ひきこもり
ひきこもり経験者による、約1000文字のショートショートをお届けします。〈生きづらさ〉から生まれた小さな世界をお楽しみください。 〔イラスト カトーコーキ〕 生活過保護制度 朝8時にベッドから起き出すと、召し使いが驚いて言った。 「えっ、まだ朝なの…
餌や水が好きなだけ得られる恵まれた環境でネズミを繁殖させたら、そのうち一定数が「ひきこもり」のネズミになることが、20世紀中ごろの実験で明らかになっていた。
Experiments in the mid-20C had shown that if rats were allowed to breed in a privileged environment where they had access to as much food and water as they wanted, a certain number of them would become "hikikomori" rats.
Des expériences menées au milieu du XXe siècle avaient montré que si les rats étaient autorisés à se reproduire dans un environnement privilégié où ils avaient accès à autant de nourriture et d'eau qu'ils le souhaitaient, un certain nombre…
今回は、ひきこもり当事者たちが制作していた雑誌『IRIS(イリス)』をご紹介します。 『IRIS』はひきこもりや「生きづらさ」が主なテーマとなっていた同人誌です。 2003年から2006年の約3年のあいだに、12冊が刊行されました。 創刊のきっかけは、東京シュ…
「あの人も、私と同じひきこもりと言われるけど、どう考えても私とはまったくちがう」 そんな違和感からひきこもり当事者たちの間に走る断裂を考える。
ひきこもり経験者による、約1000文字のショートショートをお届けします。〈生きづらさ〉から生まれた小さな世界をお楽しみください。 とおふじ さおり 『生い立ちに名はない』より ひきこもり養成講座 「外にばかり出てないで、たまには家にいなさい!」と母…
今回は、ひきこもり当事者が制作していた雑誌『クラヴェリナ』を紹介します。 『クラヴェリナ』は、2002年から2004年までに、7冊が刊行された同人誌です。 雑誌創刊のきっかけは、ひきこもり当事者たちの居場所「スペース1」でした。 設立したのはOご夫妻で…
(文 「ひきポス」編集部/編集 喜久井ヤシン) 2020年も、『ひきポス』は「ひきこもり」当事者・経験者の声を届ける情報発信メディアとして、活動を続けることができました。今回は、この一年間に公開された『ひきポス』の記事を取り上げ、「ひきこもり」ニ…
今回は、ひきこもり当事者のために作られていた雑誌『Hiki♡Com`i(ひきコミ)』を紹介します。 『ひきコミ』は、不登校情報センターの活動から生まれた雑誌です。 サブタイトルは「不登校、ひきこもり、対人不安の人から発信する個人情報誌」。 2000年12月の…
今回は、2000年代前半に発行された「ひきこもり当事者のための雑誌」3点を紹介します。まだ「ひきこもり」という言葉が広まったばかりの時代、当事者たちは何を考え、何を発信していたのか。知られざる「ひきこもり」の歴史を発掘します。 Ⅰ 2000年創刊の文…
『冊子版 ひきポス』のバックナンバーをご案内します。 『ひきポス』は、ひきこもり当事者、経験者の声を発信する情報発信メディアです。 生きづらさ問題を当事者目線で取り上げ、当事者・経験者・家族・支援者へ、生きるヒントになる記事を届けることを目的…
今回は、〈歩くこと〉がテーマのエッセイです。孤立によって「外をうまく歩けなくなる」とはどういうことか。哲学的な当事者手記をお届けします。 街なかを歩いているときに、人の外見ではなく「歩き方」そのものに着目することはあまりないだろう。しかし「…
En juin 2020, France 5 a diffusé un documentaire sur les hikikomori réalisé par une journaliste. Elle a été appréciée par les médias, mais elle a profondément blessé l'interviewé. Que s'est-il passé ? Comment nous devrions considérer le pr…
Se la nocio "hikikomori" vastiĝas, ĉu ĉiuj ne estos nomataj "hikikomori" en la fino? Kial kuraĝi elekti la identecon de "hikikomori"? Ĉu la vorto "hikikomori" estis nenecesa? Ni ordigu ĉiujn tiujn problemojn.
