回復
(文 喜久井伸哉) もし私の「ひきこもり」にゴールがあるとしたら、「職場で雑談ができたとき」だ。 「就労」ではない。 「ひきこもり支援」では、よく「就労」がゴールのように言われている。 外で働いて、自分のお金を稼ぐという点では、たしかに「社会的ひ…
(文 喜久井伸哉 / 画像 Pixabay) 人がギャンブルにハマるのは、「うまくいく」からではない。 「うまくいくかもしれない」からだ。 ボロボロに負けても、「次はうまくいくかもしれない」と思えるせいで、欲望が立ち切れなくなる。 ゲームの勝敗にしても、…
(文・喜久井伸哉) 2022年8月8日、中井久夫氏が亡くなられた。88歳だった。 私は一読者に過ぎず、面識もないが、この場を中井氏の記念とさせていただきたい。 私はライターとして、何度か著名人への取材をしている。 仕事を始めたとき、願わくば取材したい…
コロナ禍によって、子供たちの学校生活は一変しました。「修学旅行に行けなかった」、「部活の大会が中止になった」など、多くの声が上がっています。しかし不登校・ひきこもり経験者のキクイさんは、「本当に失われたもの」は他にあると主張。本当の「喪失…
自分を受け入れられない 私は、自分が良い人間になれると思っていた。 働いて、親孝行をして、恋愛や結婚をして。 本当はもっと、幸せに生きていけたはずだと思う。 しかし半生をふり返ってみると、どれもうまくいかなかった。 私は世の中から孤立して、引き…
ひきこもり経験者による、約1000文字のショートショートをお届けします。〈生きづらさ〉から生まれた小さな世界をお楽しみください。 「生きづらさを感じるんです」 高次脳昨日障害 「僕が、高次脳機能障害ですって?」 「いいえ。高次脳昨日障害です」 昨日…
(文 喜久井ヤシン 画像 Pixabay) 「力を入れろ」ではなく「力を抜け」と言ってほしい 世の中ではよく、「がんばれ」や「集中しろ」といった言葉が発せられる。 「ひきこもり」に対しても同様で、「力を入れろ」と急かされているような感覚になる。 しかし…
(文 信田風馬) 今回は、不登校経験者の信田風馬(のぶた ふうま)さんの当事者手記をお届けします。信田さんは十代の頃から、大勢の前で自身の体験を語ってきました。しかしある時から、「不登校」にふり回されてきた自分に気づき、うまく語ることができな…
(文 喜久井ヤシン 画像 Pixabay) 助けになった「サードプレイス」 私は十代のほとんどの期間、「不登校」であり「ひきこもり」だった。 現在は仕事をしているが、たまに不登校に関するイベントへ行くことがある。 そのさい、私が経験者だとわかると、悩み…
(Photo by Pixabay) わずかのことがわれわれを悲しませるので、 わずかのことがわれわれを慰める。 (パスカル) 部屋のすみにほこりが溜まっていくように、体のあちこちにも、すぐに疲れが溜まってしまう。 大そうじをするみたいに、疲れをいっぺんに取り…
どうやってうつ状態を克服していったのか 〜日常の些細なことに幸せをみいだす練習〜 書き手 : 葉 うつ状態の時 うつ状態の時、本当に酷い時は動けなかったり満足に起きれなかったりしていましたが、抗うつ剤を飲むようになっても感情はあまり改善せず、多…
今週の10月26日(土)に、シューレ大学で「研究イベント」が開催されます。イベントでは、学生たちが自分の生きづらさと向き合った成果を発表。身近な悩みを掘り下げた「当事者研究」は、聞く人に新たな気づきをもたらすかもしれません。シューレ大学の卒業…
「記憶力を鍛えよう!」……といった言葉はよく聞かれます。しかしひきこもり状態のように、心が疲れているときには、むしろ「忘れていく力」こそが大事なのではないか?今回は、記憶をテーマにした当事者手記をお届けします。 (文・写真 喜久井ヤシン) 「ど…
(文・万年ダイエッター) あなたは誰かに「働くことの意味」を問われたことはあるだろうか? 私はある。しかも、だいぶ唐突に。それは2月のこと、取引先に向かおうと地下鉄に揺られていた。花粉で朦朧としながらスマホを眺めているとLINE通知がぽこっと現…
一番おいしい卵の食べ方 本当の意味でおいしい食事のできることが、人らしい暮らしの「豊かさ」ではないかと思う。私が誰とも会えないで過ごしていた十代の頃、養育者(親)の出してくれた食事は、栄養の多い、おかずの種類も豊富な料理だったけれど、当時の…
頼りになりたい相談者は紅葉坂を登った なぜ、ピアサポートゼミナールに興味を持ったのか 支援施設での葛藤 ひきこもり大学ピアサポートゼミナール活動報告会へ行く 昔をふりかえれば… ひきこもり始め ネットで見つけた心の衝動 ひきこもりからの解放 担当相…