ひきポス -ひきこもりとは何か。当事者達の声を発信-

『ひきポス』は、ひきこもり当事者、経験者の声を発信する情報発信メディア。ひきこもりや、生きづらさ問題を当事者目線で取り上げます。当事者、経験者、ご家族、支援者の方々へ、生きるヒントになるような記事をお届けしていきます。

AIはひきこもりを幸福にするか ~ 国際オンライン会議のお知らせ 第23回4D

 

文・ぼそっと池井多

 

このごろAI(人工知能)が加速度的な進化をとげているようです。

コンピュータの処理能力が上がったために、自然な言語で応答できる対話型AIがつぎつぎと発表され、画像や音楽や映像を生成するAIの公開も花盛りで、その様子はまさに百花繚乱ひゃっかりょうらんというべきで、「AIのカンブリア爆発」(*1)などと表現されています。

さっそく私たちHIKIPOSも、随所でそれらを利用させていただいております。

 

*1. カンブリア爆発:今からおよそ5億4000万年ぐらい前、古生代カンブリア紀と呼ばれる時代に、さまざまな種類の生物が一斉に地球上に出現し、今日の私たちが知っている生物の多様性の原型が作られたとされる現象をさす。古生物の専門家の間では異論もある。

 

自治体や支援機関によっては、人と会わないでもAIを使ってひきこもりが働ける仕組みや、人を相手にしないでカウンセリングが受けられるシステムなどが研究されています。

また、AIに任せられることはAIに任せるとなると、人間はこれまでの能力を捨て、「いかにAIを使いこなすか」という新しい能力を持つことが求められ、それを機にこれまでの社会構造では日の目を見なかったひきこもり当事者が一発逆転を狙えるチャンスも増えてくるかもしれません。

こうしたことから、AIが発達する未来はひきこもりにとってユートピアであるような考えを持つ人たちがいます。

他方では、AIの発達は人間を「要らない存在」にし、人間から人間らしさを奪い、そのために社会の周縁に生きるひきこもりはいよいよ社会から疎外されるのでは、という懸念もささやかれています。

はたして、AIの隆盛によってひきこもりの生活はどのように変わるのでしょうか。

AIはひきこもりを幸福にするのでしょうか。

 

そのことに深い関心を寄せているヨーロッパのドキュメンタリー映画製作者たちがいます。ドイツを拠点とするアンナ・リヒアルトさんとオーストリアのドミニク・エッダーさんです。

彼ら彼女らは昨年の秋からVOSOTが主催するオンライン対話会「4D」にヨーロッパから参加し、日本のひきこもりについて継続的に取材をおこなってきました。

毎月この対話会が始まる日本時間の午後2時は、ヨーロッパでは朝6時(夏時間のあいだは7時)であり、早起きはそれなりに大変です。しかし彼ら彼女らは、通訳者が確保できない正月とイースターを除いて、毎回参加してくれています。その誠実さに、主催者の私も頭が下がっています。

「AIはひきこもりを幸福にするか」

というテーマは、じつは彼ら彼女らが「日本のひきこもりがAIの発達をどう捉えているか知りたい」という動機から、半年以上も前から希望してきた開催テーマでした。

それが今回、ようやくさまざまな方面の調整を経て実施の運びとなりました。

いつもは私、ぼそっと池井多が進行のすべてを担当しますが、今回はアンナさんとドミニクさんにテーブルオーナー(話題提供者)になっていただき、私はファシリテーターに徹しようと思います。

文字通り国際的に、グローバルにAIとひきこもりの将来を語り合ってみたいと思います。

 

以下、テーブルオーナーからのメッセージです。

 

Introduction To The 4D Meeting

Will Artificial Intelligence

Make Hikikomori Happy?

 

Anna Richard

Dominik Eder

 

Artificial Intelligence (AI) technology has permeated various aspects of our lives, profoundly influencing the social context in which we exist. With its ability to simulate human intelligence and perform complex tasks autonomously, AI has opened up new horizons in areas such as communication, entertainment, healthcare, and transportation, among others. In the social sphere, AI has revolutionized the way we interact, connect, and navigate the world around us.
One of the key contributions of AI in the social context is its impact on communication. AI-powered language processing and natural language understanding have enabled sophisticated chatbots and virtual assistants to engage in meaningful conversations with individuals. These AI companions are designed to comprehend human speech, respond intelligently, and provide valuable information, guidance, or simply companionship. They have become virtual confidants, offering support, advice, and even emotional comfort.

Also in the context of Hikikomori, digital offers are becoming more and more popular. There are meeting opportunities for Hikikomori in virtual spaces such as the metaverse, or there are programs in the field of social robotics, such as OriHime that allow people to participate in the outside world by using small robot-avatars.  As filmmakers we are interested in finding out more about this new social togetherness. Can closeness in the digital world reconstruct or even improve social encounters compared to the analog world? 

We would be happy to hear your thoughts, ideas, expectations, hopes and fears that are related to these new opportunities and are looking forward to our exchange. 

