ひきポス -ひきこもりとは何か。当事者達の声を発信-

『ひきポス』は、ひきこもり当事者、経験者の声を発信する情報発信メディア。ひきこもりや、生きづらさ問題を当事者目線で取り上げます。当事者、経験者、ご家族、支援者の方々へ、生きるヒントになるような記事をお届けしていきます。

当事者手記

ウーバーイーツで月収50万円!? Yahoo!ニュースを騒がせたひきこもり当事者の手記

文・宇場崎 一郎(仮名) hbol.jp ※掲載元の記事(現在、Yahoo!ニュースのページは削除されています】 はじめに 『ひきこもり当事者が仕事に就いて社会復帰を果たす』それ自体は素晴らしい事だろうし、私自身もそうなって良かったと思う。 今回、私がこの手…

自分の思いを口に出す~当事者手記が出版されるまで~

著者近影 撮影・深田美穂 文・岡本圭太 2023年、この12月に本を出すことになった。 タイトルは『ひきこもり時給2000円』(彩流社)。この一風変わったタイトルの由来は、本の中身を参照していただきたいが、本のジャンルとしては、ひきこもり体験者によるエ…

【書評】岡本圭太著『ひきこもり時給2000円』 「親」への感謝を述べた異例の当事者手記

岡本圭太著『ひきこもり時給2000円』彩流社 2023年12月12日 2023年、全国の最低賃金の平均が、1000円をこえた。アルバイトをすれば、だいたいの地域で、1000円くらいには、なるわけだ。一方で、ひきこもっていると、お金には、ならない。それは、あたりまえ…

「自分は生まれ損ないだと思ったので、全ての人と連絡を絶った」韓国のひきこもり・モカさん当事者手記

自分の国での希望のない生活環境から逃げ、どこか新しい場所で生き直したくて憧れの日本へ留学した。そこでの生活は楽しかった。でも……

ひきこもり家族会は何のために存在するのか 〜 家族会の未来に向けて 井口(仮)さん当事者手記 第7回

ひきこもりの家族会(親の会)に参加していると、いつも本当に話したいことが話せないために葛藤する。 家族会の存在意義って何だろう。

境界知能の母親から生まれて 〜20人に1人の割合で存在している「見えない子どもたち」へ〜

なぜ私の中にそれほどまでに強い母への殺意が存在するのか、そしてそれがどこから来るのか、まったく分からなかった。のちに私は小学校2年生のときに見た一つの悪夢の記憶を携えて、全国あちこちの臨床家を訪ね歩くことになった。

男性の生きづらさ ~ 家庭で休むことができない結婚生活

「女性の生きづらさ」が多くメディアで取り上げられるようになってきた。男性は生きづらくないのだろうか。 仕事で疲れて帰ってきても家事がたまっていて休むことができない。妻の「生きづらさ」には耳を傾けなければならない。夫の「生きづらさ」にはどこに…

ひきこもりのサバイバーズギルド わたしは生き残ってしまってはいけなかったのではないか

なぜ、生き残ってしまうことが、辛いのか。 理由の一つは、苛烈な日々と、平凡な日々とでは、生の緊迫感が、違ってしまうせいではないか。 命がけの戦場に比べれば、平静な暮らしは、すべてが味気ない。 人とのあいさつも、部屋の飾りも、店での買い物も、ど…

図書館アルバイトを体験して思ったこと 井口(仮)さん当事者手記 第6回

就労支援機関へ通っても不快な体験ばかりしていた。その一方で、就労支援機関を経由しないで、ひきこもっていた僕は図書館でのアルバイトを始めることになった。そのときの体験を皆さんにお伝えしたい。

「結婚する意味がわからない」女性ひきこもり 虹野めるかさん 当事者手記 第3回

パパはある日、私に会ってほしい人がいると申し出た。誰に会ってほしいのか聞いて驚いた。それは私が最も会いたくない人だった。

下山する決意 「休む」や「逃げる」なんて言葉では言い表せない死にものぐるいの〈家庭内ビバーク〉

(文 喜久井伸哉 / 画像 Pixabay) 私には、「ひきこもり」の期間があった。優しい人からは、「休んでもいい」、とか、「逃げてもいい」、といった言葉を、言われたことがある。しかし、合計で十年に及ぶ、「ひきこもり」の期間のうち、自分が「休んでいる」…

孤独のレイヤー 人を黙らせるための〈コミュニケーション能力〉講座

(文 喜久井伸哉 / 画像 Pixabay) 人間関係のレイヤーが違う 私は、誰か大勢といても、違うレイヤー(層)に、いる気がする。飲み会のような場で、何人もの人がいて、「わぁっ」、と、盛り上がる瞬間。自分だけ、反応できていない。自分だけ、楽しくなって…

人と人とが接している具体的状況の検討を 井口(仮)さん当事者手記 第5回

ひきこもりの問題において問題となっているのは、人と人とが接している状況にあるはずなのに、支援機関での相談やセミナーなど、人と人とが接している状況で、お互いの振る舞いや社会性が問われていない、ということである。

