ひきこもり当事者・喜久井ヤシンさんによる小説「遊べなかった子」の連作を掲載します。12歳の少年みさきは、海の上をただよう〈舟の家〉に乗り、行く先々で奇妙な人々と出会います。さびしさやとまどいを経験していくなかで、少年はどこへたどりつくのか………
執筆者 喜久井ヤシン(きくい やしん)1987年東京生まれ。8歳頃から学校へ行かなくなり、中学の三年間は同世代との交流をせずに過ごした。20代半ばまで、断続的な「ひきこもり」状態を経験。『ひきポス』では当事者手記の他に、カルチャー関連の記事も執筆。…
ひきこもり当事者・喜久井ヤシンさんによる小説「遊べなかった子」の連作を掲載します。12歳の少年みさきは、海の上をただよう〈舟の家〉に乗り、行く先々で奇妙な人々と出会います。さびしさやとまどいを経験していくなかで、少年はどこへたどりつくのか………
地上の煉獄となったこの人生は 艱難辛苦の風雨に打たれ 救いのない道のりをただ歩まされる。 しかし眼前をも見失わせる暗夜が 極小の光をも見出させ 遠い灯台となって道標となる時、 それはやがて体温を蘇らせる 極夜を焼く希望へと至る。 そうだ。 どんな夜…
今回は、支援者から言われた一言がテーマです。言う側は励ましのつもりで発言していても、当事者にとっては、「最悪」だったというその言葉とは何か。生きづらさ当事者との、向き合い方を考えさせられる一本です。 支援者から言われた言葉 八歳ほどの頃から…
ひきこもり当事者・喜久井ヤシンさんによる小説「遊べなかった子」の連作を掲載します。12歳の少年みさきは、海の上をただよう〈舟の家〉に乗り、行く先々で奇妙な人々と出会います。さびしさやとまどいを経験していくなかで、少年はどこへたどりつくのか………
藤圭子「圭子の夢は夜ひらく」/中島みゆき「うらみ・ます」「お前を殺したい」/山崎ハコ「呪い」「飛びます」/石井好子「かもめ」「暗い日曜日」/武満徹「死んだ男の残したものは」/長谷川きよし「心中日本」
ひきこもり当事者・喜久井ヤシンさんによる小説「遊べなかった子」の連作を掲載します。12歳の少年みさきは、海の上をただよう〈舟の家〉に乗り、行く先々で奇妙な人々と出会います。さびしさやとまどいを経験していくなかで、少年はどこへたどりつくのか………
ひきこもり当事者・喜久井ヤシンさんによる小説「遊べなかった子」の連作を掲載します。12歳の少年みさきは、海の上をただよう〈舟の家〉に乗り、行く先々で奇妙な人々と出会います。さびしさやとまどいを経験していくなかで、少年はどこへたどりつくのか………
家事に育児に仕事にと、私の母は『完璧な女性』像を追い求める人だった。夕食には毎回おかずを何品も作っていたけれど、帰りが遅くなって簡単な料理しか出せない時には、私に「ごめんね」と謝った。私にとってその謝罪は、何よりも食事をまずく感じさせるも…
絵本?レオ=レオニ? そんな。いい年になって小さい子向けの本なんて読まないよ。 時間もないし、かっこ悪いし。 どうせ本を読むのなら、もっと役に立つものでないと……。 ――以前の私は、そんな風に思っていた。絵本なんて、わざわざ大人が読むものではない…
ひきこもり当事者・喜久井ヤシンさんによる小説「遊べなかった子」の連作を掲載します。12歳の少年みさきは、海の上をただよう〈舟の家〉に乗り、行く先々で奇妙な人々と出会います。さびしさやとまどいを経験していくなかで、少年はどこへたどりつくのか………
ひきこもり当事者・喜久井ヤシンさんによる小説「遊べなかった子」の連作を掲載します。12歳の少年みさきは、海の上をただよう〈舟の家〉に乗り、行く先々で奇妙な人々と出会います。さびしさやとまどいを経験していくなかで、少年はどこへたどりつくのか………
一番おいしい卵の食べ方 本当の意味でおいしい食事のできることが、人らしい暮らしの「豊かさ」ではないかと思う。私が誰とも会えないで過ごしていた十代の頃、養育者(親)の出してくれた食事は、栄養の多い、おかずの種類も豊富な料理だったけれど、当時の…
ひきこもり当事者・喜久井(きくい)ヤシンさんによる小説「遊べなかった子」の連作を掲載します。12歳の少年みさきは、海の上をただよう〈舟の家〉に乗り、行く先々で奇妙な人々と出会います。さびしさやとまどいを経験していくなかで、少年はどこへたどり…