(文・杉本しほ) 現在進行形でひきこもりである、私がひきこもりになった根本原因を記しておきたくて書きました。現・ひきこもりの心の支えや、支援者・ひきこもりの周りの方々に心理を知っていただけたらと思います。あくまで私の経験なので、もちろん全員…
(文 喜久井ヤシン 画像 Pixabay) 「長い距離を下るときには、じっとすわっていることも大切なんだ」(カヌーの達人からの助言) 世の中では、ある二文字が頻繁に使われている。 「プロジェクト」「プロダクション」、「プロダクト」「プロセス」「プロデュ…
文・写真 ゆりな 「来週のお天気を調べておこう」 今にも雨が降りそうな青黒い空を見て思う。 空に纏まった雲が泳ぎ、真正面に構えた大塊が、 私の行き先に一雫を落とそうとする。 表面に薄く青さを残しながら、 重たくなった涙袋のふくらみは その縁から水瓶…
(絵 まる 文 喜久井ヤシン) Reach Out (2020年) 今回は、十年以上のひきこもり経験をした、まるさんのイラストを紹介します。 まるさんは小学校6年で不登校になって以来、長いあいだ部屋に閉じこもり、家族とも会話をしなかったといいます。 以下は、まる…
(Photo by Pixabay) わずかのことがわれわれを悲しませるので、 わずかのことがわれわれを慰める。 (パスカル) 部屋のすみにほこりが溜まっていくように、体のあちこちにも、すぐに疲れが溜まってしまう。 大そうじをするみたいに、疲れをいっぺんに取り…
(文・編 喜久井ヤシン 画像 Pixbay) 人間の不幸などというものは、どれも人間が部屋にじっとしていられないがために起こる。部屋でじっとしていればいいのに、そうできない。そのためにわざわざ自分で不幸を招いている。(哲学者 ブレーズ・パスカル) 序 …
コロナ自粛に飽きている「ふつうの人々」は、ひきこもりにひきこもり生活を楽しく営む秘訣を訊こうとする。しかし、そこで出てきたのは、自粛生活を喜ぶ「不謹慎な」ひきこもりの世界観だった……。
いつかは上京して漫画家になりたいと思っていた。鬱屈した感情をぶちまけ、妄想を漫画に描き、コミック誌の新人賞に応募する毎日。しかし、そのうちに考え方が変わってきた。……
(文 喜久井ヤシン 画像 Pixbay) 仕事をせずに家に居るだけだと、「何もしていない」と思われがちです。しかし、執筆者の喜久井(きくい)ヤシンさんは「人は〈居る〉だけで価値がある」と断言します。その真意とは何か。哲学的なエッセイをお届けします。 …
絶望の明滅 文・写真 ゆりな "私は目をふさぐ" これ以上見たくないものを見続けなくていいように 表情の隙間に、口角の端の嘲笑を読み取らなくていいように 虹彩の奥に、裏切りへの不安を抱かなくていいように 綻んだ一瞬に、人を弄ぶ裏の舞台を想像しなくて…
(文・南 しらせ) 新型コロナウイルス拡大防止のための「緊急事態宣言」によって、みなさん自宅で生活される時間が増えていると思います。ただ自宅にいても「不安やストレスで辛い」、「どう過ごしていいか分からない」という方もいらっしゃるのではないで…
慣れるということ。 それは、私にとって世界に絶望するということ。
Thinking that suffering is worth it. - Believer in Pain My body that remembers the comfort to suffer. That sense distorts my path of living and takes human dignity away from me.
今回は、評論家・芹沢俊介さんの本を4冊いっぺんにご紹介。ひきこもり当事者の喜久井ヤシンさんが「救われた」と語るその中身とは。思いのこもった書評集をお届けする。 先日、雲母(きらら)書房という珍しい名前の出版社が倒産した。 養育や福祉に関する…
新型コロナウィルスの感染拡大。さあ、東京オリンピックはどうする。そのとき、多くのひきこもりはこう言った。……