ひきポス -ひきこもりとは何か。当事者達の声を発信-

『ひきポス』は、ひきこもり当事者、経験者の声を発信する情報発信メディア。ひきこもりや、生きづらさ問題を当事者目線で取り上げます。当事者、経験者、ご家族、支援者の方々へ、生きるヒントになるような記事をお届けしていきます。

当事者手記

お風呂に入りたいけど精神的に入れない

(文・湊 うさみん) 一か月お風呂に入れませんでした。 「お風呂に入りたくない」ではなく「お風呂に入れない」という状況は普通の人にはわからないんだと思います。 お風呂が壊れてて入れないのか、それとも風邪を引いていて入れないのか。そういったこと…

クリスマスの駅頭で出会った小さな「現代」―「ひきこもり支援」を考える

街にはチャリティの空気が満ちていた。シリア難民救済の募金箱をかかえる若い女性に、一人の白い杖をついた中高年の男性が背後から近づいていた。そこに小さな「現代」が起こった。……

故郷はない、過去も語れない、近所から孤立したひきこもり。『あなた何してる人』第4回

「私とは何者か」を近所の人に知ってもらうためには、「私とは何者か」を語ってはいけない…。ウッカリもらってしまった一本のキュウリから始まる近所とのコミュニケーション地獄!

ワケあり女子のワケのワケ⑲ 絶望のマインドフルネス(後編)〜自己からの解放

それは「自己」からの解放だった。 この世界のあらゆるものに受け入れられた気がした。 モノクロだった世界が鮮やかに色づき始めた。

私が支援の場で言われた最悪の言葉 「いつまでも〇〇じゃないんだから」

今回は、支援者から言われた一言がテーマです。言う側は励ましのつもりで発言していても、当事者にとっては、「最悪」だったというその言葉とは何か。生きづらさ当事者との、向き合い方を考えさせられる一本です。 支援者から言われた言葉 八歳ほどの頃から…

ひきこもり、外に出る

(文・湊 うさみん) 日本一の詩人、中原中也は精神病院に強制入院させられ、脱走。精神衰弱して外を出歩くのは人のいない深夜のみだったと言います。 人のいる昼間に外に出たくない気持ちはよくわかります。みんなが自分を見下しているんじゃないかとか、自…

ワケあり女子のワケのワケ⑱ 絶望のマインドフルネス(前編)〜他者への恐怖

なぜ私は生まれてきたのか。 なぜ私は生きているのか。 なぜ私はまだ死んでいないのか。 なぜ私は、特に生きたいという意志もないのに、 腹が空いたら目の前のスナックを食べ、 「もっと身体によい物を食べなければ健康に悪い」などとつい考えてしまうのか。…

家族は怪物 ニートの家庭事情

(文・湊 うさみん) 家族は仲良くしなくていい。 テレビでは「家族の絆」が強調され、学校では「だいすきなおかあさん」といったテーマで作文が書かされる。世の中は、家族は仲良くすべきだいう価値観を押し付けてきます。 でもね、仲良くできないケースが…

ひきポス一周年に寄せて

著 ゆりな 私が自らの生きづらさに向き合い始めた時期は、ひきポスと出会った頃と重なる。 これまでたくさんの場で、様々な立場の方に出会ってきた。 一人一人抱える背景は異なり、価値観も皆それぞれだった。 そんな中でも私は、当事者として 「ひきこもる…

遊んでるけど遊べてないニートの生態

(文・湊 うさみん) 明日があるー♪ 明日があるー♪ 明日があるーさー♪ 私「明日もあるのか……」 今日で世界が終わってしまえばいいと本気で思うこともよくあるのですが、無慈悲に明日はやってきます。 朝は11時か12時くらいに目が覚めるのですが、「明日」が…

就活で90社落ちるってこういうこと

(文・湊 うさみん) 就職活動で90社落ちた。 世の中の人は「受かるまで活動続ければ働けるだろ、甘えんな」などと気楽に言うけれど、それがなぜ無理だったのかはこの90社という数字に表れている。 当時は100社受けてみてダメだったら別の道を探してみようと…

Horror of socializing with neighbors that started with a single cucumber! - "What's Your Job?" Round 3

In the small world of neighborhoods, everyone wants to know what is really going on behind the facade of each other. However, this interest is always superficial, and knowledge of the other family's reality does not mean that they will wor…

ウッカリもらってしまった一本のキュウリから始まった近所づきあいの恐怖!『あなた何してる人』第3回

近所という名の小さな世間では、みんなお互いに、お互いの建前をひっぺがして、その向こうにどんな実態があるかを知りたがっている。けれども、その関心はつとに表面的で、相手の実態を知ったからといって、いっしょに解決を考えてくれるわけでもなく、実態…

なぜ私の母親は食事のたびに謝罪していたか? 「ひきこもり」と食をめぐって

家事に育児に仕事にと、私の母は『完璧な女性』像を追い求める人だった。夕食には毎回おかずを何品も作っていたけれど、帰りが遅くなって簡単な料理しか出せない時には、私に「ごめんね」と謝った。私にとってその謝罪は、何よりも食事をまずく感じさせるも…

「仕方ないから生きる」の前向きさ

(文・湊 うさみん) (注)この記事は自殺についての記述があります。 自殺未遂をした。 就職活動に90社落ちて、自分には才能があると信じてずっと書き続けてきた小説もまったく評価されなくて、精神的におかしくなってしまった。 「これでダメならもう諦め…

自殺記念日は誕生日でもありハロウィンでもあり(後編)

