就労
最近、ひきこもり界隈では「農福連携」という語を聞く機会が増えた。減少している農業人口をひきこもりの就労に結びつける考え方だ。しかし、そこに留まらないもっと崇高な思想が背後に隠れている。
実質収入ゼロからいきなり月収60万円の生活になった当事者がいる。しかし彼の「一発逆転」劇の裏には見えない工夫があった。
文: 喜久井伸哉 画像:Pixabay 挫折は、めったに語られない。 夢や、希望や、達成の物語は、毎日、いくらでも、語られている。ニュースや、メディアで目立っているのは、成功の真っただ中にいる人々だ。アスリートでも、歌手でも、知識人でも、障碍者でも、マ…
「罪悪感を抱くくらいなら働けば」と人はいう。しかし働いていると人生を無駄にしている気がして仕方がない。働いてるヒマなどないんだ。……なぜこんな気持ちになるのだろうか。
ひきこもりの家族会(親の会)に参加していると、いつも本当に話したいことが話せないために葛藤する。 家族会の存在意義って何だろう。
就労支援機関へ通っても不快な体験ばかりしていた。その一方で、就労支援機関を経由しないで、ひきこもっていた僕は図書館でのアルバイトを始めることになった。そのときの体験を皆さんにお伝えしたい。
ひきこもりの問題において問題となっているのは、人と人とが接している状況にあるはずなのに、支援機関での相談やセミナーなど、人と人とが接している状況で、お互いの振る舞いや社会性が問われていない、ということである。
隅っこにある狭い相談スペースで、大の大人二人に囲まれていることはとても辛い状況だった。 いま思えば、社会に参加するために、サポートステーションを訪れる必要も、サポートステーションの隅っこの一角でこのような目にあう必要もなかったはずだ。……
社会参加はしたいが、自分が社会参加をすると周囲に迷惑が掛かる、だから今まで社会参加しなかった。迷惑が掛かるから自分が社会参加しないことは、社会的にも倫理的にも正しいし、そういう状況を社会に強いられている。でも社会参加したい。そして「生活」…
(文 喜久井伸哉 / 画像 Pixabay) 社会人は〈雑談〉が9割 〈雑談〉さえうまくできれば、どんな社会でも生きていけると思う。 私は筋金入りの「不登校」だが、大人になった今、必要だと思うのは「学力」よりも「雑談力」だ。 世の中で働く多くの人にとって…
(文 喜久井伸哉) もし私の「ひきこもり」にゴールがあるとしたら、「職場で雑談ができたとき」だ。 「就労」ではない。 「ひきこもり支援」では、よく「就労」がゴールのように言われている。 外で働いて、自分のお金を稼ぐという点では、たしかに「社会的ひ…
「あなた、ひきこもりに見えないね」 と言われて複雑な気持ちになるけど、わかる気がする。私はアクティブでよく動く方だったし、元気で明るい子で、考え方もポジティブだったから。
ひきこもりのボクは、ゲームもアニメも読書も何もやることがない。でも、小遣いがなければ生きていけないので、自分の時間をこっそり売ることにした。
日本経済の衰退が「ひきこもり」を問題化させた 「ひきこもり」を語る支援者たちは、ときとしてビジネスの話をしているかのようだ。 「ひきこもりの回復」「ひきこもりからの脱出」などの表現は、「経済の回復」「不況からの脱出」といった言い回しと重なる…
ひきこもりから脱したのり子さんは、農業の世界に飛び込みます。心地よい働き方を模索しながら、「札幌ひきこもり女子会」副代表として活動する思いを語っていただきました。
ひきこもり経験者による、約1000文字のショートショートをお届けします。〈生きづらさ〉から生まれた小さな世界をお楽しみください。 〔イラスト カトーコーキ〕 就職童貞 人に言うのは恥ずかしいですが……僕は、この年になってもまだなんです……。 同世代の奴…
