・・・「不登校ひきこもりだった私(5)」からのつづき
林恭子 転校した私が通うことになった小学校は、
創立100年ということで、だいぶ古い木造の校舎でした。
そうしたら授業参観の日に母が来て、
「まあ、なんて汚らしい校舎、教室だろう!」
ということを、その学校の生徒たちの前で言うんですよね。
私は転校生じゃないですか。
母が、ずっとそこで生まれ育った子どもたちに向かって
「なんてきたない学校で授業を受けているの」
と言ったわけですから、
よくあれであれから私がいじめに遭わなかったな、
と思って……。
そうしたら、児童のなかから一人の女の子が出てきて、
「わたしは他のところの小学校は知らんから」
と母に言ったのをおぼえているんです。
「そんなこと、言われても」
と、もちろん思ったでしょうし。
やはり、そういうことも、私が二十歳をすぎて思い出すのです。
そういうことがすごくたくさんあったし……
……。
……。
・・・「不登校ひきこもりだった私(7)」へつづく