マイノリティ
文:喜久井伸哉 昔、ある学者が、「植物の性器なんか見て、なにが楽しんでしょうね」と言い放った。花見、のことだ。信じがたい発想。だが、学問的な客観性を極めると、花を「植物の性器」と言っても、間違いではない、のか。 春の、桜の咲く季節がやって来…
以前、外国の漫画で、こんな作品を読んだ。 ある時、二人の、まったく同じ人間が、別々の家に生まれる。 (SFではないのだが、クローンのようなものだと、思ってもらえたらいい。) 一人は金持ちの家で、もう一人は、貧乏人の家だ。 仮に、金持ちのAと、貧乏…
今回は、ひきこもり経験者による1コマ漫画を公開します。「沈黙」をテーマにしたイラストと、作者自身の詩的なコメントをお楽しみください。 言葉なんて大嫌いだ。 人を傷つけておいて その傷口も残さない。 でも沈黙は役に立たない。 言葉にしなければ 思い…
ひきこもり経験者による、約1000文字のショートショートをお届けします。〈生きづらさ〉から生まれた小さな世界をお楽しみください。 山本朝子版画集「人と風景と、出会う」より イヴとイヴ むかしむかし。一番むかしの物語。 世界は楽園で、たくさんの動物…
ひきこもり経験者による、約1000文字のショートショートをお届けします。〈生きづらさ〉から生まれた小さな世界をお楽しみください。 空飛ぶクジラなんていないよ ある朝 ある町 ある家でのこと。 「こんにちは おとなりに 引っこしてまいりましたあ」と 元…