20X X年、誰もが働かねばならない社会で、 勝峰名人は「生まれてから一度も働いたことがない」といいます。労働のプレッシャーに打ち勝って、いかに働かないでこれたのか!? 無職の極意を聞いた、注目のインタビュー! 〔イラスト カトーコーキ〕 ——勝峰名…
雲母書房が潰れた。 雲母(きらら)書房という珍しい名前の出版社が、しばらく前になくなってしまった。 今どき出版社が潰れるなんて珍しくもないが、ここがなくなるのはいけない。 評論家の芹沢俊介さんという方の本を多数出していたところなのだ。 『引き…
「働きたいけど働けないひきこもり」という表現は、以前よりひきこもりに関するメディア記事や報告書では、じつに頻繁にお目にかかってきたフレーズである。しかし、この「働きたいけど働けないひきこもり」とは、実際にどのような人たちなのであろうか。
新たな挑戦がしやすいのは、「絶対に成功しなければならない人」よりも、「失敗しても大丈夫な人」だ——。「ひきこもり支援」は、当事者が働けるように急かすけれど、それは正しいやり方なのか。当事者によるひきこもり支援論をお届けします。 (文・写真 喜…
(文・万年ダイエッター) あなたは誰かに「働くことの意味」を問われたことはあるだろうか? 私はある。しかも、だいぶ唐突に。それは2月のこと、取引先に向かおうと地下鉄に揺られていた。花粉で朦朧としながらスマホを眺めているとLINE通知がぽこっと現…
ひきこもり支援の中には、ひきこもりを「救う」とうたう団体があります。しかしひきこもり当事者は、そもそも「救われたい」のでしょうか?今回は、ひきこもり支援のあり方に一石を投じる、当事者からの支援論をお届けします。 (文・写真 喜久井ヤシン) 「…
1.会社は働き方改革を推進してくれるか? 2.会社がダメなら、会社の周りを変えてしまえ 3.JRは積極的に遅延しろ 4.Google級の企業が100社そびえたつ国、日本 5.アホか。 (文:Longrow) (画像:Longrow、pixabay) これを通勤地獄と呼ぶなら、…
なぜ電話などというものが発明されたのか。メールが普及しているというのに、なぜ人類はまだ電話を根絶させないのか? 診断を受けたことはないが、私は「電話恐怖症」というべきものにかかっている。 自分から未知の相手に電話をかけようとするとき、私は心…
(文・湊 うさみん) ニートは物欲のない修行僧のよう 漫画家でありタレントでもある「はらたいら」さんが「はたらいたら」に見えるのは、労働が絶対である今の世の中が悪いのです。 2018年11月27日に「仏教にヒントがあった」という記事がありました。それ…
(文・湊 うさみん) 就職活動で90社落ちた。 世の中の人は「受かるまで活動続ければ働けるだろ、甘えんな」などと気楽に言うけれど、それがなぜ無理だったのかはこの90社という数字に表れている。 当時は100社受けてみてダメだったら別の道を探してみようと…
北九州で自分と同世代の青年が餓死した。モノがあふれる今の時代の日本で。その事実に衝撃を受けた彼は……。 ひきこもり経験者サイトウマコトさん講演抄録の後篇。
他人が仕事を選ぶのは自由。でもぼくはともかく「自分のやりたい仕事と、自分が向いている仕事はちがう」と言い切れる。面白くないけど、何とか続けられそうだから、今の仕事をやっている。…… ひきこもり経験者サイトウマコトさんが語る就労論。
(文・喜久井ヤシン) 一番大事なのは「コミュニケーション能力」……? 三月は就活の季節であるらしい。就活生たちはエントリーシートや面接対策などで大変な思いをしていることだろう。私はといえば、二十歳前後の頃は外出一つするのにも苦労していた時期で…
ひきこもりにも作法がある。いくら母親がうっとうしくても実家主義を貫いてきたひきこもり名人。ところが、そこに揺らぎが訪れました。ひきこもり名人となった私(3)六畳間の聖域。