三十八、国木田独歩三十八、長塚節三十七、芥川龍之介三十六、嘉村礒多三十七」 「それは、何の事なの?」 「あいつらの死んだとしさ。ばたばた死んでゐる。おれもそろそろ、そのとしだ。作家にとつて、これくら…

ひきこもり断想「喜劇的人生訓」

今回は、ひきこもり経験者による断片的な日記をお届けします。短い言葉で刺激的なイメージを起こす手法は、「箴言(しんげん)」や「アフォリズム」と言われています。 文芸的な表現をご覧ください。 毎朝がおびえである。 ・ 命ごと吐き出してしかるべき重…

ある親心の物語

今回は、ひきこもり経験者による創作をお届けします。息子に対する母親の親心がつづられ、年齢ごとの「願いごと」が語られます。しかしその願いごとは、だんだんとエスカレートしていくようで……。本作はフィクションですが、誰かにとっての実体験かもしれま…

冊子版『ひきポス』 最新号とバックナンバーのご案内

『ひきポス』は、ひきこもり当事者、経験者の声を発信する情報発信メディアです。 生きづらさを当事者目線で取り上げ、当事者・経験者・家族・支援者へ、ヒントになる記事を届けることを目的としています。 WEB版は2017年12月にスタートし、冊子版は2018年2…

ひきこもり断想「老いと鬱の日記」

今回は、ひきこもり経験者による断片的な日記をお届けします。短い言葉で刺激的なイメージを起こす手法は、「箴言(しんげん)」や「アフォリズム」と言われています。 文芸的な表現をご覧ください。 この一年もひどい年だった。自ら生活していくのではなく…

【警句集】ひきこもり断想「耳とマイノリティ」

今回は、ひきこもり経験者による警句(けいく)集をお届けします。短い言葉で刺激的なイメージを起こす手法は、「箴言(しんげん)」や「アフォリズム」とも言われます。独特な一文をお楽しみください。 自室……自己と社会の最小公倍数。 ・ マイノリティは語…

【1000文字小説】東京湾上陸!大怪獣アメミーゴの友達いっぱい大作戦

ひきこもり経験者による、約1000文字のショートショートをお届けします。〈生きづらさ〉から生まれた小さな世界をお楽しみください。 人間の着ぐるみも楽じゃねぇぜ 東京湾上陸!大怪獣アメミーゴの友達いっぱい大作戦 アメミーゴはいい奴だった。 最後は人…

【警句集】ひきこもり断想 「冷えきった鉄」

今回は、ひきこもり経験者による警句(けいく)集をお届けします。短い言葉で刺激的なイメージを起こす手法は、「アフォリズム」とも言われます。有名な本では、ラ・ロシュフーコーの『箴言集』や、芥川龍之介の『侏儒(しゅじゅ)の言葉』などがあります。…

【イラスト集】沈黙を大事にする時間をちょうだい

今回は、ひきこもり経験者による1コマ漫画を公開します。「沈黙」をテーマにしたイラストと、作者自身の詩的なコメントをお楽しみください。 言葉なんて大嫌いだ。 人を傷つけておいて その傷口も残さない。 でも沈黙は役に立たない。 言葉にしなければ 思い…

【1000文字小説】ウサギとカメと競争主義社会

ひきこもり経験者による、約1000文字のショートショートをお届けします。〈生きづらさ〉から生まれた小さな世界をお楽しみください。 「ぼくが勝ったらどんな童話になるかな?」 ウサギとカメと競争主義社会 『僕は道に迷ったことがない。正しい道がないんだ…

【1000文字小説】医者から〈高次脳昨日障害〉の診断を受けて驚いたけど、思いあたることがありすぎた

ひきこもり経験者による、約1000文字のショートショートをお届けします。〈生きづらさ〉から生まれた小さな世界をお楽しみください。 「生きづらさを感じるんです」 高次脳昨日障害 「僕が、高次脳機能障害ですって?」 「いいえ。高次脳昨日障害です」 昨日…

