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精神病院に入院した人に実態をぶっちゃけてもらった

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個人的に興味があることと、ツイッターで入院しようか迷っている人がいたことがきっかけで、精神病院に入院した葉さんに話を聞いてみました。

 

インタビュアー:湊うさみん
インタビューイ:葉

 

Q1,精神病院に入院することになったきっかけはなんですか?

そもそも、まず、精神病院という言い方は蔑称です。
「精神科病院」もしくは「精神科病棟」が正しい言い方になります。
内科の病院に入院するとしたら「内病院に入院した」って言うでしょうか? 言いませんよね。

 

精神科単科の病院が日本には多いのは歴史的な事実ですが、精神科のみの入院できる病院は少なく、歯科や内科も掛け持ちしていることがほとんどです。精神病院とは単に精神科が主軸な総合病院であることが多いです。

 

また医師の免許には精神科科の医師免許、内科の医師免許ということはなくて、すべて同じ医師免許です。精神科の先生も知識があれば内科医になれます。単に得意な専門の分野が医師ごとにあるにすぎません。

 

ですから精神病院という言い方はせず「精神科の病院」とか「精神科病棟」が正しい名称となります。

 


そして質問への答えですが、
何度か精神科病棟に入院してますが、最初は生活が不規則なのを立て直そうという理由でした。


まずその生活の規則正しさを訓練できるショートステイを利用するための施設の利用待ちのためのつなぎのような感じでした。


その他精神科以外の問題や鬱などで入院したこともありますし、入院回数は35年間で10回以上ではあります。

 

Q2.かかった費用やどんな手続きをしたかなど教えてください。

費用は掛かりませんでした。仕事中ノイローゼになって入院したときは2ヶ月で22万円位掛かりました。

 

日本には高額療養費制度があるため、月の医療費は上限があり、手続きすることができます。
それで高額療養費制度の手続きをしたりしました。
生活保護中の入院ではケースワーカーに連絡する以外のことはしてなくて入院費もかかってません。

 

Q3.何十年も入院するケースも多いようですが、葉さんの場合はどれくらいの期間入院しましたか?


まず誤解があるので訂正しておくと何十年も入院するケースはレアケースです。
普通1-2ヶ月かそれ以下が多いと思います。私も長くても3ヶ月の入院が普通でした。大概は1ヶ月位です。

 

Q4.隔離場所のような良くないイメージがあるのですが、どれくらい自由でしたか?面会の許可やどれくらい外出できるか、インターネットの有無、お風呂やトイレの自由さなど教えてもらえれば。

インターネットは最近スマホを禁止しないところも出てきてます。最初の病院では面会は朝の9時から夕方7時までで自由でした。


医師の判断により面会時間や可、不可が制限されることがあります。

 

開放病棟と閉鎖病棟があるのですが開放病棟は名前を書くくらいで自由に外に行くことができます。
閉鎖病棟は許可がなければ外には出られませんし、出る時入る時には施錠を解いてもらう必要があります。

 

禁煙ですのでタバコは吸えません(病院にもよる)
トイレは自由です。


風呂は2日に1度くらいです。シャワーは時間を書いて毎日でも入れます。
あまりに入らないということは出来ないと思います。

 

人間関係が主に原因のトラブルが多いです。これは人がいるところにはどこにもあるので仕方ないですね。
医療者以外と関わる必要は別にないです。

 

Q5.私が面会に行ったときは話が通じない重度の人もいたようですが、そういう人たちにはどう対応してましたか?

関わりを持たないようにしていました。
別にそれで問題はありません。
看護師もいるので困るようなことがあれば看護師に言う感じでした。

 


Q6.どのような治療を受けましたか? 投薬やカウンセリングなら通院でも充分ではと思うのですが、実際どうなんでしょう。

入院中は医師の回診が数日に一度土日以外あります。
集中的に見ることになります。


また病棟内での動きなどは観察されていて患者同士の関わり方はどうかとか見られているみたいですがカルテにまで書いてあるのかは分かりません。

 

カウンセリングや性格テスト(IQ測ったり)というのも人によればあるみたいでした。

 

朝から夜まで共有スペースにいること、と私は医師に指示されたので眠かったのですが頑張って共有スペースに居ました。

 

Q7.私が鼻の手術で入院したときは退屈だし夜は相部屋の人のいびきがうるさいしでストレスフルでしたが、入院環境はどうでしたか?

 

一人部屋だったので問題なかったです。四人部屋まであるのですが、清潔ですし、少なくとも実家よりずっと快適でしたが、設備の古さによると思います。

 

地方には古いままの病院もあると思いますが、時代と共に精神科病棟に必要とされる基準が違うために中には6床とかもあります。

 

また精神科病棟には保護室がある事がほとんどで、たとえば暴力に及ぶ可用性があるひと(自傷他害の恐れ)があるなどだと保護室に入ることになります。

 

保護室の中はよく想像されるような鉄格子の中のイメージに近いです。

 

自由に出ることが出来ず、トイレが部屋の中にあるような一種独房のような場所になります。

 

暴れたり急変する人を隔離する部屋なのである程度そうなってきますが、今はかなりそのような保護室でも柔軟な対応がされることが多いです。

 

しかし保護室はあくまで暴れたり暴言や暴力的だったりする人が入る人で、普通にしている人は拘束もされないし、数日で出ることになると思います。

 


Q8.色んな年齢、色んな病気の人がいたと思いますが、どんな人がいましたか。また、医師や看護師や他の患者さんとの人間関係はどうでしたか?

 

これについては本当に色々な人がいました。病気はある程度似た状況の人がひとつの病棟に集まっているので色々な病気ではないです。
自分のこと以外ここでは話すのは控えたいと思います。何人か友達が出来たりもありました。

 


Q9.精神疾患以外の入院と違うところは結構ありますか?

 

あると思いますが、基本的には同じでもあります。


ソーシャルワーカーという人がいて退院後の生活に繋げるための社会資源を紹介してくれたりします。生活保護を受ける必要があるとなればその手続きも案内してくれますし役所の人を呼んでくれたりもします。


精神病が社会との関係と切り離せない病気であることがよく分かります。

 

統合失調症の人が自分は関わるのに気を使いました。
妄想などがあるため。
この辺も看護師などと相談しながら生活すれば関わり方など教えてもらえます。

 

Q10.入院して体調良くなりました?

 

一時的によくなったりもありました。
生活リズム改善のための入院はさして意味がなかったかと思います。
しんどい時期を乗り越えるのには役に立つと思います。


自分を見つめ直すのにも役に立ちます。

 


Q11.なかなか良くならなくて入院しようか迷ってる人に言いたいことがあれば。


入院するのを躊躇うことは無いと思います。
入院をすすめられているなら躊躇せず入院した方がいいと思います。


本当に、入院したくてもできない人も世界にも日本にも沢山います。
金銭的なことはソーシャルワーカーも相談に乗ってくれます。

 

結局、あなたの経験はあなただけの物です。しないで後悔するよりはして後悔した方がいいと言うのが自分の感想です。

 

精神科の入院には3種類あります。
任意入院
措置入院
医療保護入院

 

この三種類です。
詳しくは検索してもらうとしても、任意の入院であれば任意で退院できるので任意で入院すべきです。

 

実家が辛い僕にとっては入院は天国みたいなもんでした。