 

テーブルオーナー(話題提供者)からのメッセージ

AIはひきこもりを幸福にするか

 

アンナ・リヒアルト

ドミニク・エッダー

 

人工知能(AI)技術は私たちの生活のさまざまな側面に浸透し、私たちの存在する社会的な文脈に深い影響を与えています。人間の知性をシミュレートし、複雑なタスクを自律的に実行する能力により、AIはコミュニケーション、エンターテイメント、医療、交通などの分野で新たな展望を開拓しました。社会の中でAIは私たちが相互作用し、つながり、周りの世界を進む方法を革新しました。

社会的な文脈においてAIの主要な貢献の一つは、コミュニケーションへの影響です。AIによる言語処理や自然言語理解の進展により、洗練されたチャットボットや仮想アシスタントが個人と意味のある対話を行うことが可能になりました。これらのAIの相手は人間の話し言葉を理解し、知的な応答を行い、有益な情報やガイダンス、または単に対話相手としての存在を提供します。彼らは仮想の相談相手となり、支援や助言、さらには感情的な快適さを提供します。

また、ひきこもりの文脈においても、デジタルオファーがますます人気を集めています。メタバースなどの仮想空間でのひきこもりのための会合の機会がありますし、また、OriHimeなどのソーシャルロボティクスの分野では、小さなロボットアバターを使用して外の世界に参加できるプログラムもあります。私たちは映画製作者として、この新たな社会的なつながりについてさらに理解を深めることに興味があります。デジタルの世界での近さは、アナログの世界と比べて社会的な出会いを再構築または改善することができるのでしょうか?

私たちは、これらの新たな機会に関連するあなたの考え、アイデア、期待、希望、そして懸念をお聞きしたく思っています。私たちの交流を楽しみにしています。

 

希望者はどなたでも参加していただけます。

下の要項をよくお読みになったうえで所定の申込みフォームより参加をお申込みください。

 

 

234Dフォーディー

AI ひきこもり 幸福 にするか

 

日時202363日(土)14:00 (- 17:00予定)(日本時間)

場所:Zoomによるオンライン開催

主催VOSOT(チームぼそっと)

 

◆ 参加費

・お金のない人 無料

・お金のある人 お気持ちの額で運営費のご寄付をお願いしております。


◆ 参加お申込みこちら

   参加確定者にはZoomのご招待リンクをお送りしております。

 

◆ 問い合わせ先 

VOSOT(チームぼそっと) <vosot.just.2013★gmail.com>  ★→@


※ facebookなどアルファベットの団体名を登録できない一部のSNSでは「チームぼそっと」で登録してあります。
したがって「VOSOT」と「チームぼそっと」は同じ団体です。

 

ӁӁӁӁӁ 参加時のおやくそく ӁӁӁӁӁ


ご参加いただく時点で、以下のお約束に同意していただいたものといたします。

 

1.【発言の社会的活用】

  本会で発言されたご意見は「この場限り」ではなく、ひきこもりの真実を広く社会に知ってもらうために、個人情報を捨象または抽象化したうえで社会へ発信させていただくことがあります。そうされたくない方は該当するご発言の際にその旨をおっしゃってください。

 

2.【個人情報持ち出し禁止】

 発言された内容のなかで、個人が特定される部分については本会の外へ持ち出さず、この場の内に留めてください。ただし、話の内容に該当する個人本人が外部への発信を希望または許諾している場合はこの限りではありません。

 

3.【言論の自由の尊重】

 「言論の自由」を尊重します。本会は、公序良俗やポリティカル・コレクトネス(政治的な正しさ)に囚われることはしません。
 本会は誰もがタブーがなく何でも話せる場とします。したがって、当たり前ですが、他の参加者の発言があなたの好きなことばかりとは限りません。むしろそうでないことの方が多いでしょう。あなたには反対意見を発言する権利があります。また、あなたはお手元のボタンでいつでもその場から自由に退出できます。
 本会のモットーは「意見のちがいは楽しむもの」です。

 

4.【全員が対等な参加者】

 どうしても話せない方は無理に話す必要はありませんが、はじめから私たちを観察したり、妨害する目的で参加する方はお断りしています。運営者から見て不審に思った方には、こちらからカメラオン(顔見せ)や詳しい自己紹介をお願いする場合があります。これらの措置も他の参加者の安心感を確保するためのものなので、どうぞご理解のほどをお願いいたします。

 

5.【運営妨害の禁止】

 今まで一度も起こったことはありませんが、主催者が運営の妨害にあたると判断したときは、その行為をおこなった参加者に強制ミュートや退出などの措置を取ることもあります。

 

6.【取材の承諾】

 今回の4Dは特別に一般メディアからの取材が入る可能性があるため、取材目的のメディアが参加しているということにあらかじめご同意いただく必要があります。とはいえ、カメラをオンにしたらたちまち顔を録画され、発言したらたちまち発言が録音される、というようなことはありません。取材の対象となった場合は、ちゃんと個別にご了解を取りますのでご安心ください。

 




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