【1000文字小説】見世物小屋で一生ゴロゴロしていたいライオン VS 檻から逃がそうとする引き出し魔

ひきこもり経験者による、約1000文字のショートショートをお届けします。〈生きづらさ〉から生まれた小さな世界をお楽しみください。 山本朝子版画集『人と風景と、出会う』より オレ、ライオン。 見世物小屋で飼われている。 仕事は一日中ゴロゴロしている…

絶望から立ち直らせる〈詩の言葉〉をください 今を生き延びるための詩の名言集

もちろん僕は太陽や微笑みや、空気のようには人々に必要とされていない。でも時には汚い水たまりに遠い星が映し出されることもある。(ニコライ・ベルリンスキー) 苦しいときに勇気をくれる詩の言葉 深い絶望に打ちひしがれているときの詩の言葉 自分を見失…

【1000文字小説】〈透明人間になるための学校〉で、ぼくは劣等生だった

ひきこもり経験者による、約1000文字のショートショートをお届けします。〈生きづらさ〉から生まれた小さな世界をお楽しみください。 山本朝子版画集『人と風景と、出会う』より 透明人間になるための学校で、ぼくは劣等生だった。 学校では毎日、うまく透明…

それは〈人間の話〉ではなく〈金の話〉だ 就労はひきこもりの「解決」か

日本経済の衰退が「ひきこもり」を問題化させた 「ひきこもり」を語る支援者たちは、ときとしてビジネスの話をしているかのようだ。 「ひきこもりの回復」「ひきこもりからの脱出」などの表現は、「経済の回復」「不況からの脱出」といった言い回しと重なる…

【1000文字小説】イブとイブ 女性2人だけの楽園にやってきた泥だらけの生き物の正体

ひきこもり経験者による、約1000文字のショートショートをお届けします。〈生きづらさ〉から生まれた小さな世界をお楽しみください。 山本朝子版画集「人と風景と、出会う」より イヴとイヴ むかしむかし。一番むかしの物語。 世界は楽園で、たくさんの動物…

〈ひきこもり本〉大賞2021! 最新「ひきこもり」ブックガイド14冊

(文 喜久井ヤシン) 今回は、2020年1月以降に発売された〈ひきこもり本〉14冊をご紹介します。長期間の取材をまとまた硬派な一冊から、世界の〈ひきこもり小説〉を集めたアンソロジーまで。最新の「ひきこもり」ブックガイドです。 コンビニは通える引きこ…

【1000文字童話】〈空飛ぶクジラ〉なんていないよ

ひきこもり経験者による、約1000文字のショートショートをお届けします。〈生きづらさ〉から生まれた小さな世界をお楽しみください。 空飛ぶクジラなんていないよ ある朝 ある町 ある家でのこと。 「こんにちは おとなりに 引っこしてまいりましたあ」と 元…

17年目の自殺

(文・写真 喜久井ヤシン) 死ぬ理由 2004年。私は17で死ぬつもりだった。 8歳でガッコウに通わなくなり、社会とのつながりは弱かった。 ほとんど一人きりで過ごしてきたため、同世代との会話経験さえ少ない。 「母親」にあたる人との関係は失敗し、同じ家に…

【1000文字小説】ボクは〈選択的夫婦別性〉に反対する

ひきこもり経験者による、約1000文字のショートショートをお届けします。〈生きづらさ〉から生まれた小さな世界をお楽しみください。 選択的夫婦別性 「来週の火曜日から男になるんで、よろしく」 と「妻」からメールがきた。 ボクはあきれた。 また性別変え…

【当事者手記】不登校・ひきこもりがゲームをしなくなる最良の方法

不登校やひきこもりの子をもつ親にとって、テレビゲームは悩みの種です。「ゲーム脳」や「ゲーム依存」の報道を聞いて、子どもの将来を心配している人も多いでしょう。今回は、「十代のころゲーム漬けだった」という当事者が語ります。「子どもがゲームをし…

【1000文字小説】三十代になってもまだ未経験……〈就職童貞〉の恥ずかしさを告白します

ひきこもり経験者による、約1000文字のショートショートをお届けします。〈生きづらさ〉から生まれた小さな世界をお楽しみください。 〔イラスト カトーコーキ〕 就職童貞 人に言うのは恥ずかしいですが……僕は、この年になってもまだなんです……。 同世代の奴…