(文・湊 うさみん)
今は輝かしい活躍をしているけれど、昔はひきこもっていていたという方は案外たくさんいます。その方たちの中で、名前を出しても問題ないであろう有名な方たちを紹介します。
家入一真さん
起業家。
中学生の時のいじめが原因で不登校となり、その後も断続的にひきこもる。デザイン会社に入ったものの、なじむことができずにすぐにやめてしまいます。
「自分には会社勤めは向いていない」と考えて起業することを決意。
レンタルサーバーのロリポップのサービスを開始し、一躍有名に。しかし稼いだお金を2年で使い果たし、今度はクラウドファンディングのキャンプファイアや、ひきポスもお世話になっているBASEなどのサービスを展開。
山田ルイ53世さん
お笑い芸人。「ルネッサ~ンス!」で知られる、通称ヒゲ男爵。
中学生2年の時に大きい方を漏らしたことが原因で学校に行けなくなってしまいます。その後6年間ひきこもっていましたが、大学の時の学園祭で漫才をやり、そのまままお笑いの道に。
自分の力のみでひきこもりを脱出したまれな例だと言われています。「ひきこもり漂流記」は図書館でも常に貸し出し中になっているほどの人気。
岡田磨里さん
シナリオライター。
日本中が涙した「あの日見た花の名前を僕はまだ知らない」「心が叫びたがっているんだ」のシナリオを手掛けた脚本家です。
小学校高学年の時にいじめが原因で不登校になり、断続的にひきこもりを続ける。その間、ゲームや本を読んで生活していました。Vシネの仕事をしているうちにアニメの現場に参加することになります。
『学校へ行けなかった私が「あの花」「ここさけ」を書くまで』という本も出しています。
中川翔子さん
ハートネットTVにも時々出演されているマルチタレント。
中学校の頃にいじめに遭い、不登校。ひきこもりに。家に閉じこもっている間、オタク的なカルチャーに没頭。中学校の卒業式に出ることもできなかったといいます。
滝本竜彦さん
小説家。
大学を中退してひきこもりになるも、作家エージェントを通じて小説家に。
NHKにようこそ!という小説でひきこもりのトップランナーと呼ばれるように。(NHKは日本ひきこもり協会の略)
平成の太宰治とまで言われ、今後の作品が期待されていたが、小説が書けない事態に陥ってしまいます。そのストレスのせいか次第に髪の毛が抜けるまでに。
長い休養期間を経て、最近は再び小説を書き始めています。
本田透さん
小説家。
高校を二度中退したあと、高認試験を経て大学へ。自身のひきこもり経験をベースに「自殺するなら、引きこもれ 問題だらけの学校から身を守る法」という本も出しています。
ちなみにフルーツバスケットという漫画に同名のキャラクターがいますが、関係ありません。
宮本亜門さん
演出家。
友だちができない、世の中への失望といったストレスで高校一年生のときに不登校になり、一年間のひきこもり生活に。
その後、精神科での治療が功を奏して学校に戻ることになりました。
ひきこもり、不登校、自殺未遂を綴った「ALIVE―僕が生きる意味をみつけるまで」という本も出しています。
岩井秀人さん
演出家・俳優。
16歳のときに対人恐怖症がきっかけで不登校に。その後20歳になるまでひきこもります。
ひきこもり生活にたくさんの映画、ゲームに触れたことがきっかけで、将来は映画に関わりたいと思うようになったといいます。
岩井さんの「ヒッキー・カンクーントルネード」はプロレスラーを夢見るひきこもりの話です。
渡辺篤さん
芸術家。
長く患っていた鬱や失恋、仲間からの排除、芸術家としての行き詰まりなどが重なり、32歳のときにひきこもります。
半年後、父親により強制入院させられそうになり、それと同時に、母親がノイローゼになっていたことを知り、ひきこもりから脱却。
以後、ひきこもり経験を活かした芸術家として活躍しています。
リリー・フランキーさん
小説家。
大学卒業後の5年間、ひきこもり。一人暮らしだけど働いてないからお金がなく、電気もガスもストップ。食べるものにも困ったため、生活費は親や友だち、最後はサラ金にも借りていたとのこと。
マツコ・デラックスさん
芸能人。
5年間雑誌の編集者をしていたが、人間関係に悩んで退社。その後、実家に戻って2年間ひきこもり。トイレ以外の時間をすべてベッドの上で過ごしたといいます。
編集者時代のマツコさんの働きを知ったエッセイストの中村うさぎさんが、対談集の相手にマツコさんを抜擢し、それがきっかけでひきこもりを脱出。
千原ジュニアさん
芸能人。
中学校時代、学校になじむことができずに不登校に。そしてひきこもり。中間一貫校だったため、高校に進学することはできたが、相変わらずひきこもり。
高校を中退し、途方に暮れていたときに兄から「何もしないんだったら芸人になれ」と言われ、お笑い芸人デビューし、ひきこもりから脱出。
終わりに
ひきこもりという過去があっても、輝かしい人生を送ることができると証明してくださっています。また、ひきこもっていた時期を汚点とせず、仕事に生かすことで芸の幅を広げている人もいます。こういう先駆者がいることで、勇気をもらえるのではないでしょうか。
執筆者 湊うさみん
20代でドロップアウトして自殺未遂。ニート歴10年以上のエリートニートになっちゃいました。