絶望
文: 喜久井伸哉 画像:Pixabay 挫折は、めったに語られない。 夢や、希望や、達成の物語は、毎日、いくらでも、語られている。ニュースや、メディアで目立っているのは、成功の真っただ中にいる人々だ。アスリートでも、歌手でも、知識人でも、障碍者でも、マ…
「正岡子規三十六、尾崎紅葉三十七、斎藤緑雨三十八、国木田独歩三十八、長塚節三十七、芥川龍之介三十六、嘉村礒多三十七」 「それは、何の事なの?」 「あいつらの死んだとしさ。ばたばた死んでゐる。おれもそろそろ、そのとしだ。作家にとつて、これくら…
(文 喜久井ヤシン) 人間のみがこの世で苦しんでいるので、笑いを発明せざるを得なかった。 (ニーチェ「権力への意志」) 笑いがなければ何になるだろう、この人生は。 ——スタンダップ・コメディ。それはお笑いを基軸とした、一人舞台のエンターテインメン…
絶望の明滅 文・写真 ゆりな "私は目をふさぐ" これ以上見たくないものを見続けなくていいように 表情の隙間に、口角の端の嘲笑を読み取らなくていいように 虹彩の奥に、裏切りへの不安を抱かなくていいように 綻んだ一瞬に、人を弄ぶ裏の舞台を想像しなくて…