ひきこもりと父
刑務所の中に初めて入った。服役している間に、父は遺言書を書いていた。遺言書の最後の方は、私への手紙のようになっていた。 ……めずらしく夢に出てきた父は、笑っていた。
「お前のせいで、私もこの家で暮らせなくなったんだよ!」 おばあちゃんの通夜の日、私は父の胸倉をつかんで殴った。 おばさんが、私の持ってきた袋の中に包丁を見つけ、あわてて私から遠ざけた。
私は父が、違法薬物を摂取していた時にできた子どもということになる。だから細胞レベルで馬鹿になってしまったのだとしても、私はこう考えている。…… 父との関係を振り返ってみた。
戦争の悲惨さを語り継ぐだけでは、悲惨な戦争を繰り返さないことにはならない。子どもは、語る親の態度や在り様を、心に刻む。生徒は、教える教師の態度や在り様を、肌身に吸収する。…… 戦争・児童虐待・ひきこもりをつなぐ3部作、ここに完結!
「いつかは子どもと向き合うことがあるだろう」と親御さんは考えておられるのかもしれません。しかし、何が起こるかわからないのです。思い立った時にやるということ。それをしなかった私などは、すごく後悔しているので。……
3年間ひきこもっていた次男。津波が来ても2階の部屋から出てこない。母は、階段の下にペットボトルと米を置いて長男と逃げた。そのときには、すでにすぐ先に波が迫っていた。……
陸前高田市 ひきこもりの父親 佐々木善仁さんの長編インタビューの第2回。悲しみと痛みを越えて、ひきこもりになっていった経緯をつぶさに思い返してくださった。「後悔」の向こう側に見えてくるものとは。
台風19号で土砂が流れこんだ岩手県宮古市のひきこもりの居場所で、スコップをふるって復旧作業に汗する69歳の佐々木善仁さん。ひきこもりだった次男は、3.11で避難せず、津波に呑まれて亡くなった。その悲嘆と再生の物語をシリーズでお届けします。
「ひきこもり親子 公開対論」で交わされた対話は基本的に門外不出。しかしめずらしく登壇者の方から公開への諒承が取れる時がある。ひきこもりの父親カズさんは、本人が特定される情報の削除を条件に、そんな公開に同意してくださった。
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