(文 「ひきポス」編集部/編集 喜久井ヤシン)
2020年も、『ひきポス』は「ひきこもり」当事者・経験者の声を届ける情報発信メディアとして、活動を続けることができました。今回は、この一年間に公開された『ひきポス』の記事を取り上げ、「ひきこもり」ニュースをふり返ります。
1~3月の出来事
単行本『扉を開けて』刊行
共同通信による「ひきこもり」の取材をまとめた『扉を開けて』が出版されました。ひきポスも紹介されており、編集長の石崎が帯文を書いています。
詩集『ぼくはまなざしで自分を研いだ』発表
「ひきポス」執筆者の喜久井ヤシンが詩集を出版。NHKで放送された「ひきこもり文学」では、詩の朗読もおこないました。
『冊子版ひきポス』第8号「ひきこもりと友達」刊行
ひきこもりや生きづらさを抱える人達にとって、「友達」とは一体何なのでしょうか?「友達」をテーマに徹底的に語った一冊。当事者たちの鋭い考察をぜひ一読してみてください。
www.hikipos.info
『ひきポス』は、WEB版でも冊子版でも広告を掲載していません。活動が継続できるのは、冊子版を購入してくださった多くの読者のおかげです。
『冊子版 ひきポス』は、BASEやAmazonなどから注文いただけます。
4~6月の出来事と新型コロナウイルス感染拡大
新型コロナウイルス感染拡大
全世界を巻き込む歴史的な出来事となってしまった、新型コロナウイルスの感染拡大。「ひきこもり」とのかかわりにおいても、大きな爪痕を残すこととなりました。何人もの当事者が、さまざまな角度からコロナ禍を語っています。
●「元ひきこもりに学ぶ」アドバイス動画
●新型コロナウイルスで変わるライフスタイル
●コロナ時代のひきこもり支援のあり方とは
●コロナによって「ひきこもり」はこもらなくなる
単行本『今こそ語ろう、それぞれのひきこもり』刊行
林恭子と斎藤環が編纂した『いまこそ語ろう、それぞれのひきこもり』(日本評論社)が出版されました。多くの「ひきこもり」当事者の声を集めた一冊で、「ひきポス」のメンバーも声を届けています。
「川崎殺傷事件」から一年
「ひきこもり」への偏見が問題となった事件から一年。執筆者のぼそっと池井多は、事件によって巻き起こった議論をあらためてふり返ります。
6~9月の出来事
東京オリンピック開催延期
コロナ禍によって「 起きたこと」もあれば、「起こらなかったこと」もあります。東京オリンピック開催延期に対して、二人の当事者が反応しています。
『冊子版 ひきポス』第9号「ひきこもりと健康」刊行
冊子版第9号のテーマは「健康」。引きこもると身体はどうなるのか。コロナ禍によって何が変わったのか。これまで語られてこなかったをテーマを掘り下げました。
10~12月の出来事
単行本『世界のひきこもり』刊行
「ひきポス」執筆者のぼそっと池井多が、インタビュー集を刊行しました。世界各国の当事者の声や、独自の論考を収録。ぼそっと池井多にしか書けない本が生まれています。
NHK「ひきこもり」キャンペーン実施
12月にはNHKで「ひきこもり」の特集が組まれ、多くの関連番組が放送されました。それにともない、複数の『ひきポス』メンバーが「ひきこもり文学」・「ひきこもりVR親子対談」・ドラマ「こもりびと」などへの出演・制作協力をおこなっています。
2018年・19年放送の「ハートネットTV」の再放送もおこなわれました。出演時の朗読内容の一部は、下記のページからご覧いただけます。
●「ひきこもり」から抜け出すには? さとう学 「ハートネットTV」朗読記事
●なぜ引きこもったのか? 喜久井ヤシン 「ハートネットTV」朗読記事
●バブル崩壊が「ひきこもり」を生んだ? ぼそっと池井多 「ハートネットTV」朗読記事
おわりに
2020年も、『ひきポス』を応援いただきありがとうございます。
新型コロナウイルスの感染拡大に揺れた一年。社会への衝撃は、「ひきこもり」へのまなざしの変化も生んだように思います。
世の中の「ひきこもり」のイメージはどう変化していくのか。当事者一人一人の暮らしはどうなるのか。『ひきポス』は変化の機微をとらえ、当事者の声を届けていきたいと考えています。
『冊子版 ひきポス』は、現在第10号を制作中です。2021年も、どうぞ『ひきポス』にご注目ください。
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