ひきポス -ひきこもりとは何か。当事者達の声を発信-

『ひきポス』は、ひきこもり当事者、経験者の声を発信する情報発信メディア。ひきこもりや、生きづらさ問題を当事者目線で取り上げます。当事者、経験者、ご家族、支援者の方々へ、生きるヒントになるような記事をお届けしていきます。

オンライン当事者会のすすめ

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(文・Medium)

「わかる人」と話したい

 ちょっと困りごとがあったり、何となく不安で話がしたいとき、ひきこもっていても話し相手の心当たりがある当事者は少なくないかもしれません。

 しかし、たわいない話でも、一部の親や支援者のように、頭ごなしに「甘え」「わがまま」「自業自得」だのと説教をしかねない相手であれば、うかつなことは言えず、話し相手がいないのと同じかもしれません。

 安心して話せる相手となると、やはり同じ立場のひきこもり当事者や経験者が一番でしょう。

 最近では当事者同士が知り合う機会として、全国で大都市圏を中心に、「当事者会」の存在が知られてきており、数多く開催されるようになりました。

 ただ、当事者会の参加は、「行ける距離で開催されている」「人前に出る身だしなみ」「会場まで公共交通に乗る」「現地で開催してる部屋を探す」「人が待っている部屋に入る」「受付を済ませる」と少しハードルが高く、開催のたびに必死の思いで会場の入り口まで来たけど、中に入れるまでに何ヶ月か必要だったという人も珍しくありません。

 もっともハードルを超えて参加した会で他の当事者たちと話して、「この生きづらさは自分だけではなかった。生きててよかった」といわば「戦友」に出会ったと感じる当事者も珍しくありません。

 

家からでも参加

 しかし、行ける範囲に会がない、乗り物に乗れない、人前で話せない人は、他の当事者とつながることができないのかというと、そんなことはなかったりします。

 この記事はネット環境で読んでらっしゃると思いますが、ネット上にも当事者会が複数あり、実はリアル会よりオンライン会の方が向いてる当事者が少なくないと思っています。

 オンライン当事者会とは、インターネット上でZOOMなどのオンライン会議システムを使った当事者会です。

 わたしの開催経験から、会を重ねるごとに、「リアル会の代用品」ではなく「(リアル会と同格の)オンライン会という別物」だと確信するようになりました。

 まずリアル会にはないメリットに匿名性の高さがあります。
 自分側の音声や画像をオフにして、適当なニックネームで参加すれば個人を特定されず、100%安全に雰囲気が自分に合うかどうか様子見できて、合わないと思ったら回線を切ればそれまでで追跡は不可能です。リアルの当事者会なら会場でテーブルについて話が始まってから雰囲気が違うと思っても、いきなり「すみません帰ります」と言えるものではないですしね。

 あと、声を出すのが苦手な人は文字チャットで参加OKなのも、ありがたいと思う当事者は多いでしょう。実際、参加者のうち、半分から三人に一人は、声を出せない・出したくないということで文字チャットでの参加でした。

 また、参加しても発言の義務はなく、ラジオのように他の当事者の話を聞くだけでも、自分だけじゃないと安心できるということで、常連として参加される方も複数いらっしゃいました。

 はじめは様子見で聞くだけ、なれたら文字で参加、さらに慣れたら音声で参加と、何か困ったことや、寂しいと思うようなことがあったときに自分の話ができる場として、オンライン当事者会に参加してみるというのも悪くないかも知れません。

 最後に、当事者会の参加心得と探し方についてのリンクをご案内しますので、ひきこもりライフの友としても、脱ひきを目指すにしても一度目を通されてみてはいかがでしょうか。

 

ハズレを恐れない

 リアルの当事者会でもそうですが、会ごとの雰囲気との相性があるので、一つ参加して合わなかった場合でも、「当事者会もダメだ」と思わずに、複数のオンライン会に参加してみることを強くおすすめします。聞いていて違うと思ったら回線を切ればリスクはありません(苦笑)

 相性のいい会に当たれば、比喩でなく一生の財産ですから、悪い賭けではないと思いますよ。

 

当事者会関連リンク集

 なお、ここで挙げたリンクは、わたしが直接、筆者 and/or 運営者が(オンラインだけでも)コンタクトしたページだけを挙げておりますので、他にも同様の当事者会紹介・検索サイトで見落としがありましたら、ご指摘いただければ幸いです。

