文・HIKIPOS編集部
本誌 HIKIPOS でも連載されている、ぼそっと池井多さんと海外ひきこもりとのインタビューが本になりました。
これまで本誌のウェブ版や冊子版で発表されてきた世界各国のひきこもりとの対談を、大幅に再取材・再編集したものに加え、未発表インタビュー、著者によるひきこもりに関する論考やエッセイの書き下ろしも収録されています。
サブタイトルにある「地下茎」とは、地上からは見えない、植物の地下のネットワーク、根っこのからみあいです。
いわゆる「ふつうの人」の知らない領域で、ひきこもりたちはインターネットなどを通して盛んに交流しており、そこはひきこもりならではの思考や感性にあふれ、まるで一つの豊かな文化圏が形づくられているようです。
そして、この地下ネットワークは、国境を越えて世界中につながっています。
そこでは、「ふつうの人」が活動する地上の世界に比べると、それぞれのひきこもり当事者がどこの国民であるかといった意識はかなり薄くて、ひきこもりとして似通った心性の者たちが持つ
非常に多くのひきこもりに関する本が出版されていますが、そうした中で、これは学術的な支援論ではなく、品行方正でほのぼのとした福祉臭もなく、毒も薬も含めて世界のひきこもりのリアルを描き出しており、ひきこもりとは縁がない「ふつうの人」たちが読んでも楽しめるようになっています。
これは、とかくひきこもりを精神医療や社会福祉の対象としてしか考えていない専門家たちの認識に、一石を投じることになるでしょう。
また、ひきこもりにアプローチするメディアとの攻防など、家族会などでは扱われない、ひきこもりに関する活動の舞台裏ものぞくこともできます。
ひきこもりは社会に
置いていかれたのか。
ひきこもりが社会を
見限ったのか。
書籍情報
タイトル: 世界のひきこもり 地下茎コスモポリタニズムの出現
著者:ぼそっと池井多
出版社:寿郎社
定価:1800円(+税)
サイズ 四六判並製 287ページ
ISBN 978-4-909281-29-6
正式な発行日は10月30日ですが、流通の早い書店などではすでに店頭に置かれています。
Amazonでは10月23日より以下のサイトからご購入いただけます。
ぼそっと池井多 著
『世界のひきこもり 地下茎コスモポリタニズムの出現』