自明性の悲しみ 一週間誰とも話してないけど、それでも全然人に会いたくならないのはなぜか

(文 喜久井伸哉 / 画像 Pixabay) 自明性の悲しみ 一人で時間を過ごしたり、自分の趣味をしたりすることなら、できる。しかし、どこかに出かけて、誰かに会うことを考えると、とたんに、気力が出なくなる。誰とも交流のない、日々の孤立が、深まっていく。 …

〈気力〉の湧出量 外に出ようとするとHPではなくMPがなくなる

(文 喜久井伸哉 / 画像 Pixabay) 〈気力〉の湧出量 これという、予定のない日。普段よりも、遅い時間に目を覚まして、布団のなかで、自覚する。「ああ、今日もダメな日だ」、と。体も、心も、疲れすぎている。本当は、先延ばししている用事も、家の掃除も…

無人の曠野を抜けて - ウクライナのひきこもり当事者 ドミトロH. の手記 第3回

僕はいろいろなことが少しずつできる。でも、どれも少ししかできないんだ。それじゃあ、つまらない。もしすべてを手に入れることができないのなら、むしろもう何も手に入れない方がいい……。

Running Through the No-Man’s-Land - Memoirs of Ukrainian Hikikomori Dmytro H. Chapter 3

Now, what am I? - I am a super asocial hikikomori in a country that is in a war of almost WW2 scale for more than one year, with abandoned home, destroyed memories, failing body, too disillusioned about the world and no place among the nor…

ロシア軍占領地域から決死の脱出 - ウクライナのひきこもり当事者ドミトロH.の手記 第2回

このままでは占領軍に徴発されて人間の盾にされてしまう。そこで僕たちは占領されている街から脱出して、自由ウクライナへ逃亡を図ることにした。ところが……

Attempt to Escape From the Occupied City - Memoirs of Ukrainian Hikikomori Dmytro H. Chapter 2

Our city was captured by Russians. Rumors circulated that civilians would soon be forcibly conscripted into the Russian army as cannon fodder. So my family devised a plan to escape to the unoccupied territory of Free Ukraine. However, it w…

ウクライナのひきこもり当事者ドミトロ H. の手記 第1回「僕はどのようにひきこもりになったのか」

現在進行形で戦争がつづくウクライナ。そんな国でひきこもっている当事者は何を思い、何を考えているのか。稀有な当事者手記。

How I Became a Hikikomori - Memoirs of a Hikikomori in Ukraine, Dmytro H. Chapter 1

I am a hikikomori in Ukraine, 30 years old. I am going to tell you how I became one and I am living in the country where a war is going on.....

「正当な差別」を受けている日常 今日を「事件」にしないためのLGBT法案

文・写真 喜久井伸哉/画像 Pixabay 現在、国会では「LGBT理解増進法案」の議論がおこなわれています。ひきこもりの経験者で、ゲイでもある執筆者は、この法案に問題があると指摘。LGBTの当事者の声をお届けします。 日本にも、ようやくLGBTへの「差別禁止法…

毒親戚の物語 カサンドラな私たち ~ 女性ひきこもりの生きづらさ

我が家に毒気をあててきた親戚一家の話

体験から来る冤罪被害者への共鳴  ~男性ひきこもりの生きづらさ~

たしかに私は20年近くひきこもっている、中高年の男性ひきこもりである。だが、ただそれだけだ。 しかし私の街の警察は、そんな私に罪を「自白」させ、逮捕し、犯罪者として立件しようとした。

大の大人に囲まれて 井口(仮)さん当事者手記 第4回

隅っこにある狭い相談スペースで、大の大人二人に囲まれていることはとても辛い状況だった。 いま思えば、社会に参加するために、サポートステーションを訪れる必要も、サポートステーションの隅っこの一角でこのような目にあう必要もなかったはずだ。……

義母からかかってくる電話 ~専業主婦の生きづらさ~

私はひきこもり当事者でもその家族でもありません。でも、私には生きづらさや悩みがあります。そんな悩みを一つ聞いてもらえませんか。

「わたしってひきこもりなの?」 めるかさん当事者手記 第2回

都会の街並みには、他のアーティストが作った作品や仕事があふれていた。それらはこぞって「お前にはこれだけのものを作る才能はないだろう」とわたしをあざ笑っているようだった。わたしは痛くて、外が歩けなくなった。……

履歴書に空白期間があっても 井口(仮)さん当事者手記 第3回

社会参加はしたいが、自分が社会参加をすると周囲に迷惑が掛かる、だから今まで社会参加しなかった。迷惑が掛かるから自分が社会参加しないことは、社会的にも倫理的にも正しいし、そういう状況を社会に強いられている。でも社会参加したい。そして「生活」…

めるかさん当事者手記 第1回 ファッション業界を夢見て

田舎でスナックを営む母の女手一つで育てられたわたしは、高校を卒業して上京した。憧れのファッションデザイナーになるためだった。東京の中でもおしゃれな一等地、南青山のデザイナーオフィスに弟子入りして順風満帆かと思ったら、そこには女性たちの熾烈…

「ひきこもり」の定義を再考する 井口(仮)さん当事者手記 第2回

これまでの「ひきこもり」の定義には、当事者の主体性と経済面が表現されていないことが僕にとって不満だった。そこで僕は新しい「ひきこもり」の定義を作ってみた。