僕は自殺をはかった。絶望が希望を打ちのめし、感情が理性を食い殺し、過去が未来を覆い隠すことはある。それが現実だ。でも……。 NHKハートネットで記事を朗読した作者が記す、渾身の当事者手記の後編。 前編は、「もう限界だ、死んでやる」と睡眠薬をどばど…

自殺記念日は誕生日でもありハロウィンでもあり(前編)

ある日、障害者就労支援センターの結衣さん(仮名)からこんな話をされた。 「ご家族が学さんの病気に理解がないと仕事を続けるにあたって弊害になるかもしれない。だから、一度話がしたい。それから、お家の経済的な状態も聞きたい。いまの生活がどれくらい…

ワケあり女子のワケのワケ⑰ 「ニート」という言葉〜無所属の苦しみ

ああ、それ私じゃん、と思った。 そうか、どうやら私はいま世間から「ニート」と呼ばれているらしい。 そしてそう呼ぶテレビの声はやや迷惑そうに聞こえた。 そりゃそうだ。そんな若者が増えたら社会は困るに決まっている。 そんなことぐらい、私だってわか…

母と僕とヒートテック

リーマンショックが起きた年、母が倒れた。すい臓がんだった。医師に余命三ヶ月と言われた。 余命のことは言わなかったが、すい臓がんだとあらためて母に伝えた。母は保健師だからすい臓がんのおそろしさはわかっていたと思う。 父は最後まで告知に反対して…

なぜ鮭の味噌炒めが私の「社会的ひきこもり」を終わらせたか? 「ひきこもり」と食をめぐって

一番おいしい卵の食べ方 本当の意味でおいしい食事のできることが、人らしい暮らしの「豊かさ」ではないかと思う。私が誰とも会えないで過ごしていた十代の頃、養育者(親)の出してくれた食事は、栄養の多い、おかずの種類も豊富な料理だったけれど、当時の…

ワケあり女子のワケのワケ⑯ 高校中退という選択

(実家の集落近辺。撮影:ワケあり女子) こんにちは!ワケあり女子です。 Twitter(@wakeali_joshi)が全然更新できません!やばい、三日坊主だってバレる……! そのうち慌てて更新しますのでどうか生ぬるい目で見守ってやってくださいm(_ _)m そんなワケで…

ワケあり女子のワケのワケ⑮ 地方で精神医療に通うということ

(福井の空模様はいつも不安定。撮影:ワケあり女子) こんにちは!ワケあり女子です。 2週連続お休みしてすみません…!今日はもう、言い訳しません。 10月からは毎週水曜日の更新になりました。変わらずご愛読いただけると嬉しいですm(_ _)m あ、あと、twit…

ひきこもり歴30年の私がひきこもるまで…

(文・みか) 46歳女性。現役ひきこもり当事者。16歳から30年間、精神科通院以外はひきこもっている。 www.hikipos.info 「いい子」になる他なかった 私はいわゆる「いい子」だった。 幼少の時より、父は仕事で朝8時頃出て、翌朝の3時まで帰ってこなかった…

なぜ私はひきこもっている時に素手で食事をしていたか? 「ひきこもり」と食をめぐって

どれだけ孤独に過ごそうとしても、「食べる」ことは欠かせません。食事は毎日の生活の課題でもあれば、家族関係の問題とも密接なつながりがあります。今回は、〈ひきこもり×食〉をテーマにしたエッセイを掲載。切実な実体験をもとに、当事者が切り込んでいき…

ワケあり女子のワケのワケ⑭ 「家族」って何だろう〜祖母・伯母と暮らして

(福井の田んぼ。そろそろ収穫の時期。(写真:友人提供)) こんにちは!ワケあり女子です。 台風がひどかったですね・・・みなさまご無事でしたでしょうか。私は無事元気に過ごしております。実家に慌ててLINEしたら「屋根ぶっ飛んだ」と言われ、本気で心…

L'Odyssée d'un Hikikomori, 1er Tour: "Différents Modèles de Hikikomori"

Depuis plus de 30 ans, je vis les différents modèles de hikikomori et je suis un hikikomori aussi pour le moment. Et comme moi, un hikikomori peut changer le mode de vie en fonction de la période de la vie. Alors, on devrait plutôt appeler…

ワケあり女子のワケのワケ⑬ 目の前の学歴格差

(福井県・三国町の海。不登校時代に友達と訪れた。(写真:友人提供)) こんにちは!ワケあり女子です。先週もいきなり休載してすみません泣。急な引っ越しで心身ともにバテておりました・・・って、ワケあり女子ならぬ言いワケ女子になりそうです汗。 残…

増補改訂版「ひきこもり放浪記」第4回 "ホテル予約の電話がかけられない" ー 死のうと思ってアフリカへ

学生という身分を失ったら、もう社会では生きていけない。死のう。自殺場所となる高級ホテルの部屋を予約しなくちゃ。でも、電話がかけられない。受付のお姉さんにバカにされるのがこわいから…。

The Odyssey of a Hikikomori, Round 4 : Can't Make a Call for Hotel Reservation - Looking for a Place to Die

After graduation of university, I won't have any social status. It means I must not live in this society. I have to die. If you try suicide, never fail. What is the perfect method? ...Then I found a manual which told "Reserve the expensive…

繭居族流浪記,第四回合:"撥不出的電話" - 尋找死亡之所

大學畢業後,我將沒有任何社會地位。 這意味著我不能生活在這個社會中。 我必須死。 如果你嘗試自殺,永遠不會失敗。 什麼是完美的方法? ...然後我找到了一本手冊,上面寫著“預訂兩晚昂貴的酒店”。