「ヤバい」とか「カワイイ」とか「死にたい」とか、世の中にはカンタンな言葉があふれている。けれど本当の思いは、それだけの言葉では伝えられない。時にムズカシイ表現にもなってでも、書き伝えたい思いがある。今回は、国内の〈現代詩人〉の中から個人的…
ひきこもり当事者・喜久井(きくい)ヤシンさんによる小説「遊べなかった子」の連作を掲載します。12歳の少年みさきは、海の上をただよう〈舟の家〉に乗り、行く先々で奇妙な人々と出会います。さびしさやとまどいを経験していくなかで、少年はどこへたどり…
どれだけ孤独に過ごそうとしても、「食べる」ことは欠かせません。食事は毎日の生活の課題でもあれば、家族関係の問題とも密接なつながりがあります。今回は、〈ひきこもり×食〉をテーマにしたエッセイを掲載。切実な実体験をもとに、当事者が切り込んでいき…
ひきこもり当事者・喜久井(きくい)ヤシンさんによる小説「遊べなかった子」の連作を掲載します。12歳の少年みさきは、海の上をただよう〈舟の家〉に乗り、行く先々で奇妙な人々と出会います。さびしさやとまどいを経験していくなかで、少年はどこへたどり…
(文 喜久井ヤシン) 9月1日は子供の自殺が多くなる。多くのガッコウの夏休み明けにあたるためだ。 私は七歳でガッコウへ行かなくなった時に、人生で初めて自殺を考えた。どうしてこの時に命を去らなかったのかはわからないが、今は思う。ガッコウと言われる…
ひきこもり当事者・喜久井(きくい)ヤシンさんによる小説「遊べなかった子」の連作を掲載します。12歳の少年みさきは、海の上をただよう〈舟の家〉に乗り、行く先々で奇妙な人々と出会います。さびしさやとまどいを経験していくなかで、少年はどこへたどり…
(文・写真 喜久井ヤシン) あたりまえすぎて言われてこなかったけれど、閉じこもるためには部屋がいる。どんな家のどんな間取りに住んでいるかによって、「ひきこもり」生活のクオリティは違う。今回は、ひきこもり×建築をめぐるニッチなエッセイを掲載する…
ひきこもり当事者・喜久井(きくい)ヤシンさんによる小説「遊べなかった子」の連作を掲載します。12歳の少年みさきは、海の上をただよう〈舟の家〉に乗り、行く先々で奇妙な人々と出会います。さびしさやとまどいを経験していくなかで、少年はどこへたどり…
(文 喜久井ヤシン) 私は一時期映画を観まくっていた。一日のほとんどの時間、体がぐったりとして動けなかったので、目をあけているだけでいい映画鑑賞が最良の時間つぶしだった。レンタルショップで10枚いっぺんに借り、それを数日で観終わっては、またす…
ひきこもり当事者・喜久井(きくい)ヤシンさんによる小説「遊べなかった子」の連作を掲載します。12歳の少年みさきは、海の上をただよう〈舟の家〉に乗り、行く先々で奇妙な人々と出会います。さびしさやとまどいを経験していくなかで、少年はどこへたどり…
ゲーム依存が「障害」になった ゲームのやり過ぎによって日常生活に支障をきたすゲーム依存症が、「ゲーム障害」として精神疾患に認定された。世界保健機関(WHO)が2018年6月18日に公表した、改訂版国際疾病分類「ICD-11」の最終案に明記されている。ICDは…
ひきこもり当事者・喜久井(きくい)ヤシンさんによる小説「遊べなかった子」の連作を掲載します。12歳の少年みさきは、海の上をただよう〈舟の家〉に乗り、行く先々で奇妙な人々と出会います。さびしさやとまどいを経験していくなかで、少年はどこへたどり…
今回は、生きづらさをもつ当事者が選んだこだわりの曲を紹介。2010年代のJ‐POP・苦しさを歌ったアーティスト特集をお届けします。 #1 あいみょん『生きていたんだよな』 あいみょんは、2016年にメジャーデビューしたシンガーソングライター。17年リリー…
ひきこもり当事者・喜久井(きくい)ヤシンさんによる小説「遊べなかった子」の連作を掲載します。12歳の少年みさきは、海の上をただよう〈舟の家〉に乗り、行く先々で奇妙な人々と出会います。さびしさやとまどいを経験していくなかで、少年はどこへたどり…
(文・写真 喜久井ヤシン) 前書き 私はいわゆる「ゲイ」で……と自己紹介をする、ただそれだけの言葉にたどりつくために、私は三十年以上の年月がかかっている。いまどきなら目立つほどの告白でもない、特にネット上であればいくらでも見つけられる「ゲイ」や…