(文・湊 うさみん)
予定を守りすぎてしまいます。
意味がわからないと思いますが、一部の人にはピンとくるのではないでしょうか。予定を過剰なまでに意識してしまい、疲れてしまうのです。
例えば、予定の一日前には、事前に脳内でイメージトレーニングしておきます。「こういう話が出てきたらこう返そう」とか「緊張せずにしゃべるにはどうすればいいだろうか」とか。
始めて行く場所の場合は、乗換案内を使って電車をチェック。降りた駅からどのように歩けば目的地にたどりつけるかも入念に調べます。
私はお金がなくて回線業者と契約してないから、外ではスマホが使えないため、その路線図や地図を印刷しておきます。
さらに、連絡用の電話番号を地図の余白に書き込みます。そして、公衆電話を使うための百円玉があるかどうか、サイフの中身を確認します。
これが前日にやること。
常に予定を頭の中に入れておく
当日になるとその予定のことで頭がいっぱいになります。作業にも集中できず、空き時間にちょっとひきポスの原稿でも書くかといったことはできず、パソコンの前(時計の前)でゲームをしつつ、時間を潰します。
時間が近づいてきたら、忘れ物はないかカバンの中をチェック、▽▽分に家を出るから〇〇分に部屋着から着替えればOKといった脳内シミュレーションも忘れずにやります。
バイトの面接のような重要な予定だった場合は、予定の一時間くらい前には家を出ます。
なぜそんなに早く出かけるのかというと、電車が遅れる可能性、道に迷う可能性の二つを考えてのことです。
結局何も起きずに到着した場合は1時間もの空き時間ができてしまうのですが、時計代わりにスマホを握りながら、階段に腰かけてぼーっとして過ごすことが多いです。ここでもやはり、空き時間を使って作業などできません。
そうして予定が終わって一人になると、疲れでぐったりしてしまいます。予定の当日の夜は疲れで早寝しますし、翌日もグロッキーなことが多いです。
私はこれが普通だと思っていて、みんな似たような過ごし方をしているんだと思っていましたが、どうも違うようです。
外に出ないからひきこもりではなく、予定を入れないからひきこもり
ひきこもりになってから予定を入れることは少なくなりました。週に二回くらいは近所のコンビニやスーパー、ドラッグストアなどに出かけるのですがそれは疲れません。
疲労してしまうのは誰かと会う約束のときです。
先日、取材を受けたのですがすっごく疲れました。地元まで来てもらったのですが、「〇〇分には家を出なければいけない」とか「ちゃんと話せるだろうか」とか「変に思われないだろうか」といった心配事がいっぱい。
取材を受けている時は疲れを感じませんでした。アドレナリンが分泌しているのか、副交感神経が活発なのか、「結構喋れる人なのね」と思われるくらいには喋っていました。
それが終わったら、糸の切れたマリオネットようにぐったり。帰宅したらしばらくベッドに横たわったまま動く気になれませんでした。
完璧主義者はうつ病になりやすいといいます
おそらく予定は完璧にこなさなければならないという完璧主義者な部分や、慎重すぎる性格のせいでこんなことになっているのではと推測しています。
うつ病になると疲れやすくなるとは言いますが、輪をかけて疲れるので、あまり予定は入れないようになってきました。
それでも精神科に通う時などは上記のようなことになってしまいます。
二日続けて予定がある時なんかは、考えただけでも死にそうです。
日雇いのアルバイトをしてた頃、電車が止まったことがあります。その時、「絶対に遅刻してはならない」という心理のせいで、タクシーを使ってしまい、その日の給料は全部タクシー代に消えました。
何のために働いたのやら。
最近まで私自身も自覚していなかった「予定を守りすぎてしまう」ことについて、心当たりがある人もいるのではないでしょうか。
執筆者 湊うさみん
20代でドロップアウトして自殺未遂。ニート歴10年以上のエリートニートになっちゃいました。