 本文ではオンライン会を推していますが、まだまだ数が少ないので、基本はリアル会の紹介がメインになりますが、全国には色んな当事者会があるんだなと、興味持ってみていただければ幸いです。

概要

居場所・当事者会などに参加しようと考えている方へ

 居場所や当事者会の説明から、探し方や参加の心得まで、ひきこもり当事者グループ「ひき桜」in横浜の代表さんが、ご自身の経験を踏まえて書かれています。

当事者会リンク集

ひきこもり系

ひきプラ
 このひきポスWeb版でも、既に「ひきこもりの当事者会や自助グループをお探しの方に -ひきプラのご案内-」で紹介されていますが、当事者会・自助グループへの繋がりにくさの経験から開発されたWebサイトです。

生きづらさ全般

 ひきこもる中で、具体的な生きづらさの原因に思い当たることがあるならば、ひきこもり系の集まりだけでなく、直接そのテーマの当事者会への参加も検討されてはいかがでしょう。

 

生きづらさJapan

 ひきこもりに限らず、何らかの生きづらさを抱える人の当事者会が数多く紹介されています。

 先日、家族会の「KHJ全国ひきこもり家族会連合会」さんと、コラボしてアンケート募集していたので、今後何らかの結果集計が掲載されると思います。

レデナビ

 「発達障害、身体障害、精神疾患、LGBT、人種や国籍などにより生きづらさを抱えている人が、自分の悩みや不安を共感できる当事者間同士の集まり、当事者コミュニティを見つけることができます。」と謳っています。

 

自助グループポータル

 古くからある自助グループ情報サイトです。色々な種類の自助グループの情報が掲載されています。
 「引きこもり・不登校」のカテゴリーだけでも、2020年3月10日現在で34件の情報があります。

発達障害系

 最近、ひきこもりと発達障害の関係が言われるようになりましたが、発達障害当事者の多くは、子供の頃から孤立感を感じつづけ、不登校やひきこもりの経験者どころか現役も珍しくありません。

 発達障害という語に抵抗がなく、思い当たるところがあれば、可能なら参加してみるといいことがあるかもしれません。

 「診断済みの人に限る」と明記がない限り、診断の有無はまず問題にされません。

 

発達障害2.0 "イベントまとめサイト"

 関東の発達障害の当事者会やイベントがかなり網羅されています。年代やテーマや主催者の種類、対象者の年齢など、検索がしやすいのが特徴です。

 

【発達障害】暗闇の抜け穴 関西(大坂・京都・兵庫・滋賀・奈良)自助会・イベント情報

 関西の自助会・イベント情報が数多く掲載されています。ブログ記事のひとつなのですが、ブログの他の記事も、発達障害の自覚のある人には参考になります。

 

オンライン当事者会

 ひきこもりに特化したオンライン会は他にもあると思いますが、わたしが参加経験があり、主催者さんから今回ご紹介の許可をいただいた会をご紹介します。

 オンライン会では、発言やチャットは義務ではありませんが、冒頭に一応自己紹介があり、完全に無反応だと「あいつは何者だ」と不安になる参加者がでるので、(声を出したくない方には)文字での自己紹介をお願いしているところが多いです。

 「ひき歴や所在地、年齢やひき歴、近況」を大まかでいいので、用意しておくといいかもしれません。
 (例:「九州地方在住。年齢は40代半ばで、ひきこもって18年くらい。毒親と離れたいけど生活できないので諦めています。昼夜逆転中」みたいな感じで細かくなく短くても大丈夫です)

 

きびだんごオンライン当事者会

 進行やルールがかっちりしているので、不安の強い対応の方でも安心して参加できると思います。逆に自由に話がしたいタイプの方には窮屈に感じるかもしれません。

 

ダイバーシティ同盟

 上のきびだんごさんとは逆に、安心安全のためのルールやタイムテーブルはきちんとありますが、比較的自由に進行するので、何か話したいことがあったり、話すことが苦痛でない方に特におすすめできると思います。
 ただ、ひきこもり特化のオンライン会なので、発言は強制されませんし、文字チャットでの参加も歓迎されます。