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一人は寂しいと言われつつも、一人が好き

 

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(文・湊 うさみん)



一人でいることが好きです。

 

よく「ご飯はみんなで食べたほうがおいしい」と言いますが、一人でのんびり食べるほうが好きなんです。

 

私はご飯を食べるのが遅いので、しゃべりながら食べるとさらに食事が遅くなります。一人で食べても30分くらいかかるので、話しながらだとダントツでビリになります。

 

喋りつつ咀嚼するというのは、口が忙しすぎると感じるんですよね。ドラゴンボールのセルみたいに尻尾から食事できたら楽なんですけど、そもそも尻尾ないですしね。

 

焼肉の時なんかは特に悲惨で、じっくり焼けるのを待ってから食べようとしていると、周りから箸が伸びてきて全部食べられてしまう。次々に肉を焼くのですが、飢えた猛獣たちは生焼けでも気にせず食べちゃいます。

 

結局、みんながお腹いっぱいになってから一人黙々と肉を焼いて食べることになります。

 

ひとカラは認知されてきつつあるけれど

一人好きなのは食事に限ったことではなく、どこかに出かける時やカラオケのときなんかもそうです。

 

カラオケについては、人の歌を聴きたいわけではないし、騒ぎたいわけでもない。聴かせたいわけでもありません。

 

そういう場合、一人でカラオケ行くのが一番気軽でいいんです。うろ覚えの曲を試しに入れてみて、歌えなかった時は停止もできますしね。

 

カウンターにある名簿を見ると一人でカラオケに来ているお客さんも結構いるようで、一人カラオケは市民権を得つつあります。

 

お出かけする時も一人がいいです。気になった店に入ってみたり、自分のペースで服を選んだり、疲れたらのんびり休憩したり。

 

自分のペースを崩されたくないという気持ちが強いのかもしれませんね。

 

大人数が嫌いというわけではない

とはいっても、「絶対一人がいい1 ソロが最高!」と思っているわけではなく、みんなでワイワイ騒ぐのも好きです。

 

会社でやる飲ミュニケーション的なのは嫌いですが、気の合う友達と遊ぶのは楽しいと感じます。

 

ただ、それ以上に一人でいるのが好きすぎるんです。

 

私はひきこもっていて、普段他人とコミュニケーションを取らないせいか、母親が気を使って話しかけてくるんです。さびしいと思ってるに違いないと。

 

ところが、私はまったくさびしくないし、むしろ気楽でいいなと感じています。他人とコミュニケーションを取らない生活が一か月続いてもまったく平気です。

 

一年も続けば「そろそろ誰かと話くらいしようかな」と思うようになりますが、孤独感はありません。寂しさもありません。

 

シゾイドパーソナリティ障害なのかもしれません

シゾイドとはSchizoidのことで、スキゾイドとも言われます。日本語で言うと分裂病質者です。

 

贅沢に興味がなくお金があっても質素な生活を好む、一人でいることが好き、性に対する興味が薄い、羊のような人畜無害さで人の悪口も言わないといった特徴があります。

 

他の人からは「淡々としてる」みたいなことを言われます。

 

シゾイドパーソナリティ障害の生きづらさは、一人を好むことを理解されないことです。

 

今の世の中は、カラオケでもボウリングでも食事でもお出かけでもなんでもみんなで行こうという風潮です。一人で遊ぶことは友達のいない人のすることで、さびしい行為として扱われます。

 

別に一匹狼を気取っているわけでもないし、他人が嫌いというわけでもありません。友達がいないというのも違います。本当に一人が好きなんです。

 

パーソナリティ障害というと仰々しく感じますが、そういう性格だと考えておくといいでしょう。

 

ただ、一人がいいと言っても限度があるようで、さすがに一人ディズニーランドはちょっと気まずかったです。



執筆者 湊うさみん

20代でドロップアウトして自殺未遂。ニート歴10年以上のエリートニートになっちゃいました。

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