むかし、テニススクールに通っていたことがある。ひきこもりから抜け出して働き出し、心身ともに安定していた時期だった。 そのテニススクールで好きな子ができた。相手は、愛ちゃん(仮名)というすらっと背の高いショートカットの女の子。レッスン中は他の…
街にはチャリティの空気が満ちていた。シリア難民救済の募金箱をかかえる若い女性に、一人の白い杖をついた中高年の男性が背後から近づいていた。そこに小さな「現代」が起こった。……
ひきこもり当事者・喜久井ヤシンさんによる小説「遊べなかった子」の連作を掲載します。12歳の少年みさきは、海の上をただよう〈舟の家〉に乗り、行く先々で奇妙な人々と出会います。さびしさやとまどいを経験していくなかで、少年はどこへたどりつくのか………
(文・湊 うさみん) ひきこもりの生態はあまり知られていません。なぜなら、人との関わりがほとんどないからです。 ネットでならひきこもりブログ、ニートブログといったものが見られますが、すぐに閉鎖されています。 今回はひきこもりを取材し貴重なデー…
If I want my neighbors to know "who I am", I must never tell them "who I am". Communication hell with my neighbors starting with a single cucumber I happeningly received!
「私とは何者か」を近所の人に知ってもらうためには、「私とは何者か」を語ってはいけない…。ウッカリもらってしまった一本のキュウリから始まる近所とのコミュニケーション地獄!
それは「自己」からの解放だった。 この世界のあらゆるものに受け入れられた気がした。 モノクロだった世界が鮮やかに色づき始めた。
(文・湊 うさみん) ニートは物欲のない修行僧のよう 漫画家でありタレントでもある「はらたいら」さんが「はたらいたら」に見えるのは、労働が絶対である今の世の中が悪いのです。 2018年11月27日に「仏教にヒントがあった」という記事がありました。それ…
地上の煉獄となったこの人生は 艱難辛苦の風雨に打たれ 救いのない道のりをただ歩まされる。 しかし眼前をも見失わせる暗夜が 極小の光をも見出させ 遠い灯台となって道標となる時、 それはやがて体温を蘇らせる 極夜を焼く希望へと至る。 そうだ。 どんな夜…
約20年前、「部屋から出てこない、暗く危険な若い男性」というひきこもりのイメージが日本で作られ、以後、多くの商業メディアはそのイメージの再生産に血道を上げ、あるいは加担してきた。その歴史を振り返る。
今回は、支援者から言われた一言がテーマです。言う側は励ましのつもりで発言していても、当事者にとっては、「最悪」だったというその言葉とは何か。生きづらさ当事者との、向き合い方を考えさせられる一本です。 支援者から言われた言葉 八歳ほどの頃から…
アメリカ映画でギャング同士が残忍な殺し合いをやっていて、一方が相手の頭に拳銃を突きつける。「金はどこだ!」「おれは知らない!天国にいるおふくろに誓っても本当だ!」この会話の不思議。なぜ世の中の人は「おふくろ」という存在にそんな絶対的な価値…
(文・湊 うさみん) 日本一の詩人、中原中也は精神病院に強制入院させられ、脱走。精神衰弱して外を出歩くのは人のいない深夜のみだったと言います。 人のいる昼間に外に出たくない気持ちはよくわかります。みんなが自分を見下しているんじゃないかとか、自…
ひきこもり当事者・喜久井ヤシンさんによる小説「遊べなかった子」の連作を掲載します。12歳の少年みさきは、海の上をただよう〈舟の家〉に乗り、行く先々で奇妙な人々と出会います。さびしさやとまどいを経験していくなかで、少年はどこへたどりつくのか………
発展途上国の、都市部ではなく、しかも富裕層ではない。ひきこもりというものが、これまで考えられていた社会的階層や国々よりも、もっと広い範囲に実際に存在するという事実を示してくれるフィリピンのひきこもりCJの証言第2回。